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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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いざ勝負、ギャンブラーVS金儲けババア


 ギャンブラーでありながら、早くも二分の一の確率を外した蓮見。

 決して良いとは言えない出だしではあるが、まだ諦めるには早い。

 それに外したと言ってもまだ致命傷になるようなダメージは受けていない。

 挽回は十分に出来る。

 ただ気を付けなければいけないのはエリカだ。

 やはりゲームでも現実でもお金が絡むとエリカの才能が開花され圧倒的に強くなる。

 蓮見が見る感じ、それは人の手ではどうしようも出来ないはずの運についてもパワーアップしているように見えなくもない。


「……お金の力恐るべし」


 そうなると、エリカとはギャンブル勝負は出来ない。

 そんな事を考えていると、蓮見の順番が回ってきた。


「よし、今度こそ……」


 そう言って、今度は少し弱めのルーレットを回してみる蓮見。

 人は失敗から学び、成長する。

 その言葉を信じでルーレットを回す力を変えてみた。


「今度は二か」


 駒を動かした先に待ち受けていたのは勝負マスだった。


「勝負マス?」


 首を傾ける蓮見。


「ここはもう一回ルーレットを回して相手と勝負するマスよ。それで出目が大きい方が勝ちで負けた方は勝者に百万渡さないといけないの。もし数が同じ場合はDROWって事でお互いに損失も利益もなし」


「なるほど」


「ちなみに相手は好きな人を選べるんですか?」


「相手はここに書いている相手になるわね」


「えっと……現在一位のプレイヤーと勝負。玉座に座る者から金品をかっさらうはギャンブラーの宿命と言える……」


 書かれている内容をそのまま読んだ蓮見の口が途中で動く事を止める。


「って事で、今から蓮見が勝負する相手は私と僅差ではあるけどお金を一番多く持っているエリカさんよ」


「な……な、なんだと……よりにもよってここでエリカさんか……」


「あはは、まぁその気持ちはわかるよ。私が蓮見の立場だったらエリカさん以外が良かったと思ってるだろうし」


「七瀬さん……」


「まぁ、頑張って」


 微笑み、二人の戦いを見守る、美紀、七瀬、瑠香。


「さぁ、勝負よ! 順番はどうするかしら?」


「なら俺から行きます!」


 こうなったら、やるしかない。そう自分に言い聞かせてルーレットを回す蓮見。

 そして零れる笑み。


「ふっ……余裕だな。これは」


 蓮見は勝利を確信する。

 ここで五という数字はかなり強力だ。

 確率論で考えるのであれば、これで蓮見が負ける確率は六分の一。

 逆に勝つ確率は六分の四で、勝負が流れる確率は六分の一。

 こうなってしまえば分があるのは蓮見。


「……やるわねぇ、蓮見君」


「ふふっ、ギアが上がりだした俺にかかればこれくらい朝飯ですよ」


 表情が険しくなったエリカに早くも勝利宣言をする蓮見。

 エリカは貰うのは大好きでもお金を渡すのは嫌いな性格の為、精神的に追い込まれてしまう。


「これは蓮見の勝ちかな」


 美紀も蓮見の勝ちを確信する。


「良かったね、蓮見」


 七瀬も美紀と同意見らしい。

 だけど、


「エリカさん……お金が絡むと異常に悪運が強そうだけど……蓮見さん本当に大丈夫かな……」


 と、瑠香だけが少し心配そうにして見守る。


「瑠香?」


「瑠香?」


「いや……ただ二人共蓮見さんを信じ過ぎているような気がしただけ。蓮見さんが【神眼の神災】ならエリカさんは【お金の化身】だから……」


 本人を前にして金儲けババアとは直接は言いにくいので比喩表現を使う瑠香。

 そのことに勘の良い二人はすぐに気付く。


「たしかに……」


「さぁ、どうなることやら」


 こうして美紀と七瀬も瑠香と同じように心の中でエリカへの警戒を強めてこの勝負の行方を見守る事にした。


 そして回るルーレット。


 エリカの目はまだ死んではいない。


 だが、蓮見だって負けていない。


 六を出す以外にエリカに勝機はない。


 言い方を変えれば六以外が出た瞬間蓮見の負けがなくなる。


「悪いが、俺も悪運は強い方だ。今回はいけるはず」


 蓮見が言うと、説得力しかない言葉。


「悪いけど、私も悪運は強いわよ、特にお金関係は」


 対してエリカの言葉にも十分説得力がある。

 ジャンル問わず強いと思われる蓮見とジャンルは限定されるが強いと思われるエリカ。

 二人のお金を賭けた勝負の行方は――。


「さて、どうなる……。個人的にはエリカの独走は嫌だからここは蓮見に勝って欲しいけど」


 美紀の言葉が終わると同時にルーレットが止まった。


「良し! 六ね!」


「マジか……」


「って事で、百万頂戴」


 悔し過ぎて震える右手でエリカにお金を渡す蓮見。

 今日は後一歩の所でギアがなかなか上がり切れない。

 だけどその目はまだ死んではいない。


 現在の順位は、


  一位 エリカ 恋人なし 資産 一千三百四十万


  二位 七瀬  恋人あり 資産 一千二百五万


  三位 瑠香  恋人あり 資産 一千百五十万


  四位 美紀  恋人なし 資産 一千百十万


  五位 蓮見  恋人なし 資産 八百三十六万


 と、なっている。三巡目が終わってのこの状況。

 一人だけ資産額の桁が一つ減っている。

 それでも不動とも呼べるエリカと最下位の蓮見の差は約二百万程度。

 逆転は十分に可能だし、蓮見の職業ギャンブラーではこの程度の差はあってないようなもの。ギャンブラーとは一夜にして全てを失うリスクを背負う変わりに一夜にして富豪を築く力を持っているのだから。


 そんな中、ゲームは担々と続いていった。



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