表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

491/685

一緒に添い寝


「さぁ~て、私が勝っちゃたし誰に何をお願いしようかな~」


「うわぁ~負けた~」


「お母さん強すぎ~」


「うぅ~冴え先が良かった私が今回は勝てると思ったのに~」


「さすがお母さん、悪運強すぎだよ~」


 してやられた~と四人の女の子が心の声を漏らす。

 大きく背伸びをしてそのまま床に倒れて背伸び。

 息の詰まる戦いを制したのは朱音。

 これも夏の想い出と前向きに受け止める女の子たちに対して蓮見は、


「やはり……俺では勝てないのか……くそっ」


 と、本気で悔しがっていた。


 それを見た五人はクスッと笑ってしまった。

 いつもは負けてもケロッとしている蓮見がここまで悔しがるのは珍しいからだ。

 そんな蓮見をニヤニヤと女子高生のような純粋な瞳で見て朱音は考える。


(う~ん、瑠香とエリカちゃんはなんだかんだ今日ダーリンと想い出作ってるのよね~)


 結局のところ朱音は自分の欲望を叶えようと見せているだけで、本当は誰よりも恋する女の子の味方……なのかもしれない。少なくとも今はそれで間違っていないと思う。本心は本人《朱音》以外誰にもわからないのだから。


「さてさて、夜の海は誰もいないし真っ裸で泳いでこいとかでもいいけど~」


 冗談半分で言うと、それにいち早く反応する者がいた。


「ま、まさか私にしろと!?」


 目が合ったために、七瀬が声を上げた。

 だけどその……嫌そうには見えない。

 なんというか、少し興味があります的な……感じだ。


「そ、そんなの、……もし男の人に見つかったら私……私……」


「興奮しないの!」


「えぇ~だって~」


「もお、ホント変態なんだから。女の子のおっぱい大好きでそう言った趣味があるって……男が知ったらドン引き――しないか……はぁ~」


 美紀は途中で言葉を詰まらせた。

 ほら、言わんこっちゃない。蓮見がドン引きしているわよ。

 と言おうとしたら、「ふむふむ。良いことを聞いた」などと小言を口にしていたので呆れているのだ。


「ふふっ、流石にそれは冗談だから美紀ちゃん安心していいわよ~」


「その発想が出る時点で母娘なんですね」


「あら~照れるわ~」


「褒めてません」


 朱音になにかを言ってもすぐにペースを持っていかれると判断した美紀はこれ以上深くは追求しない事にした。二人でも厄介なのにそこにもう一人となると今残っている体力全部を使っても足りないと思ったから。

 せめて今夜は癒しが欲しいなと精神的にも肉体的にも疲れた身体は欲し始めた。


「あぁ~癒しが欲しい」


 無意識に出た言葉にピクッと朱音が反応する。

 一度蓮見を見てから七瀬と美紀に視線をチラッと向けて頭の中で少し考える。


「ねぇ、ダーリン?」


「はい?」


「今日寝る? それともオールする?」


「寝ますね。イベントで暴れてクタクタなんで」


「あれだけ暴れたらそりゃそうか」


「ですです。俺だって無尽蔵に動けるわけじゃありませんから」


 その言葉に説得力はなかった。

 全員の視線が蓮見に向けれた。

 ただし目は「なにを言っている?」と疑問の眼差し。

 過去の戦歴を近くで見れば誰でもそう思うだろう。

 今までどれだけの戦果を良い意味でも悪い意味でも残してきたと思っているのだろうか。なにより現在進行形でその脅威は爆速で進化しついにはゲームのラスボス担当でも可笑しくないとまで多くのプレイヤーから言われる程に名前は残しているのだ。そんなプレイヤーがそんなに動けませんと言っても些か疑問が残るというものだ。


「……ん? 無尽蔵……無尽蔵……いいこと思いついた。今度やってみようかな、にししっ」


 こんな具合で些細なことがきっかけで俺様超全力シリーズもしくは俺様全力シリーズいわゆる神災と呼ばれる物が増えていく。


「また面白いことを考え付いたの?」


「はい!」


 質問してきたエリカに無邪気な顔を見せる蓮見に朱音が罰ゲームを言い渡す。


「なら決めたわ。ダーリンは今日七瀬と美紀ちゃんと一緒に三人で寝なさい。いいわね?」


「……わかりました。なんか罰ゲームって気はしませんけど」


 首を傾け疑問に思う蓮見。

 こんな裏がありそうな言葉はないと。

 たまには勘が働くらしい。


「あら? 気付いた?」


「まぁ……お母さんには良くしてやられてますから」


 睡魔が襲って来た為に寝ぼけ始めた頭は興奮を抑制させ、いつも以上に冷静な判断を下す。


「そうこれはただの添い寝じゃないわ。七瀬と美紀ちゃんは夜中隙を敢えて見せること。そこで夜中ダーリンはそれに気付いても絶対に手を出したらダメ」


「もしかして俺に誘惑を耐えろと!?」


「そうよ」


「そんなのキツ過ぎます! 特に小悪魔になった美紀は容赦がないんですよ?」


「自制心を制御出来ないようならここにいる女の子全員ダーリンは狼ってことで離れていくことにかもよ? それでもいいの?」


「うぅ‥‥‥‥わかりました。頑張ります」


 蓮見は今から朝まで七瀬と美紀の誘惑に耐える決意をする。七瀬はともかく下着を付けてないと思われる美紀の胸がさっきから動く度にいつも以上に揺れている。目の毒だ。これは男にとって辛く熱い戦いになると蓮見は思った。


「ならロビーにそれぞれお布団持ってきて寝ましょうか。ただし位置は罰ゲームの関係上私が決めるわ」


「「「「「はーい」」」」」


 各自自室からお布団を持ってきて全員でロビーで寝る事にはなったが、朱音の指示通り蓮見の両サイドには七瀬と美紀が並んで幸せそうな顔を浮かべてお布団に入る。

 やっぱりなんだかんだ好きな人の隣で寝ると言う行為は嬉しいのだろう。

 三人に向かい合わせになるようにエリカ、朱音、瑠香が布団を引いてロビーの照明の光を消して、六人は目を閉じた。


 すると、早速七瀬と美紀が大義名分を得たことでいつも以上に素早く行動に移る。

 モゾモゾと動く音が静かなロビーに聞こえた。


(やっぱり女の子は建前がないとね♪)


 朱音は意識がなくなる前にそんな事を思った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ