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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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終わりに近づく甘い時間


 ――しばらくして。

 両手に花で二人の女の子が急接近してくれたことで心臓の鼓動が高鳴り、体温が急上昇、そこからどちらの顔に目を向けても無防備な胸元が見えてしまう、なんともいい意味で緊張しかないと言える状況がずっと続けばいいなと内心思っていると、声を掛けられる。


「いつまで見てるつもり?」


「…………ッ!?」


 慌てて視線を逸らす。

 だけど、瑠香が膝の上で抱き着いてきているので逃げるに逃げれない哀れな男――蓮見は額に汗を流しながらも冷静を装うことでこの状況を切り抜ける事にする。


「み、見てませんよ?」


「なら警察に――」


 そう言って、ポケットからスマートフォンを取り出した七瀬の手を光の速さで止めにかかる蓮見。


「なによ?」


「…………」


 今にも泣きそうな蓮見のウルウルした瞳は意地悪してからかってみようかなと思った七瀬を凝視する。

 首を捻り、蓮見の反応を伺うように見つめてくる七瀬。

 その為、二人の視線が重なり合い、数秒の時が止まる。


「――嘘。焦ってから可愛いわね」


 その言葉にとりあえず一安心。

 だけど心臓に悪い。

 こんな事では幾つ心臓があっても足らない。

 そう思っていると、何かに満足したように預けていた身体を離し服を整えて七瀬。


「それはそれとして一つ提案があるんだけどいいかしら?」


「はい」


 すると、口を閉じていた瑠香が七瀬の意図を察したかのように口を開いて会話に入ってくる。


「お母さんとこの後会ってくれませんか?」


「……ん?」


 バカな男は思う。

 これは「娘さんを僕にください」パターンではないのかと。

 つまり親公認で二人と……付き合ってOK。

 バカな煩悩は光の速さで膨れ上がっていく。

 男としてこの好機逃すわけにはいかない。


「つまり結婚を前提とし――」


「卒業したらいいよ。本題はお母さんがね……蓮見に会いたい会いたいって最近うるさくて困ってるのよ。ってことでいいかしら?」


 蓮見にとって一番肝心な事がサラッと流されてしまった。

 そのまま用件を伝える七瀬に蓮見の頭が落ち込む。

 だが、この時――蓮見はこの言葉の真意を正しく理解していなかった。

 

 そうだ――


 あまりにも理不尽なKillを息をするかのように行う者はとうとう別のゲームでプロと呼ばれる者達の興味関心を惹くほどに大きな存在となっていたのだ。

 それはPSプレイヤースキルで大きく劣りながらも、その場の機転一つで全てを解決し誰もが想像し成しえない方法で大きな戦果を挙げる神災者として。

 それでいて見ている者の心を惹きつける。

 そんな興味の塊が自分の愛する娘と一緒にいれば会ってみたいと思うのは仕方がないことだろう。

 なにより、このゲームに賞金がかかるようになれば――いずれ【異次元の神災者】は最大の敵となることは間違いないのだから。

 出る杭は打たれる、ように【異次元の神災者】は日に日に多くの者に警戒されるようになっていく。それはあらゆる角度から拡散され、今ではSNS、ニコニコ動画やYOUTUBEと言った動画投稿サイトを経由して世界へと広がっていた。


「はい!」


 もしもの話。


 もし愛する娘が男を作り自分から離れて行くとしたら。

 もしその男が偶然にも自分達と同じ世界線で繋がっていたら。

 もし愛する娘が自分に見せた事がないような笑顔で日本に残って良かったと言っていたら。

 もし愛する娘に将来この人と結婚したいと言われたら。


 親としてプロとして何を思うだろうか――。


「なら決まりね。とりあえず今から何か作るからちょっと待ってて」


 そう言って、七瀬が立ち上がり手料理をごちそうする為台所へと歩いて行く。

 その背中を見た瑠香には少しばかりの迷いが見て取れたが残念ながら蓮見がそれに気付く事はなかった。


 そんなことはいざ知らず元気の良い返事をした蓮見に瑠香と七瀬は内心不安を感じていた。蓮見が他の誰かに負ける事は想像が難しい。だけどもし相手が××なら結果はどうなるのだろうかと――。まだ確定したわけではない。ただその可能性があると思うとだけで、気になってしまう疑問に――二人は心の中で願う。そうはならないで欲しいと。




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― 新着の感想 ―
[一言] 蓮見め! こんなにいっぱいモテるのに、モテ期がどうとか言ってるんじゃねぇ!
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