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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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瑠香の勘違い


「さて、私はどうしよ……」


 瑠香だけがギルドホームに残り一人悩んでいた。

 瑠香はまず自分が欲しいスキル探しからなのでとりあえず見つかるまでは一人で行動することにした。

 美紀も美紀でそろそろ『破滅のボルグ』以外にも必殺と呼べるスキルが欲しいと言っていたことから、このままでは自分だけが置いていかれるかもしれないと心の中で不安に思っていた。


「まずは現状修得が可能なスキルから探すってのもありかな……」


 考えてばかりでも仕方がないので、情報提示版に目を通して探してみる。

 だけどいまいちこれ! と呼べるものはなかった。

 ステータス的にはまだ振り分けていないポイントも実はあったりするので申し分ないのだが、やはりスキルの少なさもこう見ると問題に思えるのだ。


「いや~わかってるんだけどな……紅さんと比べたらダメだってことぐらい。とりあえずはPSプレイヤースキルだけってのもこの辺が限界かな~」


 瑠香は一度天井を見つめて少し考えてみた。


「なるほど。使うか使わないかじゃなくて、まずは強そうなスキルが手に入りそうだったら取ってみよう。取捨選択はそれからでいいや。ギルドが必要な奴は一旦置いといて、まずは久しぶりソロで頑張って自信をつけて手伝ってもらうのもありか!」


 自分に言い聞かせるようにして、瑠香は「うん、うん、それが一番だよね」と言ってギルドを出た。




 あれから二日が経過した。


 瑠香は汎用性があるスキルを探していた。


 第三層。江戸の町と言うだけあって似たような建物が多く、道が単純な分、逆に分かりにくくかった。現実世界みたいに大きなビルがあるわけでもなく、看板があちらこちらにあるわけでもなく、あるのは長屋とお城と田んぼと言った、The 江戸の町! と言った物ばかりなのである。


「あれ、さっきここ通ったよね……」


 ちょっとでも考え事をして歩いていたら実際にまだ通ってなくてもそんな気になってしまう事もたびたびあった。


「いや、この着物は初めて見るから似ているだけか……」


 そう考えると約一名が年上とは言えかなり心配になる。

 今頃道に迷っていないかな、変な事していないかな……と。

 瑠香は知るよしがないが、蓮見は現在進行形で各地にある温泉(混浴風呂)巡りに一人で夢中になっている。

 なんでそうなったのかは本人に直接聞いてみるといいだろう。

 ただ混浴風呂巡りとは別に蓮見は蓮見で面白いスキル探しのめどが立っていた。ただ時間がたっぷりあるんで建前でエリカに観光費としてゴールドを借りて今は女の子(NPC)について九割以上の力を入れて研究しているのである。例えば、いつそのタオルは取るのか、いつタオルから着物に着替えるのかと……それから余った残り一割の力でスキル習得を頑張っている。


「へいへい! そこの可愛いお嬢さん」


 声が聞こえてきたので振り返ると、少し怖いおじさんが達が三人組でやってきた。

 瑠香は小さくため息をついた。

 一人で遊んでいると最近この手のナンパが多いのだ。

 もうだいぶ慣れているが、現実世界と言い、ゲームの中といい正直この手の人間は相手にするのがめんどくさいのだ。


「はい。なんでしょう?」


「お嬢さんの腕を見込んで、これお願いしたいじゃけど」


 ナンパかと思っていただけに瑠香は驚いてしまった。

 とりあえずナンパではないのならと渡された巻物を開封して中身を確認する。


 それは地図になっていた。


 そして最後に。


 『挑戦者を求む。ただし実力者のみ』


 とだけ書かれていた。


「お嬢さん大分強いだろ? どうだ。剣の鬼と呼ばれた鬼武者をいっちょ倒してくれないか? コイツのせいでこの江戸の町が今危険な状態なのよ。こうして封印しているんだが、最近なぜか封印が弱っててな……困ってるのよな」


 男は順番に三人が話し、一つの要件を伝えてきた。


「わかりました。いいですよ」


 瑠香が返事をすると、三人の男が「なら宜しく頼むぜ」と言って何処かに行ってしまった。

 特殊クエストのような気もするし、そうじゃない気もしなくはない。

 だが強い相手と戦い、今後の成長のヒントになるかもしれないと思えば無駄にはならない。

 なにより今後欲しいスキルのヒントになるかもしれないからだ。


「……そうだよね。とりあえずはやってみるが一番だよね」


 瑠香は受け取った巻物に書かれた地図を見ながらフィールドを歩き始めた。

 それは江戸の町の中心部とは真逆の方向だった。


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