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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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心の傷



 制圧はしたものの人数不足の為にずっと空き拠点の一つだった場所にて。



「はぁ、はぁ、はぁ、……」


「とりあえずここまで来れば大丈夫そうね」


「そうね。とりあえず紅はココに寝かせましょう」


 そう言って美紀と七瀬が蓮見を床に寝かせて美紀が膝枕をする。

 綾香の一撃をまともに受けた蓮見はHPこそは『不屈者』の効果で残っていたが、身体的な痛みに苦しんでいた。


「当初の作戦通りとは言え、しばらくは大人しくしておいた方が良さそうね」

(やっぱりあの攻撃は紅でもめっちゃ痛かったんだ。生命力はゴキブリ並みなのに痛覚は人間なんだ)



「えぇ。後はあのギルド二つがどこまでつぶし合ってくれるかに掛かっているわね」


 美紀が言う二つとは。


【灰燼の焔】ギルドと【雷撃の閃光】ギルドの事である。

 小規模ギルドでありながら二つの大型ギルドに目を付けられた事を美紀達は利用していた。だがその作戦は良くも悪くも蓮見がしばらく動けなくなることと引き換えになってしまった。


 瑠香とエリカは追っ手を警戒して拠点の外で見張りをしている。


「それでこの後はどうするの?」


「そうね~、とりあえず動くにしても紅が復活してからにしましょ。こうなった以上あのギルド二つに巻き込まれる中小規模のギルドだって出てくるだろうし、今の順位なら最後にまた頑張れば十以内だって十分に狙えるわ」


「わかった。それにしても紅よく頑張ったわね」


 七瀬は痛みで苦しそうにする蓮見の頭をそっと撫でる。

 すると蓮見が何かを言おうとするが、思うように話せないらしい。


「何も言わなくていいわよ。頑張ったんだから今は自然な形で里美に甘えておくといいわ。普段なら棘があって中々触れられなくても今はないからね。なんならおっぱいもさり気なく触っても怒られ……きゃぁ!?」


 七瀬の冗談が悲鳴に変わる。

 美紀の手が七瀬の右胸を鷲掴みにしたのだ。


「このままねじっていいかしら?」


「え? ……里美?」


 七瀬の顔から尋常じゃないくらいの汗が零れ落ち始める。


「貧しい胸がまな板になる覚悟はあるのよね?」


「優しくしてくれるよね?」


「勿論」


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!」


 そして七瀬は七瀬で胸に手を当てて床に横になったのは言うまでもない。


「紅の前で身体の事は言わないで。……恥ずかしいから」


 赤面しながら美紀が言う。


「……いてて。別にいいじゃない」


 激痛で涙目の七瀬。


「ダメに決まってるでしょ」


「なんで?」


「なんで……そりゃ……私だって女。そうゆう所は気にするわ」


「気にするって……好きだから過剰にの間違いでしょ?」


 ゴトッ!


 美紀が急に慌てたように動いたために蓮見の頭が床に激突した。

 そのまま別の痛みが加わり更に苦しむ蓮見の近くでは。


「ちょ!? バカぁ! なななななにを言ってるのよ!」


 慌てて七瀬の口を塞ごうとする美紀。


「なにって本当の事でしょ? 美紀は蓮見の事が大好きってこの前自分で……むぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」


「いいいいいいいかげんにして! だだだれが本名で……」


 強引に美紀の手を口から離して。


「顔真っ赤にして否定するぐらい好きなんでしょ?」


「うぅぅぅぅぅ、グズッ、グズッ……い、意地悪しないでよぉ……」


 とうとう半泣きになってしまった美紀。

 その泣き顔は唇を尖らせて、上目遣いととても可愛い物であった。


 ――ほほぉ。


 ニヤリ。


「あらあら。えい!」


 七瀬はそんな美紀を蓮見の方に向かって押し倒して立ち上がる。


「ちょ、ちょっと……なにするのよ……」


「大好きな彼に心の傷を癒してもらいなさい。むしろ今は甘えん坊さんになってもいいかもよ? ツンツンさ……美紀ちゃん」


 そう言って七瀬がニヤニヤしながら拠点を出てエリカと瑠香の元へと行く。


「ミズナのバカァァァ!!!!」


 そんな声が拠点の中からは聞こえてきたが、七瀬は無視した。



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