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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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高鳴る鼓動は何かの兆しなのか!?


「だああああああ!!!」


 気合いを入れ全力で両腕を振り上げる。


「ここでやらないでいつやるってんだよ! これが最後の攻撃になってもいい! 今この瞬間に怖気づいて後悔するぐらいなら俺は――最初からここにはいねぇよおおおおお!!!」


 時間差で来る攻撃にどう対処したらいいかと考えてもそれを実行できるだけの技量がないなら今この瞬間に出来る事だけをする。

 シンプルな答えが故に今の蓮見でも可能。

 綾香の連撃が来るより速く蓮見が攻撃に入る。


「ウォォォォォ!!!」


「はぁぁぁぁぁぁ!!!」


 蓮見の攻撃が僅かに早かったために蓮見が攻撃優勢となる。

 赤く熱を帯びた爪が白く柔軟な女の子の肌を焼き切るため奮われる。


 ――カンッ、カンッ、キンッ!!


 まるで鉄と鉄が激しくぶつかり合うように


 ――カンッ、カンッ、キンッ!!


 衝撃音と火花が激しく飛び交う。

 先制攻撃をした蓮見の攻撃を綾香が対処する光景からも蓮見の優勢は変わらない。

 だけどそれでもあと一歩のところで二つの剣によって阻まれる。

 それでも蓮見は「ウォォォォォ!!!」と攻撃の手を緩めない。


「紅君! 後ろ!」


「わかってます! エリカさんHP回復お願いします!」


「それはお姉さんに任せて~♪」


 後少しで綾香との攻防が終わるタイミングでの美紀の時間差攻撃。

 それを何とかしても朱音の攻撃が控えている。

 それは頭でわかっている。

 だけど何が正解かはわからない。

 どう動けばいいのかわからない。

 だからこそ――。

 蓮見は――。


「毒矢! 今だ!」


 と合図を出した。

 美紀を狙うようにして背後から飛んできていた毒矢が狙いを変える。

 百三十九本全て撃ち落とされても構わない。

 そう思った蓮見は狙いを朱音に集中させる。

 朱音が動いてきてくれたことで奇跡的に毒矢は全方向からの攻撃を可能にしている。

 それは上下左右関係なく。

 ニヤリと微笑み、その場の機転だけで朱音の命を射程圏内に捉える蓮見。

 そして残り一本はあろうことか――。

 いやここに居る誰もが想像しなかった。

 蓮見の心臓に向かって一直線に向かって飛んで行った。


 ――ガハッ!


 二十二連撃が終わった所で蓮見は自身の攻撃を受け綾香に向けていた攻撃を強制的にキャンセルされHPゲージが満タンからKillヒットされたことによりスキル『不屈者』が発動しHPゲージを一にして耐える。

 と、同時。

 蓮見が水色のオーラを纏い、鋭い眼光を美紀へと向ける。

 更に首から上を向けつつも綾香への攻撃も忘れない。

 蓮見の大きくて太い尻尾が連撃を受けたことによって態勢が不安手になった綾香へと向けられる。


「きゃぁぁぁぁッ!?」


 双剣でガードしたものの十メートル程度飛ばされた綾香。

 これで背後の安全は確保したと確信する蓮見は神災モードのまま今度は美紀に集中する。その時にチラッと朱音を見るが毒矢が次から次へと撃ち落とされているのが視界に入った。


(やっぱり数の暴力じゃ時間稼ぎにしかならないか)


 大きな羽を羽ばたかせて美紀の方へと飛び込む。


「この状態なら行ける!」


 蓮見の意図を汲み取ったようにエリカが【亡命の悪あがき】を念の為にと使ってあげる。すると蓮見が不敵な笑みを浮かべる。

 しまった!? とアイテムを使ったエリカ自身そう思った。

 気付けば蓮見のギアが蓮見自身の心情とは別にどんどん上がっているのだと気付いてしまったからだ。こうなるとエリカでも制御が効かなくなる。そうなると本当の意味で神災が起きてしまう。つまりはエリカ自身安全の保障がどこにもなくなるのだ。だけど今さらこんな特等席を手放すには惜しいと最後までここにいることを心に誓うエリカ。


「くくくっ。悪く思うなよ、里美! スキル『罰と救済』!」


「えっ!?」


 神災竜となった蓮見は弓使いではない。

 よって矢は何処にもない。

 なのに矢に効果を与えるスキルの使用。

 全くもって意味が分からない。

 そう言いたげな美紀に向かって蓮見は声をあげる。


「矢ならあるぜ!」


 先ほど自身の身体を貫いた矢を身体から引き抜きそれを手に持っては美紀へと投げつける。

 矢は金色の魔法陣を通り追尾性能【中】と敵、魔法に触れると強制テクニカルヒットになる効果を付与され二メートル先に居る美紀へと飛んでいく。

 この距離では美紀の防御は間に合わないと矢を投げてから思った蓮見は結果オーライと心の中でガッツポーズ。


「まだよ! 私は負けない。ダメージが通らなくても痛みによるフィードバックは狙える! スキル『パワーアタック』そしてこれが私の全力『デスボルグ』!」


 こちらも二メートル先。

 つまり回避行動以前に迎撃は間に合わない。


「その状態の紅がどれだけすばしっこくてKillヒットによる攻撃無力化を狙えてもこの距離ならどうかしらね!」


 負けず嫌いの幼馴染は同じく不敵な笑みをこぼして黒味のかかった暗くも白いエフェクトを纏った槍を全力で投擲してきた。


 ――グハッ!!!


 攻撃を受けた蓮見の身体から血に似た赤いエフェクトが鮮血として舞う。

 とても痛そうではあるが、それを感じさせない男は十メートル程落下するもすぐに態勢を立て直して大きな羽を広げ空中浮遊する。


 そんな男に三人の警戒心が更に高まる。


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