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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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いざ開戦。四層を賭けた戦い


「王様って割には一人なんだな」


 豪華な広間を見渡して、幽霊が何処にもいないことを確認して蓮見が一安心の意味を込めて呟くと。


「なにを勘違いしている。王立ち上がる時、我が軍再起する時ぞ!」


 小中学校のグランドの半分程度の広さを持つ謁見の間。

 太い柱が何本も均等に配置されているのだが、その柱の陰から沢山の機械の兵士が姿を見せる。その数ぱっと見で五十を超える。それに全員が全員なにかしらの武器を持っている。武器は剣、レイピア、杖、槍のいずれか。唯一(ボス)だけはなにも持っていないことから王は拳が武器だと考えられる。つまりは近接戦闘。


「こいつら……間違いなく強いわね」


 エリカが危険を察知して蓮見の後ろに隠れる。


「そうね、全員が全員油断できない」


 美紀が肯定する。

 今までのNPCが放つ威圧プレッシャーとは比較にならないと感じ取る。

 今回は最大百人同時にボス攻略が可能となっている。

 運営が代用のボスをぶつけてきた理由は恐らく難易度をただ下げるためではないと勘が良いメンバーは気付いた。

 第四層からは第三層の時以上にチーム戦も必要になってくるのだと。

 恐らく第三層は試験的にギルド認定証などを発行して様子を見ていて今回からが本格運用なのではないかと。

 そのためにまずはここを突破してみろ、と言うのが運営からの試練なのだと。


「仕方ないわね。ボスは里美ちゃん、ミズナ、ルナの三人で相手してきなさい。私とダーリンでエリカちゃんを護りながらこいつらを相手するわ」


「お母さん! 俺は護ってくれないんですか!?」


「少しは男なんだから戦いなさい!」


 幽霊騒動のせいでまだテンションが平常運転の蓮見はどさくさに紛れて朱音の背後に隠れようとするが朱音に突き放されてしまう。

 当然朱音もそれに気付いている。

 テンションが平常運転の蓮見では恐らく機械兵士の相手もキツイことは。

 だからそれ以上に強いボスはやはり実力者じゃなければとも。


「わかりました! ミズナ、ルナ行くよ!」


「「了解!!」」


 三人がボスへと向かって走り始めた。



 ■■■


 三人にボス攻略を任せた蓮見と朱音は連携を取ってエリカを護ることにした。

 四方八方からの攻撃には不利と考えまず謁見の間の四隅の一つに敢えて行きそこにエリカを立たせる。


「私が前に出るわ! 援護はお願いね、ダーリン!」


「はい!」


 と、二人で協力する。

 朱音が前進する機械兵士に突撃と同時、機械兵士も前衛と後衛に別れて攻撃したのだが後方からの攻撃が全部蓮見とエリカに向けられた。


「――ッ!?」


 驚く蓮見。


「きゃあああ!!!」


 思わず悲鳴をあげてその場でしゃがみ込んで両手で頭を護るエリカ。


「囲め!」


 機械の声がすると前衛では朱音が包囲される。

 個の力では朱音に分があるのは蓮見でもわかるが、前衛は前衛で朱音を後衛は後衛らしく後方から蓮見とエリカを攻撃。いつもならあるはずの後方支援などは今の所ない。なぜなら機械兵士は戦況を常に把握しながら敵戦力を削るようにプログラムされている。蓮見とエリカが弱いと判断されたのだ。弱い所から敵を無力化していく、なんとも理に叶っている。


「おいおい、十は軽く超えてるぞ!? この攻撃!」


 慌てて逃げようとした蓮見の視界に頭を抱えて怯えたエリカがいた。


「そうだった。エリカさんがいたんだった」


 蓮見は動かそうとしていた足を止めて、


「エリカさん!」


 と叫んで、身体ごと飛びつく。

 蓮見にはエリカを護るための防御スキルがない。

 だからと言って、どこか気が抜けていた蓮見に今から全てを撃ち落とす技量はない。

 自分が弱いと自覚しているからこそ、蓮見に迷いはなかった。

 無様でもなんでもいい。

 今はエリカを護ると思った心は身体を無意識に動かし飛んでくる攻撃の盾になる。


「ぐはっああああああああ!」


 攻撃は二人がもし逃げようとしてもその道を塞ぐように広範囲に向けられていたのが幸いし蓮見の背中から煙が上がる程度で済んだ。

 HPゲージが残り六割となった。

 流石に二つ同時直撃なだけあって一気にHPゲージが削られたものの致命傷にはならなかった。


「いててっ。大丈夫ですか、エリカさん?」


「う、うん」


 いつも元気が良いエリカが小さい声で返事をした。

 蓮見はニコッと笑ってはやせ我慢全開で立ち上がっては敵がいる方向へと身体の向きを変える。


「俺じゃ頼りないかもしれません。でも頑張ります。だから今だけで構いません。俺を信じてください。そうしたらきっと護れると思いますから」


 背中越しに蓮見はエリカに言った。


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