表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

322/685

罰ゲームとご招待


 ――後日。

 第四回イベント中にて不慮の事故により、爆発の犠牲者にしてしまった者はとある姉妹が住む家へと招待されていた。

 名目上招待ではあるが、その正体は罰ゲーム。

 姉妹は蓮見にこう言ったのだ。

 場所は私達の家で次の休日に決行すると。

 本来であればルンルン気分で女の子の家にお邪魔するはずだった。

 なぜなら両親は出張中でおらず家には姉妹しかいないとの情報は既に本人達から聞いており、その日は蓮見を入れて三人しか家にいない予定となっているからだ。

 それに異性の部屋となると、男として心臓が妙にドキドキして気持ちが舞い上がってしまうのは致し方ないこと。

 あわよくばむふふな展開からのリア充昇格! なんて甘い考えを胸に抱きながらも、絶対に良からぬ展開になるんだろうなー、とも内心思いつつ蓮見は先日LINEに送られてきた七瀬と瑠香が住む家の玄関の前までやって来た。


「それにしても……家近っ!」


 先日美紀の家に来た時にもしやと思ってはいたが、そのもしやが当たってしまった。

 美紀の家から徒歩十分圏内に姉妹が住む家があるのだが、なんて言うべきだろうか。

 一言で表すのなら、大きい、広い、デカい。

 おっと三言になってしまった。

 だけどそれくらい凄いのだ。

 そう……家が。


「し、知らなかった……七瀬さんと瑠香ってお嬢様だったのか……ご、豪邸……」


「なに言ってるの?」


「違いますよ? 私の両親がゲームの賞金で建てた家ですけど、二人共プロゲーマーであってお金持ちではないですから。基本は常に海外で賞金稼ぎをして生活をしています。そんなわけで私とお姉ちゃんはただの一般人。もっと言えばただのプロゲーマーの娘です」


「そうよ? 人様の家に来て外観だけでそう言う事言わないでよ。確かに大きいのは認めるけどね」


 後ろから聞こえてきた声に蓮見が振り向くと、見慣れた顔が二つあった。

 瑠香と七瀬である。

 私服姿の二人は新鮮でだったが、それよりも今は早急に確認するべきことがある。


「え? ぷ、ぷ、プロ?」


 蓮見の思考回路がとある解を導きフリーズした。

 そもそも海外で活躍していると言うことはだ……。

 七瀬と瑠香の両親は世界で戦える程の腕を持っていると言うことだろう。

 その娘様となれば当然ゲームが上手い理由にも納得ができると言うわけだが、問題なのはそこではない。


「そうだよ?」


「そうですよ?」


 美紀はゲーマーでありながら、成績優秀者かつ美人。

 エリカは難大理系大学に通う美人お姉さん。

 七瀬はプロゲーマーの娘で今は女子高に通うちょっと意地悪なお姉さん。

 瑠香もプロゲーマーの娘で無邪気な笑顔が素敵な年下の女の子。


「マジか……」


 そうなると、問題が一つ。

 俺は一体……なんだと言うのだ?

 俺だけ凡人すぎて……。

 スペックがない!?

 くそっーーー、結局全員高嶺の花じゃないか!!!


「とりあえず中に入ろう?」


「…………」


「そんなに気を使わなくていいから遠慮せずに入って、入って」


「…………」


「むぅ~。無視は酷いと思うよ! とにかく一緒に行くよ」


 頬っぺたを膨らます七瀬。

 だけど違うのだ。

 蓮見は無視しているわけではないのだ。

 その……あれだ。

 美紀とエリカだけでなく実は七瀬と瑠香までもがハイスペックだと知ってしまった。

 そのあまりの虚しさと切なさに蓮見の思考回路が活動を止めてしまったのだ。

 そんな驚きに満ちながらも動く事を止めた蓮見の手を七瀬が取り、買い袋を隣にいる瑠香へと渡す。そのままポケットから鍵を取り出して中へと入っていく。その時、違和感に気付いた七瀬が声をかけてきた。


「はすみ?」


「……ぁ……ぅ……ぃ」


 まだ思考回路が平常運転に戻っていない蓮見は言葉を上手く発せない。


「……あれ、どうしたの?」


「多分家が大きくて驚いてるんじゃない?」


「あーなるほど。そんなに大きいかな、この家?」


「うーん。蓮見さんの家の倍は大きいからね~。元々お母さん達がゲー……仕事の練習やミーティング用に作った家だからしょうがないよ」


「それもそうね」


 無言になった蓮見の気持ちをなんとなく察しながら玄関、そしてリビングまで案内する七瀬と瑠香の表情はいつもより柔らかくなんだかんだ嬉しそう。

 だけどそんな好機に一切気付かないどころかまだ気が回らない蓮見はそのまま案内されるまま付いて行き、四人掛けの大きなソファへと腰を下ろし、瑠香が用意してくれたお茶を手に取り飲んで心を落ち着かさせる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ