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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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現実世界に戻ってゆっくりタイムの蓮見(SSストーリー)


 蓮見がログアウトし現実世界へと戻ってきた。

 場所は蓮見の部屋。

 家には誰もいない。

 とても静かでベッドの上に寝転んでは頑張った達成感に浸るには最高の環境だった。


「それにしても俺‥‥‥‥よく勝てたな‥‥‥‥」


 勝てたという実感がまだない。

 まるでこれは夢なんじゃないかと思うくらいに。

 蓮見にとって最後のアレは正直賭けだった。だってアレは一か八かの大勝負であり、ぶっつけ本番だったのだから。


「とは言え改良の余地は大有りだな。まさか俺にまで被害が及ぶとは‥‥‥‥」


 当然である。

 何をどう考えれば自分だけ被害を受けないと考えたのだろうか。

 とても不思議である。

 もっと言えば過去の事象を見る限り――学習能力はないのだろうか。

 過去の蓮見を知っている人はそんなことも言いたくなるだろう。

 だけど――待って欲しい。

 こんな蓮見だからこそ今があるのではないかと。


「なによりショックなのが俺様戦隊が最近インパクト薄くなってきていること……。最初は皆あんなに盛り上がってくれてたのに……」


 そうは思わないだろうか。

 現状に満足せず次の高みを目指すこの姿勢こそゲーマーとして最も重要な要素の一つではないだろうか!


「やっぱり三人ってのが少ないよな……せめて戦隊モノと言えば五人だもんな……」


 世の中勝ち負けより重要なこともある。

 それは己の欲求を満たすことである。

 多くの者は勝つ=欲求となっているのではないだろうか。

 でも蓮見は違う。

 暴れる、楽しむ、できれば勝ちたい=欲求となっている。

 故に普通の人間では到底思いつかないことを思いつきそれを実行するだけの実行力を兼ね備えているのだ。

 そんな独走的な人間に刺激を受けた人物もいる。


「美紀戦にとっておいた必殺シリーズはもう使ったし新しい必殺シリーズを明日までに考えないといけない。となると、五人になれるか? というわけだがそれは無理なので次回までになんとかするとして……果たしてどうしたものか」


 この瞬間。

 皆の謎は解けた。

 俺様超全力シリーズや俺様全力シリーズが次々と量産される理由はここにあった。

 蓮見は一度使った技に固執せず、次は何をしようかなと日頃から考えているため皆が惑わされ攻略難易度が跳ね上がっていたのだ。当然使い勝手の良いものは何度も使うが基本的に新しい何かが生まれるまでに過去の事例を見る限り時間は掛からないように思える。つまり神災とは時間経過と共に生まれる蓮見だけに許されたオリジナルの武器なのかもしれない。傍から見ればとんだ大迷惑もいいところだが、そこが蓮見の良さであり強さでもあるのだ。


「かといって目立たないことには女の子にモテないしな~」


 蓮見が派手な必殺シリーズを作る理由の一部を垣間見た気がする。


「いい加減俺も彼女の《《一人》》や《《二人》》欲しいお年頃だし――」


 蓮見ぽけっーとのんびりしているためか、とんでもない爆弾発言を無意識にしてしまう。


「――手を繋いで女の子とデートしてみたいとか……色々と思う年頃。だけどそのためにはまず女の子に好意を持ってもらわないことには何も始まらないんだよな、はぁ~」


 最後は本気のため息をついて天井を見つめる。


「美紀はよく学校の男子に告白されてるし、エリカさんは大学の先輩に結婚を前提に付き合ってくださいってこの前プロポーズされたとか言ってたし、七瀬さんや瑠香はよくゲーム内でよく男の人に声をかけられているし……はぁ~、何で俺だけ……モテないんだろう……死にたい……」


 明日の本選の話しからだんだん異性にモテるかモテないかの話しすり替わるも蓮見の中ではどちらが重要かは問うまでもない。


「その癖皆さ――告白? 当然断ったよ? って当たり前のように涼しい顔して言うしさそもそも生まれて一回も告白されたことのない俺に自慢してくるあたり全員小悪魔なんだよな……。二人は好きな人がいるから、姉妹は今はゲームで忙しいから、って……俺だって人生一度ぐらいはそんな台詞言いたいよーーーーーー!!!」


 隣の家の窓が開く音が部屋に聞こえてきた。

 だけど、蓮見は気付かない。


 ――。


 ――――。


「俺も彼女とイチャイチャしたーい!」


 そういうわけである。

 蓮見は今まで溜め込んでいた心の声を爆発させた。

 誰だって色々と考え思うことはある。

 だからこれが悪い事とは言わないが、蓮見は換気の為、窓を開けていたことをこの時すっかり忘れていた。

 家が偶然にも隣同士でお互いが手を伸ばせば届く距離かつ窓の高さが同じとなればその声が隣の家の幼馴染に聞こえていても可笑しくはない。


「はすみぃーーーー!」


 その声にビクッと身体が反応した時にはもう遅かった。

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