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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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蓮見! 今こそエリカの心を動かせ!


 死なないように意識を回していた為にHPゲージが満タン、MPゲージは殆どゼロの状態となっている。これではスキルによるステータス強化が行われない。まさか生きる残る事に重点をおいた結果が裏目に出るとは思わなかった。


 視線を周囲に動かせば手を伸ばして走ってくる美紀の姿が見えた。

 その表情に浮かんでいるのは、いつもの美紀ではなくこの一撃をまともに喰らえば死んでしまう、つまり蓮見だけがボス部屋攻略を失敗してしまうと言った不安の表情。


 ――それもそうだろう。


【三人でボス部屋クリア】と言うのが最初の目標だったのだから。


 更にその後ろに視線を向ければエリカが心配そうに蓮見を見ていた。

 蓮見がリタイアを確信する。

 仮にここで蓮見がリタイアしても美紀が居れば二人ならきっとボス部屋を攻略できるだろう。そんな気持ちに蓮見はなった。


 その時脳裏に美紀との今朝のやり取りが何の前触れもなく映し出される。


 70 名前:綾香

 まだ【神眼の弓兵】はいないよね?


 今日は彼がまたなにか面白い事をしてくれそうな予感がする!!!

 


 71 名前:???

 >70 毎回フラグ立てるなwww


 【歩く天災】はなにするかマジでわからん


 多分この【神眼の弓兵】と【歩く天災】は同一人物の事を言っている気がする。

 その瞬間、蓮見の頭が急加速し、まるで時間が止まったように周りの景色が止まった。

 よく見れば、ほんの少しだけだけど全ての物が動いていた。


 ――そして気づく。

 俺は俺なりのやり方でこのゲームを楽しんで強くなるんだったと!


 ――そして思う。

 そこにパーティーメンバーを悲しませることはあってはならないと!


 ――そして天災が生き残るために動く。

 アイテムBOXから手榴弾を取り出し安全ピンを手早く抜き、空中に放り投げる。

 それをスキル『複製Ⅰ(別名 模倣Ⅰ)』で複製した【鏡面の短剣】で突き刺す。


 ――そしてやらかす。

 よく見ると慌てていた為か危険と書かれていた手榴弾を今短剣で突き刺し爆発させたのだと……。


 とりあえず謝罪の意味を込めて舌を出して笑顔を向ける。

「ゴメン。テヘペロ!」


「「えっ!?」」


 ドガ――――――ン!!!!!!


 その時、大爆発が起き凄まじい爆風と爆炎が蓮見、火球更には少し離れたダークネス、美紀に襲い掛かる。蓮見はまるで小石のようにボス部屋の壁まで一瞬で吹き飛ばされHPゲージが残り1になる。火球は手榴弾の爆発に巻き込まれ軌道を変えられ不発。ダークネスは空中で態勢を崩し地面に落ちる。美紀は何とか踏みとどまるが十メートル程後方に後退させられた。


『スキル『不屈者』を獲得しました』


 スキル『不屈者』 自動発動

 効果:HPが最大値の時に一撃で致死性を持つ攻撃を受けた時HPを1にして耐える。

 獲得条件:HPが最大値の時に致死性を持つ一撃を受ける。


「ゲホッ!!」

 奇跡的に獲得したスキルによって命拾いした蓮見だったが、どうやら痛覚が悲鳴をあげしばらく動けそうになかった。身体に押し寄せる激痛につい涙がこぼれ落ちる。

 だがそんな蓮見を見て安心する美紀とエリカ。


「ちょっと紅をお願い!」

「わかった。こっちは任せて!」


 美紀がダークネスと戦う為槍を構え、その間にエリカが蓮見の元に来る。

 身体が動かない。

 だけど今は安全そうなのでMPポーションだけをエリカに飲ませてもらい痛みが引くのを待つ蓮見。


 蓮見の身体を支えるエリカ。

「HPポーションは?」


 息を吸いながら返事をする蓮見。

「だぁ……いじょ……ぶ。……こっちの……ほうが……ステータスあがるのと……どうせ回復しても一撃でHP持っていかれるので……」


「なるほど」

「それにエリカさんは下がってて。絶対に俺がエリカさんを護るから」


 急な一言にエリカが戸惑う。

 そしてほんの少しだけ心臓の鼓動が高まり顔が熱くなる。

「えっ?……あっうん。ありがとう」

 




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