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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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男の覚悟と駆け引き


「どうしたんだ?」


 ベッドの布団が大きく揺れたことから蓮見が近くに来たことを知る。


「そもそもぎゅ~って? 本音って?」 


「…………///」


「急に黙るなよ……美紀」


「……うるさい」


「すまん……」


「べつに謝らなくていい。でも頭撫でてくれるなら許す」


「ん? 頭? 何処にあるんだ?」


 蓮見が一人ベッドの上に胡坐状態で戸惑っていると、団子になった美紀が顔だけを外に出す。

 それを見た蓮見はこれはこれで亀みたいで可愛いなと思った。

 それから微笑みながら頭を優しく撫でてあげる蓮見。


 すると美紀の表情に笑みが戻り、表情が柔らかくなっていく。


「えへへ~」


 可愛い女の子の無邪気な表情は蓮見の心を揺らす。

 そんな蓮見と美紀の視線がふっと重なる。


「最初からこうすれば良かったね」


「うん?」


「なんでもないーよ」


 美紀とこうして夜二人きりってのは久しぶりだなと思った蓮見は、


「そっかぁ」


 と素っ気ない返事をした。

 だけど頬が熱を帯びていると実感がある。

 それにさっきから直視してくる真っすぐでキラキラした美紀の視線が眩しくて、目をずっと合わていられない。

 そんなことからチラチラと美紀を見ては部屋に視線を飛ばす蓮見に美紀が言う。


「もしかして照れてるの?」


 ――!?


 その言葉に蓮見の頬がピクピクと反応する。

 笑って誤魔化したいのに、小悪魔の言葉が脳内で何度も響いて照れ隠しを妨害してくる。

 それはもう確信めいた小悪魔の笑みが全てを語っていると言っても過言ではない。

 嘘をついて誤魔化すと後からからかわれるとわかっているからこそ、下手な嘘や誤魔化しは聞かないとも言えるこの状況に蓮見が考える。

 素直になるか、見栄を張るか、それでも誤魔化すか、と。


「て、照れてなんか……」


「へぇー、照れてないなら熱でもあるの?」


「――ッ!?」


「顔が赤い理由聞かないとダメなのかな?」


「……小悪魔」


「それは認めたって事でいい?」


 蓮見は言葉の変わりにコクりと美紀の目を見て頷く。

 現実世界になると美紀とエリカのペースで毎回事が進み、いつも流されている気がした。だけどそれに蓮見が気付いても気付いたら外堀を埋められいつも逃げ道を無くしてくる二人に頭が上がらないのもまた事実なので抵抗はするが大抵は蓮見がすぐに折れる。とゲームの世界でしか蓮見を知らない人間からしたら驚きの光景の連発。だが美紀とエリカにとってはこれが普通だし、ギャップがあってこれはこれでいいなと思っているので有りなのだ。

 なので美紀のペースにさえ入ってしまえば、後は美紀のご機嫌一つで全てが決まっていくのも蓮見と美紀の関係とも言える。


「おぉー! なら私の事そんな目で今見てるの? 幼馴染じゃなくて異性としてって意味ね」


「……う、うん」


 照れる蓮見に団子状態の美紀がもぞもぞと動き近づいてくる。


「ほほぉー! って事は私今日はすみぃに襲われて処女奪われるの?」


 小悪魔が暴走し始めた事にいち早く身の危険を察した蓮見。

 冗談が重く、どう反応していいかが最早わからない。

 それに悪魔の微笑みと言うか裏があるようにしか見えない微笑みがリアル過ぎて恐い。


「それでしたいの? 避妊はちゃんとしてくれる? 優しくしてくれる?」


 小悪魔の質問攻めに苦笑いの蓮見。

 先日全く同じ事を言われた時はこれで誤魔化せた。


 だけど――。


「お返事は?」


 美紀は蓮見に答えを求めてきた。

 この二人やっぱりどこか似た者同士! と今さらながら確信めいてももう遅い。

 もぞもぞと動き、布団を羽織ったまま蓮見の身体によじ登ってくる美紀。

 これでは逆に襲われるのではないかと勘違いしてしまいそうな光景に蓮見が息を飲み込む。

 このままでは――。

 と思った時、妙案を思いついた。


「もしかして美紀がしたいのか?」


 名付けてブーメラン作戦。

 その威力は絶大で美紀の動きがピタッと止まり、下唇を噛みしめて上目遣いになる破壊力を秘めていた。

 これでも幼馴染。蓮見だって美紀の事をある程度は知っている。

 なので何をどうしたらどうなるか等少しは知っている……。


「う……うん。はすみぃとなら……いいよ」


 だけどすぐにニコッと微笑んで言った。

 あれーーーーーー!?

 蓮見撃沈。。。

 どうやら小悪魔の方が一歩上手だった。

 もうどこまでが冗談でどこまでが本気かがわからない蓮見の頭はパニック状態に入り始めた。それに止まっていた美紀が再び動き始めてと心理戦においては美紀の優勢であることを認める。


「美紀……本当にいいのか?」


「いいよ」


 ここまで来たら男を貫く、と覚悟を決める蓮見。

 そして手を美紀の胸に手探りで伸ばした。


 

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