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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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神災竜第三形態VS女王メール



「武装エネルギー充填完了。フルファイアー!!!」


 ガトリング砲の砲身が唸り火を噴く。

 自動照準で調整が終わり、四つのビーム砲が目覚める。

 パワー重視のレーザー光線はエネルギー充填後、一点火力突破兵器として牙を向く。

 今まで劣勢だった蓮見を神災竜専用の近代化兵器が後押し。


 ――ドッドッドッ!!

 ――ドンドンドン!!

 ――ズキューン、ズキューン!!


 前回のイベントでメイン武器は全部壊れた正確には壊したので今はエリカが昔試作で作っていたプロトタイプの方を装備しており性能はやや落ちる。特にMPの還元率は悪い。だけど蓮見に持たせてはいけない武器を持たせた時点でそこは許容誤差範囲内に収まるというもの。


「ちょっと!? なにその弾の暴力は!?」


 小さい身体と素早い動きを利用してメールが水中でとんでもない速度で動く。

 全力のメール。

 蓮見はニコッと微笑む。


「ほほぉ~、この攻撃速度ならいけるのか! あはははは!」


 水中だろうが空中だろうか地上だろうが蓮見には関係ない。

 攻撃手段を与えれば必然的になにかが起こるのだから。

 水の中だと言う事を忘れる。

 砲身が撃鉄を起こし無数の弾をメールの身体に打ち込んでいく。

 僅かな隙間を見つけての回避行動。

 だけど掠った弾丸はメールの柔軟な肌を削る。

 ただし、八割方避け、残りも掠る程度と見事な判断力と行動力だと言える。

 だけど、甘い。

 回避に集中したメールの身体を撃ち抜くのはガトリング砲だけではない。

 メールの素早い動きにも反応するビーム砲が四つ一撃必殺を狙い撃たれる。


「スキル『パワーアタック』『パワーアゲイン』『ハイドロポンプ』!」


 身の危険を感じたメールがスキルを重複して使用。

 瞬間的に強化された青色の魔法陣から放たれる一撃は正にビーム砲に負けない激流の一撃とも言うべきだろうが。四つのビーム砲をたったの一撃で相殺する。

 だけどこれで終わるような生温い神災ではない。

 今まで幾多のプレイヤー、NPC、フロアボスが神災の前に敗れた。

 そこに例外はない。

 水を切り裂き、水の抵抗すら無視して一直線にレーザー光線が襲う。

 レーザー光線を避ければガトリング砲による蜂の巣。

 究極の選択を突き付けられたメール。


「このレーザー私の心臓を狙っている!?」


 生まれて初めて海の中で冷や汗をかいたメール。

 そんなメールの視線の先では神災竜第三形態となった蓮見が愉快に歌い始めていた。

 異常。

 端的に表現するならこの言葉。

 メールから見た蓮見は異常としか言えなかった。


「百万の弾丸ベッドに~埋もれて見る夢よりも~俺が送る世界はビューティフル~♪」


 ゴクリ。

 メールは知った。

 この男に安易に手を出したらダメだと。


「こうなったら私も本気!!! スキル『導きの盾』!」


 薄い緑色の障壁がメールをレーザー光線から守る。

 蓮見は驚きのあまり歌うの止めた。


「――はっ!?」


「スキル『水手裏剣』『水龍』!」


 どこかで見たスキルの連発に蓮見はヤバイと思った。


 今まで沢山助けられてきた姉妹のスキルをまさかメールも使えるとは夢にも思っていなかった。


 歌う事を止めたことで蓮見のMPゲージは減っていく。

 水龍と水手裏剣を撃ち落とすも、撃ち落とせなかった水手裏剣が蓮見のHPゲージを削り、迎撃のため想定していなかったMPを消費させられてしまった。


「水属性のスキル。それが私の攻撃手段であり強み。だけどね、お兄ちゃん」


「ん?」


「お兄ちゃんが歌う事によってMP回復ができるように私も水の中だとねHP自動回復能力を持っているんだけど気付いてた?」


「へっ……えええええ!?」


 ようやく蓮見が気付く。

 与えたダメージがいつの間にかなくなっている事に。


 MP回復が蓮見の専売特許だとするなら、

 HP回復がメールの専売特許だと言えよう。


 機械王の時と言い、第四層はそう簡単に蓮見に勝たせてくれないらしい。

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