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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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仲間


 特別クエストはそのランクでも攻略難易度がとても高い事からギルド内にある特殊モニターにその光景がリアルタイムで共有される仕組みとなっている。

 当然同じ事をしてクリアできると言うわけではないが、参考程度にと運営が用意したものである。

 例えば今攻略に向かった【神眼の神災】を見て、仮に全く同じ事をすれば勝てるとわかっても誰がその動きを完コピできるのか? という話しである。また相手もクエスト受注の人数や装備、レベルなどにおいて多少動きや攻撃方法が変わってきたりするのであくまで参考程度にしかならない。


 そんなモニターの前では。


「とうとう神災様は幻獣までを相手にし始めたな」


「ラクス?」


 その名に周りにいた者が視線を移した。

 そこには腰まで伸び綺麗なピンク色の髪をした女性が一人。

 細身で整った顔立ちは女性の魅力を引き出しており、落ち着いた雰囲気。

 だけどここにいる全員は知っている。

 彼女がプレイヤーKillに長けた化け物プレイヤーにして暫定四位の実力者であることを。第二回と第三回イベント危険、ミニイベントでは後半手を抜き七位の彼女。

 そんな彼女がモニターを見て呟く。


「うん?」


「最近リアル忙しいって言ってたけど、もう大丈夫なのか?」


「うん。てか私が攻略組を少し離れている間に彼成長したんだね。ここまで注目される存在になるとはね」


「ってことは、ラクス……お前も【神眼の神災】の実力を認めるんだな?」


「……ご想像に任せるよ」


「……そうか」


「とりあえずこの試合をまずは見ようか。それによっては第四回イベント私も参加するかもだし」


 その言葉に周囲の者達が息を飲み込んだ。



 美紀とルナが左右から挟み込むようにして突撃する。

 蓮見と七瀬が前後から遠距離攻撃でキリンを翻弄し突撃する二人を援護する。

 全方向からの攻撃に加えてエリカの遠距離攻撃による上空から降り注いでくる手榴弾。一つ一つのダメージは小さくても塵も積もれば山となるを信じて各々が出来る事をしていく。


「「スキル『加速』!」」


 キリンの懐に入り込んだ美紀の槍が黒く光沢のある身体を切り裂いていく。


「スキル『連撃の舞』!」


 美紀が頭の中でイメージした十四連撃。

 それをキリンは受けながらも身体の向きを動かし前足を勢いおく上げ振り下ろしはんげきしてくる。それをギリギリで躱した美紀は空中で頭を地面に向けた状態で攻撃を続ける。


「す、すごい……」


 瑠香が美紀の攻撃に魅せられる。


「私も負けてはいられません。紅さんの攻撃がKillが通じないなら私が頑張ります。スキル『乱れ突き』!」


 尻尾を向けたキリンの身体にレイピアを鋭く突いては抜いてを十回繰り返す。

 途中両前足に重心が乗ったキリンに警戒しながら攻撃する瑠香。

 その僅かな行動から危険察知していた瑠香は後ろ脚による蹴りが来たもののすぐに次の攻撃に繋げる動きの一連の中に回避行動を入れる事で対処する。


「やるじゃん、ルナ!」


「ありがとうございます」


 二人の近接攻撃とは別に蓮見と七瀬は苦労していた。

 遠距離攻撃に対してはかなり敏感なのかキリンがその小柄を活かし攻撃を全て躱してしまうのだ。仮に動きを見切り攻撃してもキリンの角が白く輝くと同時に電磁波による電気の壁を作り防いでしまう。そこを狙い蓮見が攻撃するのが、電磁波はキリンの意思ですぐに解除されと結局のところ攻撃が空を切り続けていた。


「くそっ……」


「紅! ルナのフォロー!」


「はい!」


 連続攻撃が終わった美紀と瑠香に向かって突撃するキリン。

 そして二人が吹き飛ばされた先にキリンの角から放たれた雷が向けられた。


「里美、ルナ!」


 エリカはすぐに閃光弾を投げキリンの視覚を潰しに掛かると同時に突撃する。

 戦闘を通してキリンは視力と聴覚が良い事がわかった。

 その事から敢えて聴覚は奪わなかったエリカは自身の足音をキリンに聞かせることで、囮になる事を決意した。

 本当は四人が苦戦する敵に立ち向かうと思うが怖い。

 だけど仲間の為にその恐怖と立ち向かいながらも大剣を手に持ち突撃する。


「今度は私が相手よ! はぁぁぁぁあああああ!!!」


 そんなエリカの時間稼ぎを無駄にしてはいけないと蓮見と七瀬がそれぞれ近い方の雷の対処に入る。


「スキル『虚像の発火』!」


「スキル『導きの盾』『恵みの光』!」


 蓮見の矢が雷をKillヒットで撃ち落とす。

 どうやら攻撃に対してはあの回避性能はないらしい。

 内心ホッとしながらも吹き飛ばされた瑠香の元に行き、HPポーションを飲ませる。


「大丈夫か?」


「はい」


「無理はするなよ。俺とミズナさんがルナと里美のフォローをするからよ。なによりエリカさんがそんな俺達四人のフォローをしてくれているからな!」


「ですね」


 瑠香は満面の笑みで答えて立ち上がる。

 仲間と言うのは本当に良い存在だと思った。

 美紀に感化され、さっき攻撃しながらの回避を無意識にすることができた。

 今までなら頭で考え、目で見ての対処だった。

 だけどさっきは目で見て、無意識に身体が動いた。

 これが仲間の力だと思うと、これ以上頼りになる物(者)はないと確信した。


「援護お願いします」


「任せろ!」


「ありがとうございます。ではここからペースを上げて本気で行きますので背中は任せました」


 瑠香が力強く踏み出し、今も四人の為に攻撃をするのではなく、攻撃する振りと回避で皆をサポートしてくれているエリカの救出に向かう。

 そんな瑠香の背中を見て蓮見は微笑んだ。


「やべぇ……燃えてきた。悪いがルナには負けてられねぇ」



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― 新着の感想 ―
[一言] 蓮見と美紀とエリカの三人は仲間ではなく、むしろ三角関係だ。
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