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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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第三ラウンド開始 ただし神災竜が神災モード!?


 全身砲弾となって蓮見は美紀へと突撃していく。

 連続して攻めてくるかと思い少し様子を見たがそれは逆効果だった。

 せっかく与えたダメージを回復されてしまう結果に終わったからだ。

 削っても削っても最早一撃で決めない事には美紀たちのHPゲージを全損させるのは不可能なんじゃないかと思い始めた。

 ならばと狙いをKillヒットに集中するがソレを成功させるのは何度も言ってる気がするが容易な事ではない。

 かといってこのまま指を構えて戦いのペースを相手に握られるのはもっと愚策。

 そう考えた蓮見は自ら攻撃に出る。


「この状態ならさっきの倍以上の速さで戦える!」


「そうね。でもこっちもこんな風に、スキル『アクセル』! を連発して使えば差し引きで言えば少し紅に分がある程度じゃないかしらね!」


「へへっ。相変わらずそう簡単にはいかないか。だったら行くぜ、スキル『火炎の息』!」


 口から真っ赤な炎を吐き出し先制攻撃する蓮見。

 それを見た美紀が空中で回避行動に入る。

 そして美紀を先頭にして朱音と綾香も突撃してきた。

 蓮見が放った炎は誰もいない空へと一人飛んでいき消える。

 ばい煙や粉塵が飛び交い視界が悪いはずなのにそれを一切感じさせない三人に単調な攻撃はやはり意味がないと再確認させられた。


「だよな! だったら俺も全速前進神風暴風爆進機械竜になるしかねぇよな!」


 言っている意味が理解不能。

 だが唯一蓮見の意図をなんとか汲み取れたエリカは「ペース早すぎない? 足りるかな……」と心配の声を一人漏らした。

 全武装が蓮見の意図を汲み取り展開されていく。

 神災モードとなった今の蓮見は全プレイヤーで唯一ステータスのAGIが五桁にまで到達している最速の持ち主。幾ら美紀たちが早くても正面からスピード勝負をすれば軍配は蓮見に上がる。


「第三ラウンドは全部Killヒット狙いの極悪デンジャラスゾーンだ!」


 MP回復を無限にしてもらえるという考えでもあるのだろうか。

 蓮見は全武装を三人に向けて一斉発射。


 両肩のレーザー光線銃は威力から広範囲迎撃モードへと変更し二本のレーザーが途中で枝分かれして十六のレーザーへと変わる。

 調整は全て機械任せの蓮見。

 故に蓮見はただ放つだけでいいので超絶楽。

 両わき腹のビーム砲からは四つのビーム。

 当然両腕のガトリング砲はMPを凄い勢いで蝕んでいく変わりにガトリングの名に恥じぬ連射を見せつけてくれる。

 本人が言っていたように今回蓮見の狙いはただの数の暴力じゃない。


 ――ドッドッドッ!!


 ――ドンドンドン!!


 ――ズキューン、ズキューン!!


 ――ドッドッドッ!!


 ――ドンドンドン!!


 ――ズキューン、ズキューン!!


 最早後先を一切考えない蓮見の純粋無邪気な笑顔。

 その傍らでは砲身が絶えず撃鉄を起こし続ける。


「くっ……速すぎる!」


 美紀がすぐに反撃に移ろうとするも蓮見が速すぎて上手く捉えることができない。


「スキル『アクセル』!」


 MPポーションを飲みながら、飛んでくる銃弾やレーザー、ビームを回避しながら蓮見を追いかけるも蓮見を止めるは流石に一苦労である。


「ちょっと! どうなってるのよ、あの武器は! なんだかんだ高性能過ぎない!?」


 これには朱音も一枚食わされたという表情。

 全部が全部直感でKillヒット狙いだとわかるからこそ厄介なのである。

 近距離攻撃のレイピアでは不利と考えた朱音は素早く武器を持ち換え杖を持つ。

 障壁を展開して銃弾から身を護り、比較的に目に見えて大きい分躱しやすいビームとレーザーは自身の力で回避。


「スキル『ダブルライトニング』『水手裏剣』『水龍』!」


 スキル使用からの即座にMP回復。

 時間にして数十秒しか持たない障壁の再展開と器用なことを当たり前のようにする朱音。

 だがここで誤算が生まれる。


「なっ!? 私のスキルも全部Killってちょっと!?」


 蓮見持ち前の移動速度を活かしてスキル攻撃を優先して対処。

 素早く攻撃目標を元に戻す。


「たりめぇーだ! 何度もやられてあげる神災爆風神風なんちゃら竜じゃねぇ!」


 さっき自分で命名した名前すら時すでに覚えていない蓮見。

 だがなぜだろう。

 そこに後ろめたさは一切感じない。


「それに速すぎて私の攻撃が届く頃にはそこにいない……」


 障害がない大空を自由自在に動く蓮見は朱音の通常遠距離攻撃が届く前にはもうどこか違うところから三人を直接狙い撃ちしている。

 そのため朱音の言う通りスキルなしで蓮見を迎撃するのはかなり難を強いられるだろう。かつて逃亡伝説を創造した男が誰にも追いつく事が出来なかったエネルギーを逃亡ではなく攻撃のための推進力に全部回せばこれくらい造作もないこと。

 ただしその時の本人の調子――テンション次第。

 テンションが悪いと死にかけの魚のような失礼亀のような動きをするが逆に良いと今みたいにウサギのようにピョンピョンするのだ。ステータスは同じでも。本当に不思議である。でもだからなのかもしれない。だからこそ今の蓮見は強いのかもしれない。


「ま、まずい。このままではいずれ私達の体力が先になくなる」


「はっはっはっはっはっ!!! まだまだこれからじゃあああああああ!」


 蓮見の無邪気で純粋な声は三人を翻弄していく。

 と同時にエリカのMPポーションの残数も百九十、百八十、百七十、百六十、……と信じられない速度でなくなっていく。




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