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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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宣戦布告【最恐VS最強】


 ――それからしばらくして。


 蓮見が久しぶりに五人で草原の奥に出てくる敵を適当に狩りながらコンビネーション強化に向けていると、【深紅の美】ギルドメンバーですら最大限に警戒しなければならないプレイヤーが三人姿を見せた。


「やっと見つけたぞ、【神眼の神災】」


「お前は……――ん、っと……誰だ?」


 天然超えてバカ丸出しの蓮見。

 第一回、そして第二回、第三回イベントで全て一位を取って知らない者はいないとまで言われる全プレイヤーの憧れの存在であるルフラン。だがそんなルフランでも知名度は【神眼の神災】以下だと言う謎現象がこの世にあるのだ。ニコニコ動画、youtubeの再生回数も公式があげる【神眼の神災】のPV数とルフランのPV数では一桁違うのだ。そう蓮見の言葉は一億再生までいくからこそ言える真の強者の言葉でもある。


「アハハ! そうくるか。面白い」


 これにはルフランも完敗だと認める。

 この男、噂以上に他者に興味がないのだと知った。


「ばか! コイツはルフラン! 下手したら集中した私以上に強い相手よ!」


 プレイヤーKillをされると警戒した美紀が槍を構え蓮見の前に立つ。

 それから七瀬が蓮見の隣に来て、護る。

 二人共いつ交戦になってもいいように集中し、真剣な表情になっていた。


「不意打ちじゃなさそうだけど……こんな弱小ギルドになんのようかしら。それも三人で」


 瑠香は美紀と七瀬の間に立ち、美紀が抜かれても後方の三人を護れるように立つ。

 エリカは蓮見と七瀬の後ろに一旦隠れる。


「うちのメンバーを十殺されたんだ。別に付いてきてもいいだろう?」


「ホントだよ。いつものソフィならこのまま襲い掛かってると思うよ」


「ならなんで今日は襲い掛かってこないの?」


 美紀の質問に綾香が答える。


「普通に考えて暫定一位のルフラン、二位の里美、三位の私、七位のソフィ。それからそこにいるミズナとルナ。これだけトッププレイヤーと世間から呼ばれる私達が揃うって事はそれだけの理由がないと絶対にあり得ないからかな」


「簡潔に答えて」


「まぁ早い話し今日は戦いに来たわけじゃないってこと。要は交渉だよ。って事でとりあえず武器向けないでくれる?」


「信用していいの?」


「うん。今はイベント中でもないからね。それに裏切って損するのは私達なんだよね実は」


 美紀の鋭い視線を向けられても落ち着いた様子の三人に美紀が槍を構えるのをやめる。

 それから美紀の合図を元に蓮見以外の全員が武器をしまう。

 蓮見は一人話しがついていけず、武器すら構えていなかったのは言うまでもない……。


「【神眼の神災】直接話さないか?」


 ルフランが蓮見を呼ぶ。


「別にいいですけど、なんですか?」


「俺と一騎討ちをしないか?」


「……別にそれはいいですけど、俺なんかを相手にしても全プレイヤー中一位なら里美を相手にした方がお得だと思いますよ」


 ――ペシッ


「私を売るな」


「ご、ゴメン……」


「確かに俺も実力と言う面では綾香でもいいし里美でもいいから相手をしてもらいたいと言う願望はある。だが二人からは一度イベントの時まで手の内を見せたくないと断られているんだ」


「なるほど」


 蓮見が納得する。

 確かにイベントを考えると一理あると。


「それで今すぐに戦いたい相手となると一人しかいない。里美だけでも驚いていたのにまさかミズナとルナからも認められた初心者プレイヤー。かと思いきや瞬く間にその名を広め、急成長を見せてきた。最初は歌を歌うバカとまで呼ばれていたはずなのに今ではその名だけで多くのプレイヤーから恐れられる存在とまでなったお前だ【神眼の神災】!」


「……俺?」


「……そうだが……」


 相変わらず自分の認知度を全く把握していない蓮見が自分に指を向けて質問してきたもんだからルフランも思わず言葉を失ってしまった。


「一応言っておくけどさっきから話し噛み合ってないのは気のせいじゃないわよ」


「と言うと?」


「紅は提示版一切見ないし、公式サイトを含めた告知、動画も一切見ないから簡潔に言わないといつまで経っても話しが進まないわよ」


 美紀が呆れたようにしてルフランに教える。

 これが今までだったら普通だったんだよなーとルフランに憐みの目を向ける七瀬と瑠香。そう二人も気付けば蓮見に合わせて色々と感覚がズレてしまったのだ。


「……一騎打ちしてくれるか?」


「まぁ理由はよく分からないですけどいいですよ」


「そうか。なら明日のお昼。第二層にある闘技場に十三時集合でどうだ?」


「いいですよ」


 あっさりオッケーする蓮見。


「ならまた明日会おう」


「あれ? 今日じゃないんだ」


「猶予を与えるとは珍しい事もあるんだな」


 そう言って何処かへ行くルフランの後を追う綾香とソフィ。

 二人はルフランと蓮見の対決が見られると思い付いてきたが、今日は無駄足になってしまったなと心の中で思った。

 確かにギルドメンバーを倒された事は悔しいが、そもそも今回はギルドメンバーがルフランに手を出し、【神眼の神災】にも手を出したと知った時点で何もする気がしなかった。彼女達もまた次のイベントまでに強くなり【神眼の神災】対策もしなければならないからだ。今度は必ず勝つためにも。その為の情報収集はすることはあっても自分達から手の内をさらすつもりはない。そもそも蓮見の成長スピードが異常なだけで本当はそうやすやす強くはならない。事実蓮見のレベルは対してあれから上がってはいないのだ。そう何がヤバイって蓮見の発想力と度胸なのだ。それと今日みたいにルフランとの勝負を簡単にオッケーする度量である。綾香は自分の時と言い、ある意味蓮見は単純だなと思った。でもこの二人の手合わせを見られるなら自分が戦えなくてもそれはそれでいいやと思った。だってまだ一度の黒星がない者同士でありながら提示版でずっと密かにどっちが強いか噂になっていた二人がようやく戦うのだから。ちなみに勝敗はルフラン七割と出ている。里美と綾香が相手だと五割でソフィ相手だと六割だと考えると世間の期待はかなり高いと言える。


 それから提示版はまたしても過去最高を記録する勢いで沢山の書き込みで盛り上がり始めた。それに便乗してか運営が公式で二人の特別ハイライトを流し始めた。


 見出しは『最恐【神眼の天災】VS最強【ルフラン】の決闘』までの流れ。


 二人の活躍シーンをまとめた動画が僅か数時間で数十万PVを超えた事は言うまでもない。つまりそれだけ皆が期待し興奮しているというわけだ。


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