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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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蓮見と美紀の交差する本能


 だが、男として。

 なにより幼馴染として。

 美紀が蓮見の扱い方をわかっているように、蓮見もまた美紀の扱い方をここ最近理解し始めていた。

 人はこれを学習と呼ぶのだろう。

 度重なる美紀の怒りをその身一つで受け止め続けれているうちにもしかしたらとここ最近思い始めた。


「でもな、まずは俺の意見を聞いてください」


「なに?」


 不機嫌そうに美紀が答える。

 だが、蓮見は目を見開いて、美紀だけを見る。


「俺は男だ! だから美紀の水着姿だって見たいと思うのは正常なんだ!」


 とんだ爆弾発言を始めた蓮見。

 そんな欲望丸出しの男の目はいつも以上に真剣。

 それから勢いよく上半身だけ起き上がり両手を伸ばし美紀の両肩力強く掴む。


「ハッキリ言う! 俺は可愛い女の子や綺麗な女性の水着姿を見たい!」


 蓮見の言葉に嘘はない。

 あるのは素直な気持ちだけ。

 だが普通に考えて男子からいきなりそんな事を暴露されても思春期真っ只中の女子はどう思うだろうか。

 ……。

 …………。

 当然今の美紀のように「はっ!? えっ!? な、なに? 急にどうしたの?」と反応に困るだろう。

 もしくはドン引きするだろう。


「学校で見るスク水なんかじゃない! 可愛い水着が見たいんだ! 朱音さんの提案に乗れば俺にとって最高の夏休みになるのは間違いないんだ! なによりこの目で恥じらう女の子をバッチリと見る事が出来る! なにより俺は美紀を見たい! 俺と楽しい思い出作りだと思って今年は俺と一緒に夏の海に来てくれ! 頼む!」


 今年は絶対に一人だけのリア充爆発しろと思う恒例の夏休みにはしたくない蓮見は一生懸命美紀を説得する。


(この夏一人は嫌だ、一人は嫌だ、一人は嫌だ、だから美紀をここで攻略してみせる!)


 迫力がある蓮見の気持ちは本物で気付けば身体に力が入り美紀をベッドに押し倒していた。そのまま蓮見が顔を不意に近づけたために美紀の目は泳ぎ始め微かに熱を帯び火照っていた。


「……××が――好きだ! だから今年は俺と――」


 だけどその変化には気付かない蓮見。

 なぜなら蓮見は過去から学び美紀に対してのある結論を脳内で導き出していた。


 それは――。




 【ありのままの自分を見せないから美紀がいつも不機嫌になるのだと!】




 どうしてこのような結論に至ったのかはさておき、ここまで来ると蓮見と言うよりかは反応に困って下唇を軽く噛みしめる美紀の方が心配になってくる。

 好きな人から押し倒される。

 それもベッド上で。

 頭では健全だと思っていてもどうしても人間の生存本能に刻まれた何かや、性に対する知識を学んでいる女子高生にとってはこのままそうなるのかも、と内心期待せずにはいられないだろう。だって十年以上片想いをしている人から自分の水着姿が見たいと言われ今のこの状況。抵抗しようにも身体に力が入らない。以前に本当は恥ずかしいから嫌だと言いたいのに本心はこのままなるようになってもいいかもとまで本能に訴えかけ、また本能もそう思っているこの状況だからこそ身体は正直になっている。


 今も蓮見が熱く何かを語っているが、もう頭がパンクした美紀には何を言っているのかがよくわからない。ただ『自分の恥じらう姿が可愛いから』『美紀と夏の思い出をつくりたい』『美紀とも海に行きたい』と言った単語だけが頭の中に入ってきた。


 そんな美紀を見た蓮見はこのまま自分の想いを正直に伝えれば了承が貰えハッピーエンドで全て上手く事が進むと確信し最後の確認を美紀に取る。


「だ、だめか……?」


 二人の吐息が触れ合う距離まで顔が近づいた二人は見つめ合う。

 二人の視線と二人の想いが交差する時間はいつもよりとても長く感じる。


「……だ、めぇ……じゃない。……いいよ?」



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