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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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機械兵士を殲滅せよ


「あら、意外に貴方達丈夫なのね」


 希少価値が高い貴金属で作られているのは機械王だけではない。

 当然その部下となる機械兵士も同じ。

 朱音は感心したような口調で呟きながら、次々と襲い掛かってくる機械兵士を一体ずつ確実に破壊していく。


「覚えておくといいわ。数で囲んでも、どんなに強い外装を手に入れてもね、関節部分はどうしても脆くなる。特に柔軟な対応が出来るように開発された機械ほどその弱点は露わになるわ」


 まるで自分の娘たちに教えるように呟く。

 やはり一人だけ格が違う。

 敵も味方もついそう思ってしまう。

 レイピアの切っ先が的確に機械兵士の関節部分に突き刺さり、ジョイント部を破壊していく。それは全てテクニカルヒット判定となり機械兵士に大ダメージを与える。大体二ヶ所から三ヶ所の破壊で機械兵士は全てのHPゲージを全損し倒れる。


「個体差があるのね、HPゲージの減りや攻撃練度から見ても間違いないみたいだけどダーリンそっちは大丈夫かしら?」


「………………おらぁ、かかってこいや!」


「相変わらず余裕ないように見えるけど……威勢はいいわね。ん?」


 朱音の視線の先では蓮見が珍しく遠距離攻撃で打ち合っていた。


「わぉ~、ダーリンが弓使いらしく遠距離攻撃で敵と勝負するところ始めて見たわ~。 意外に様になっててカッコイイじゃん♪」


 そんな言葉を投げかける朱音ではあるが、蓮見はそれに反応する余裕もそれを聞く余裕もない。なぜなら、敵の数が十七体なのに対してこちらは実質一人と分が悪いからだ。朱音のように数の差を圧倒的な実力で埋めることはできない。ゲームを初めてようやく半年が経ったばかりなのだ。それが当然である。ならば、いつもみたいに暴れるかと言いたいが、蓮見の後方にはエリカがいる。そんなことをしたらエリカを護れなくなると、普段どれだけ自分が美紀たちに頑張ってもらっていたかようやく理解した男は死に物狂いで奮闘していた。


「絶対後ろにはいかせねぇ! エリカさんは俺が護るんだー!」

(ここいらで今までの恩を返して置かないとマジで借金王になる可能性もあるからな!)


「紅君……」

(私の為に……頑張ってくれている紅君カッコイイ♡ あー、もう大好きよ♪)


 二人の言葉と心の声が一致しない。

 そんなことは敵からしたら関係ない。

 遠距離攻撃による一斉攻撃。

 スキルを使った攻撃ではないが、弾幕と矢の連携攻撃、これをまともに受ければかなりのダメージは免れないだろう。


「チッ、MP消費が早いが仕方ない。スキル『猛毒の捌き』!」


 蓮見の後方に魔法陣が出現する。

 そこから放たれる毒矢は蓮見が認識した敵の攻撃へと全て向けれる。

 自動追尾機能は合っても正射必中は難しいので少しでも撃墜の確率を上げるため全部の照準を攻撃に合わせた。


「――からの、スキル『水振の陣』『虚像の発火』! 名付けて俺様全力シリーズ『水爆』!」


 蓮見のお得意技となりつつある水爆は一直線に敵陣へと飛んでいく。

 距離にして三十から四十メートルと言った所だろうか。


「退避!」


 機械兵士の一人が叫ぶと全員が一斉に動き始める。

 二手に別れた機械兵士の群れは攻撃を躱すとすぐに別の場所に集まり一つの群れとなって反撃をしてくる。


「くそっ……俺様全力シリーズがこうも簡単に躱されるとは……」


 つい悔しくて舌打ちをしてしまう蓮見。

 逆に機械兵士は冷静に蓮見を追い込む手を打つ。


「連携攻撃だ!」


「「「「「了解! スキル『焔龍』!」」」」」


 魔法使いが五人がかりで大技を使ってくる。

 謁見の間に出現した龍は炎で出来ており、その眼光は思わず息を飲み込んでしまうものだった。

 この手のスキルは第二回イベント第三回イベントで見慣れている。

 まともに相手をすると少々どころかかなりめんどくさい。

 蓮見も負けじとすぐにスキルを使う。


「ええい、こうなったらここいら一帯を纏めて吹き飛ばして……したら怒られるから、スキル『迷いの霧』からの来い俺様戦隊」


 蓮見はブルーとイエローを呼んですぐに小声で指示を出して走り始める。


 迷いの霧の中から出てきたレッド蓮見に敵の注意が向く。

 ブルーとイエローにエリカの護衛を任せたことで蓮見自身が自由に動けるようになったのだ。


「そっちがその気ならこっちは《《近接戦闘》》だ! 覚悟しろよ、お前ら!」


 弓使いとして本来ではありえない言葉と行動に出た蓮見にチラチラと見ていた朱音が「はっ!?」と驚きの声を上げた。それは朱音だけにとどまらない。大きな声だった為に美紀たちにも聞こえたが誰一人その行動原理を理解する事はできなかった。




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