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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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進化する神災


 蓮見のお願いを聞いたエリカは急いで行動を開始した。

 大きな円を描くようにして、アイテムツリーから予算度外視でアイテムを取り出しては設置していく。採算はある。それは蓮見が暴れる事で後から入ってくるであろう収入である。名前は神災報酬。一件響きは悪いが、これは蓮見の持っているアイテムが欲しいと色々なプレイヤーがエリカのお店に来ては買ってくれるアイテムの売上高なのである。それで元は十分に取れるのだ。

 なによりエリカとしては超レア度アイテムである”悪魔龍の宝玉”が欲しくてたまらないのだ。まだ持っているプレイヤーがいないアイテムは商売人として当然欲しい。なにより今後希少価値が下がらない&倒せばゲットできるアイテムなら一つでもいいからまずはその手に収めたいのだ。当然撃破で確実に手に入る事から最高入手難易度の中では低いランクではあるが、そんなことは気にしない。後からいらないと思えば高値で売ればいいのだから。と蓮見の遊び心とエリカの物欲が同じ方向性で揃ってしまった為に何か起ころうとしているとは知らず、美紀は限界まで集中しアルティメットだけに集中していた。


「悪いけど右からの攻撃は全部何とかして!」


「わかった!」


 美紀の指示通りにすぐに蓮見が行動する。


「スキル『虚像の発火』!」


 だがそれを咆哮を使い無力化してきた。


「なら、もういっちょ! スキル『虚像の発火』!」


 三つ首の内一つが蓮見の攻撃を受け、攻撃の手を休める。

 その隙に美紀が槍を振るい残り二つの首にダメージを与えていく。


「いけるか……スキル『アクセル』!」


 背中に乗る美紀。

 だけど振り落とそうと暴れるアルティメット。


「させるか! スキル『虚像の発火』!」


 アルティメットの足元を狙う。

 その後すぐに閃光弾と一緒に音響爆弾も一緒に投げつける。


 再びアルティメットの視覚と聴覚を奪った。


 その間に蓮見と美紀が息を忘れる程の猛攻を仕掛ける。

 ここにきてようやく残りHPゲージ二割まで追い込んだ。


 だけど二度目の効果時間は短かった。

 どうやらアイテムに対する耐性がつくみたいだ。


「しょうがない。紅一旦離れて!」


 美紀が叫ぶ。


「わかった」


 蓮見は美紀を信じて一旦離れる。


「天地創造。その首の二つはここで潰す! 来い! スキル『デスボルグ』!」


 美紀の槍が黒のオーラを放ち始める。

 そして前方に出現した黒い魔法陣を通過し、空気を切り裂く音と一緒にアルティメットの首を一つ貫く。


 デスボルグ――『破滅のボルグ』の上位スキル。狙った場所に飛んでいき命中率100%回避不可能。威力と撃墜耐性が大幅に向上。ただし威力は使用したMP量とSTRに比例する。


 と同時に、美紀が腰から白雪の短刀を抜き、もう一つの首を攻撃する。


「スキル『パワーアタック』『連撃の舞』!」


 二段ジャンプを使い、正面から切り刻んでいく。

 美紀の息が乱れていく。

 全神経を限界まで研ぎ澄まし放たれる攻撃は確実にアルティメットにダメージを与えて行く。しかし肉体的な意味で美紀の体力も奪っていた。


「はぁ、はぁ、はぁ……」


 猛攻が一段落ついたところで、槍を回収し、一度距離を取る美紀。


「後少しか……」


 体力的に結構キツイなと思いながらも立ち上がる。

 するとエリカが少し離れたところから大声を出して叫ぶ。


「紅君! いつでもいける! けど効果はアルティメットが大きいからもって三十秒と思うわ!」


「わかりました!」


「なるほど……。まだ奥の手あるんだっけ紅も」


 美紀は微笑んだ。


『てか二人どんだけ仲良くなってるのよ……とりあえずこれ終わってログアウトしたら問い詰めてから沢山甘えてやる』


 そんな事を思いながら、動こうとすると、エリカが走ってこちらにやってきた。


「逃げるわよ。でないと最悪私達も巻き沿いを喰らうわ」


「えっ……マジ?」


「うん」


「わ、わかった」


 美紀とエリカは瑠香と七瀬が休んでいる場所に合流する。

 そしてエリカが設置した罠をスキル遠隔操作で起動しアルティメットの動きを封じる。

 本来は中型モンスターまでの動きを止める戦闘用の補助アイテムである。ただし一つではなく数を使う事で大型モンスターの動きを一時的に止める事も出来る汎用性がある痺れ罠。


「ところで紅はいったい何を……」


「流石に爆発はもう見飽きたんだけどな……」


「てか一人だと心配ですね……」


 各々が心配する中、蓮見とエリカだけがその場で微笑む。

 アルティメットが動けないうちに手榴弾を使い自らにダメージを与えHPゲージを調整する蓮見。それからMPポーションを飲み水色のオーラを纏ってニヤリと不敵に微笑む。


「本当はまだ使いなくなかったんだが、見せてやるよ。俺の《《新時代》》を!」


 その言葉に美紀が思う。


「……新時代?」


 そして七瀬。


「待って。私達を置いて行かないで……」


 最後に瑠香。


「とてつもない何かが起ころうとしてる気がする……」


 アルティメットが暴れ予想より早く痺れ罠が壊れる。

 そして蓮見に向かって突撃してくる。


 だけど――。

 アルティメットはその巨体で確かに蓮見に体当たりしたはずなのに、そこには誰もいなかった。そして三つ首がそれぞれ周囲を見渡すとそこには――。


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