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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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頑張ったご褒美


「そんな顔しなくても私は全然嫌じゃないから安心していいわよ~。なんたって私からダーリンに甘えたんだし♪」


 戸惑っているのは蓮見だけではなかった。

 突然の急展開は美紀、エリカ、七瀬、瑠香の四人にも理解し難い光景だった。

 だが蓮見とは違い女四人はこの時察していた。いつまでもビビって進展しない自分たちを朱音が全力でからかいに来ているのだと。なによりこのままでは朱音が本当に蓮見を食べてしまいそうにも感じていた。


「とりあえず続きは後でね。まずはお風呂一緒に入ろっかぁ♪」


 ここで羞恥心に勝てないようでは、絶対に後悔すると思い始める四人。

 水着姿だって本当は恥ずかしかったのに、それがいきなり裸体ともなると、かなりの抵抗がある。幾らタオルで隠すところは隠しても身体のラインは絶対にばれるし、それにポロリだってあるかもしれない。


「あらあら、さっきまでやっぱり恥ずかしいしご褒美は約束どおりなしでいいよね? ってドタバタ会議始めた四人はどうするのかしら? 私はどっちでもいいけど~♪」


「お母さんのばかぁー!!!」


 ここで瑠香が反撃に出る姿勢を見せる。


「なんでお母さんが蓮見さんとイチャイチャしようとしてるの!?」


「あら? なんのことかしら? ふふっ」


 だけど、簡単に受け流されてしまう。


「ならダーリン♪ 私たちはお風呂に行きましょ」


 そう言って朱音は全く持って理解が追い付かず処理落ちした男の手を握ってはお風呂場へと連れていく。というよりは半ば強引に引っ張っていく。


 それを見た、美紀、エリカ、七瀬、瑠香の四人は慌てて蓮見と朱音の後を追った。



 ■■■

 お風呂にやって来た。

 ここのお風呂は六人で入っても十分に広い。

 一言で言うなら大人十人が同時に入ってもまだ余裕があるほどに。

 なぜこれだけ広いのかは別荘の主である朱音しかしらない。


「ほら、ダーリン。こっちよ」


 着替えを済ませてタオル一枚腰に巻いた蓮見を一足先に用意を澄ませ同じくタオル一枚姿の朱音が手を引っ張って誘導する。当然だが朱音は上は胸が隠れ下はお尻がギリギリ隠れるように巻いている。だが視線を少し下に向ければわずかに膨らみを帯びた胸元が見えてそれがまた眼福だと思う蓮見は口には出さないがこれは最高! と心の中で叫んでいた。


「まずは頭を洗ってあげるからそこに座ってダーリン♪」


 誘導されるまま蓮見は言われた通りにする。

 蓮見はこれは夢なんじゃないかと思い始めた。

 こんな夢のようなシチュエーションがまさか現実で起きようとは。

 現実の世界も中々に悪くない。

 そんな蓮見の頭に朱音の手が伸び背中を洗っていく。


「どう? 痒いところはないかしら?」


「はい!」


「ふふっ。ならよかったわ」


 シャンプーを泡立てゴシゴシと洗っていく朱音。

 泡で蓮見の視界がふさがれたタイミングで美紀たちがタオル一枚巻き大事な所を隠して慌てて入ってくる。


「ふふっ、ようやく来たわね」


「朱音さん!」


「しっー。今ダーリンは前が見えないわ。ってことで私から皆にプレゼントよ。今なら合法で好きな人の頭と背中を洗う権利をあげるわ♪ それに今回は私が最後まで洗ったってことにしてあげるし最後は私が入れ替わってあげる。どうする? ここで私と喧嘩する? それとも恨みっこなしで夏の想い出作る?」


 小声で悪い笑みを浮かべた朱音に女四人が唇を軽く噛みしめる。


(そんなのしたいに決まってるじゃん!)


 心の声が一致した。

 自分は何ひとつ失うことなく好きな人に直接触れる事ができる。

 女の子だって好きな人に触れたいと思うことはある。

 だけどそれには建前は必要だし言い訳も必要。

 女の子はそう言った些細な所にまで気を回す生き物だから。


「わかった。お母さんの言葉信じる」


「えぇ」


 七瀬の言葉にニコッと微笑んでは頷く朱音。


「なら皆頑張ったってことでまずは第一回朱音さんプレゼントのお時間よ。さぁ恨みっこなしでじゃーんけーんポン」


 四人が朱音の声に合わせてじゃんけんをする。


「あ~い~こ~でしょ」


 あら?


「あ~い~こ~でしょ」


 わぉ~!


「ふふっ。なら一回目の勝者は××ね」


「やったぁ~」


 小声で喜びガッツポーズする女の子とガッカリ顔を見せる三人の女の子。


「ならどうぞ♪」


「えへへ~♪ ならお言葉に甘えて♪」


 朱音は約束通りいる場所を明け渡す。

 そして、


「そんな顔しないの。何回か皆にチャンスが行くようにしてあげるから。皆本当はキッカケが欲しいんでしょ?」


「「「…………」」」


「基本はじゃんけん。だから運任せになるかもしれない。でもね、恋は運も必要。だから順番は決めない。それに私がダーリンを本気で奪う気は……今の所ないし安心していいわよ」


「「「…………」」」


「恋はライバルがいてこそ燃える。だから今を全力で楽しみなさい。そのための応援ならしてあげるからね」


 朱音はそんな言葉を残して先ほどじゃんけんで勝った瑠香の元へと戻っていく。


「朱音さん……」


「一枚上手だったか……」


「お母さん……」


「「「……協力は嘘じゃなさそうだし嬉しいけど」」」


 三人はどうも朱音の考えが読めずに素直に喜べないものの上手くいけば今年の夏は蓮見とさらに近づけるかもしれないと心の中でウキウキし始めた。

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