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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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簡単にイベント情報共有


 蓮見は大いにはしゃぎ疲れたのでログアウトした。

 すると、奇跡的に同じタイミングで美紀たちもログアウトしていた。


「あっ、皆お疲れー」


「お疲れさまでーす」


「おっ、美紀もログアウトしたんだね~」


 意識が現実世界に戻るとそんな会話が耳から聞こえてくる。

 思い出す。

 美紀たちがま……蓮見が美紀たちと気付いたらはぐれて迷子になっていたことを。

 このまま寝たふりをして誤魔化すか、とも考えるが美紀相手には通用しないと腹をくくる蓮見。


「うぅ~」


 大きく背伸びをしてチラッと視線を五人に飛ばす。

 一見怒っているようには見えないが、後ろめたい気持ちがあり過ぎて心の中がモヤモヤしてしまう。


「あっ、ダーリン。ちょっと聞きたいんだけどいい?」


「は、はい!」


 手汗が止まらない。

 それでも避けては通れない道だと思った蓮見は息を呑み込んで覚悟を決める。


「次のイベントってギルド対抗イベントらしんだけど参加するわよね?」


「えっ? あっ、はい。皆さんが嫌でなければ」


「なら問題ないわ。それでね話変わるんだけど」


 物凄く嫌な予感がする。と珍しく本能が警告をしてくるが、この世界において蓮見の運動神経は平凡。女子とは言え運動神経抜群の美紀を出し抜き、朱音まで出し抜く事はほぼ不可能に近い。なによりそこに七瀬と瑠香が入ってくるとなると正直逃走成功確率は限りなくゼロに近いだろう。せめてもう少し距離があれば状況が変わっていたかもしれない。


 ――ゴクリ


「ダーリン私たちとはぐれて何をしていたのかしら?」


「そうよ! はすみぃ探ししてたら何か一人楽しそうなことしてた! 一体何をしていたのかわたしぃ~にちゃんと話して」


 小悪魔スイッチが入った美紀が蓮見の近くにやって来ては上目遣いで見上げてくる。


「えっと……それは……く、クエストでございますよ?」


「んっ? クエスト?」


「そ、そうです、美紀様」


「ふ~ん。んで、なら召喚獣とやらはどこで手に入れたの?」


 情報提示板で発言こそしなかったものの、全てを見てきた美紀が蓮見に問い詰める。【異次元の神災者】こと蓮見の情報はゲーム内においてプレイヤー随一情報更新が早い。それだけ皆が警戒している証拠。にもかかわらず、誰一人蓮見の次の成長を正しく予想ができないし対峙すればいつも後手に回る。それは敵だけでなく味方も。


「えっと……クエスト報酬です」

(な、なぜ美紀がそれを知ってるんだ……ッ!?)


「それ、本当?」


「は、はい」


「召喚獣は蓮見の意思でちゃんと動かせるの?」


「た、たぶん」


「ならまぁ……迷子になったことは許さないけど、そっちは許してあげる」


 裏がある笑みを見せてきた美紀。


「まぁ、いいや、とりあえずは。それより皆でイベントの内容について念のために共有しましょう」


 美紀は身体の向きを反転させ、戸惑う蓮見の足の上に乗ってくる。

 そのまま背中を蓮見に預ける。

 髪から微かに香るシャンプーの匂いが蓮見の鼻孔をくすぐる。

 小悪魔になった美紀相手にここで対応を間違えれば迷子の件を深く追及されマズイ展開になると考えた蓮見はそのまま何も言わず受け入れる。


 美紀はイベントの内容を口にしていく。

 その中で蓮見がわかったことは――。


 1. イベントは専用ステージで開催


 2. イベント中の復活は二回まで(ただし一回負けるごとにステータス10%減)


 3. 三回目は復活ではなく強制リタイヤになること(※ギルドリーダーと副ギルドリーダーの両方が退場した時点でギルドメンバー全員その場で強制リタイア)


 4. 開催時間は四時間(十三時~十七時)


 5. 参加資格は四層到達プレイヤーかつ上位ギルド認定書を持つプレイヤーのみ


 6. アイテムの持ち込みは制限有で後日詳細発表


 7. 順位は各プレイヤーを倒すごとに加算(ギルド長三ポイント、副ギルド長二ポイント、ギルドメンバー各一ポイント。ギルド壊滅成功時はメンバー全員分のポイントを一括GET)


 であること。ギルド長や副ギルド長は他の一般プレイヤーより多く狙われやすくなるということ。

 最大参加ギルド数は無制限であることから、プレイヤーが多くなればなるほど攻撃の手は増え、護りは堅くなる。逆に人数が少なければ攻撃の手が減り、護りが厳しくなる可能性が高い。


「ってなわだけど、ざっくりとは理解できた?」


 美紀が首を動かして蓮見に問いかける。


「う、うん……なんとなくは」


「ならいいわ」


「ならもう少ししたら私たちは夜ご飯作るからその間にお勉強しておいで?」


「わかった」


 それから蓮見は自室に戻って夏休みの宿題にとりかかった。

 同時、蓮見の背中を見送った五人はイベント対策会議を始めた。

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