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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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予選が終わった観客席では(SSストーリー)


 最恐と最強の戦いが終わった。

 前回は最強が勝ち幕を閉じた。

 だけど今回は最恐が勝った。

 これで勝敗は一勝一負となった。

 それは『本当の決着』が次に持ち越される事を意味する。


 大いに盛り上がった観客席の熱気が冷めだした頃。

 耳をすませば聞こえてくる声にエリカが当然と思っていると朱音を先頭にして七瀬と瑠香が合流する。


「あら、三人共私に何か用ですか?」


「まぁ、そう言わずに応援する人間は同じだったんだし少しお話ししましょうよ」


「いいですけど、何が聞きたいんですか?」


 そう言いながらエリカは少し気になる話題が他所から聞こえてきたので身体の向きと目の向きは三人に向けたまま意識の半分はそっちの方へと向けた。


「ついにやりやがった【異次元の神災者】様」


「あぁ、まさかルフランさんを倒すとはな」


「最後のアレ。アレはアレである意味恐ろしい一撃だったな」


「そうだな。観客席にいた俺達ですらまだ目と耳が回復してない。つまりアレを至近距離で喰らえばそれ相応のダメージになること間違いなしだな」


「終わったあああああああ」


「あんなのどうやって対象しろってんだよ!? アレされたら今後仮に百人で一斉に襲っても返り討ちにあってしまうぞッ!?」


「あぁ! それでこそ我らの神。流石ですぞ【異次元の神災者】様」


「【異次元の神災者】様お見事です! 我らの今後の参考にさせて頂きます」


 そんな会話を聞きながら器用にもう片方の会話を聞くエリカ。

 元々男子より女子の方が生物学上は同時に何かをするのには長けていると言われているが、エリカのやっていることは本人からしたら普通でも今話しかけている七瀬からしたら凄いことなのだ。だからそんな器用な事をしていると七瀬や瑠香が勘ずくことはなく失礼には値しない。


「それでエリカさん」


「なにかしから?」


「紅が最後使ったアイテムって――」


 七瀬の言葉から何を言われるか悟ったエリカはコマンド画面を開き、


「悪いけどそれは言えないわ! 言ったらミズナ怒るから」


 と早口で言葉を言い残しログアウトすることで危険を回避した。

 美紀が蓮見の抑止力なら美紀がいない場合に限り七瀬がエリカの抑止力になることも最近あるのでエリカは分が悪くなったら逃げられるうちに逃げることに最近しているのだ。


「あっ! 逃げた!」


「お姉ちゃん!」


「わかってる! あの人の逃げ道は紅の所しかない!」


「だね! これを理由にどさくさに紛れて甘えてデレデレする気だよね!?」


「絶対にそう!」


「ってことでお母さん!」


「なに?」


「私お姉ちゃんと行くところできたから出かけてくるね!」


「は~い。気を付けてね~」


 手を振り娘二人を見送る朱音は続けて、


「今日は帰ってこなくてもいいけど、明日のお墓参りにまでは――って言わなくてもわかるか。ほら、早く行ってきなさい」


 明日の確認をしようと思ったが、会話から行き先がわかっているのとなぜか安心しかないので何も言わない事にした。


(男と夜は基本口うるさくして止めるけどダーリンとならまぁ一緒でも安心だしね)


 それだけ蓮見を信用しているからである。

 そう――。

 あの男は――。

 こちらが幾ら好意を見せてもそれ以上に向こうが超絶チk……相手の気持ちを尊重し優先することができる男子だと。だから決して自分の欲求を相手に一方的にぶつけたりもしないだろうし不祥事もないと思っている。


 それに娘二人がここまで異性に心を開いたのは――初めてなんじゃないかとも思っている。

 だから止めることなんてできない。

 二人の恋が同時に叶うってことは日本にいる以上叶うことはないのかもしれない。

 だけどそれでも今だけは――夢を見させてあげたいしその気持ちを大事にして欲しいと思っている。


「「なら行ってきまーす!」」


 元気な声で挨拶を残し二人がログアウトした。

 それを見た朱音はクスッと笑って、


「やっぱり母娘ね」


 と、小声で呟いた。

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