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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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美紀、七瀬、瑠香VS機械王


 蓮見と朱音に後方を任せた三人は一直線に機械王に向かって走る。


 途中行く手を阻むように機械兵士が遠距離攻撃をしてくるが、三人はそれを軽々と避けていく。


「ほぉ、中々やるようだな」


 機械王が肩幅に足を広げ重心を少し下げて構える。機械王の視線が三人に固定される。どうやら後方は機械兵士たちに任せるようだ。


 だが、それはこちらも同じ。


「ルナ、行くよ!」


「はい!」


 七瀬が止まり通常遠距離攻撃による先制攻撃を仕掛けると同時美紀と瑠香がスキル『加速』を使い左右から攻撃にでる。


「はああ! スキル『パワーアタック』!」


「行きます! スキル『突進』!」


 まず瑠香がスキルを使い一直線にレイピアの切っ先を機械王に向けて突撃。しかしレイピアによる一撃は寸前の所で避けられてしまう。


「残念だったな、スキ――」


 反撃に出ようとした機械王の口が止まり、意識が完全に瑠香に向いた絶妙な時間差での美紀の攻撃に機械王が気づいた。


「――させん! スキル『ファイアーガトリング』!」


 集中した美紀は攻撃前に息を吐き出して力強い一歩と同時に己の(プレイヤースキル)を頼りに猛攻を仕掛ける。美紀の槍による連続攻撃と速すぎて残像が見える機械王のパンチの連打が激しくぶつかる。


「今なら行ける! スキル『爆焔:炎帝の業火』!」


 手加減はしないと七瀬が必殺の一撃を早くも使う。


「凄い、本気の里見さんと互角だなんて」


 突撃し空振りに終わった瑠香が振り返りながら言った。

 そして――。


「――注意が里見さんに向いている今がチャンス! スキル『ペインムーブ』!」


 今度の突進はさっきとは違う。

 敵の注意を引き付けるためのMP消費を抑えた一撃ではなく、敵を倒すための一撃。狙うは機械王の心臓ただひとつ。


「コイツ‥‥‥‥私の連撃に付いてくる‥‥‥‥ならペースをあげる!」


 美紀と機械王の攻撃は激しさを増す。

 両者のHPゲージが徐々に減っていく。

 機械王はともかく人間である美紀は激しい無酸素運動を継続することで身体の酸素が足りなくなる。どこかで息を整えなければと思ったその時、後方から荒々しい高密度エネルギーと化した炎と左方向から水色の軌跡を描きながら瑠香が突撃してくるの視界に入ってきた。


「二人ともナイス!」


 美紀は今しかないと判断してバク転で機械王のパンチを避けて距離をとる。


「あの突進は厄介だな」


 攻撃の手を止めた機械王が手のひらを地面に向けて炎を噴出して空中へ逃げる。瑠香の一撃はマズイと判断したのだ。だけど、瑠香を甘くみてはいけない。


「逃がしません! スキル『水龍』!」


 MPポーションを飲んで瑠香が追撃。

 追尾性能を宿した炎と青色の魔法陣から姿を見せた水の龍は空中に逃げた機械王を追う。


「チッ、厄介だな。スキル『ファイアーバーナー』!」


 両手を左右に大きく広げ一つの炎は後方に放出して支えに、一つの炎は前方に放出して攻撃に使ってきた。


「私たちの力を甘く見ないで!」


 空中でスキルの攻防戦が始まる前に美紀と瑠香と合流する七瀬。


 三つのスキルが空中で衝突した。

 同時に眩しい光と爆発音が謁見の間に響き渡った。

 それから、拮抗し押し合いを始める。


 ―――。


 ――――――。


「なんだとォ!? ウォォォーーー!」


 流石はトッププレイヤーと呼ばれる七瀬と瑠香である。スキル勝負による軍配は二人に上がり、高密度エネルギーと化した炎と水龍が機械王の身体にダメージを与える。


「まさか‥‥‥‥ダメージを受けるとは、はぁ、はぁ、はぁ」


 美紀が与えた一割、七瀬と瑠香が姉妹で与えたダメージ二割、合わせて三割のHPゲージがなくなった。強がってはいるがダメージは確実に機械王の身体に入っている感じが見てわかる。逆に美紀たちは今の瞬間に軽い打ち合わせと全員HPポーションとMPポーションを飲んでゲージは満タンにしてある。三人のコンビネーションに隙はない。


「だが、これは準備運動。そろそろこちらも王としての力を見せよう」


 機械王の身体から溢れ出ていたオレンジ色の光が炎へと変わる。


「なっ、なんなのあれ!?」


 驚き声をあげる瑠香に七瀬が指をさして。


「ほら、よく見て。全身の炎は心臓部から出ているわ」


「つまりあの心臓部がアイツの力であり、動力部と見て間違いないようね」


「そうね。さっきの攻防から察するにルナのように一転突破型の一撃ならあの動力部壊せそうだけど、ルナ行けそう?」


「流石はお姉ちゃん。胸はないけど分析力はあるね」


 瑠香の皮肉に七瀬持っていた杖で叩く。


「いてぇ!」


「まな板のルナよりはあるわよ。ぺちゃんこ娘さん」


「う、うるさい! 将来的には大きくなるもん!」


「パッド入れての間違いでしょ?」


 敵が待ってくれなさそうなので、美紀が二人の頭にげんこつを入れて問う。


「んで、ルナ行けそう?」


「は、はい。行けますぅ~いたた」


 茶番劇はここまでのようだ。

 逆を言えば茶番劇をするだけの余裕が三人にはまだ合ったと言うわけだ。

 首をポキポキと鳴らして美紀が戦闘態勢に入ると、鏡のように機械王も戦闘態勢に入る。

 それを見て、さっきまでの気の抜けた顔から真面目な顔になって七瀬と瑠香も戦闘態勢に入った。


 どうやら、四人の準備運動は終わったようだ。


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