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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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水色のオーラ


 歌を歌いながら真っすぐに歩いてくる蓮見は敵の奇襲や罠を無視していた。


 それらは護衛の二人によって全て阻止されていた。


 奇襲を仕掛けるにも瑠香を出し抜く事は出来ず、罠で対抗しようとしても七瀬の魔法が罠を破壊する。


「ちょ……うそでしょ……」


 そこら辺の中規模ギルドですら解除に苦戦をする罠を力技で破壊し、奇襲に特化したプレイヤー部隊を素早く殲滅する護衛の二人。

 二人共後先を考えていないのかMPゲージの大量消費からのポーションによるMP回復。


「あの二人……いや三人全員とも止まる気ないわね」


 ならばと思い、スイレンが指示をする。


「全員周囲の沈下が終わり次第、連携魔法で三人を焼き払って」


 その指示を聞いた遠距離攻撃部隊が弓と杖を構える。


 そして矢と魔法による遠距離攻撃の雨。


 こういった広範囲攻撃は相手の逃げ道を無くし、確実に相手にダメージを与えやすい。


 仮に三人が別々の方向へ逃げれば、一人ずつ包囲して倒せばよいので作戦としてはかなり有効打である。

 そしてスイレンは別に死んでも何度でも蘇れることから、二人の護衛を引き離したら蓮見一人を狙い倒しに行けばいいのだ。


 しかしその作戦が読まれているのか、七瀬の『導きの盾』が広範囲に展開され防御されてしまう。


「弓隊! 全員貫通スキルを使ってあの盾を破壊しなさい。魔法隊! 補助魔法で矢を強化と障壁展開! 攻撃部隊は広範囲に展開して陣形を取って構え。絶対に後方部隊にあの三人を近づけないで!」


 スイレンの指示の元四十人近い人員が一斉に動き始める。


 七瀬の『導きの盾』に次々と撃ち込まれる矢。


 だけどそう簡単に破壊は出来ない。それだけ七瀬の基本ステータスが高いのだ。


 それでも時間稼ぎをすることはできる。切り札到着まで負けるわけにはいかない。




 蓮見達は思うように進めずにいた。


 蓮見が遠距離から反撃しようとしてもそもそも手数が違い過ぎる。


 かと言って一人突っ込んだ所であの布陣相手では勝ち目がないのは目に見えていた。



「バーニングソウル♪ ……良しMPは全回復したけど……」


 蓮見は考える。

 このままではいずれ『導きの盾』が破壊されてしまう。

 今もまた一枚、と徐々に破壊されている。


「うん? ……破壊?」


 蓮見は一度周囲を見渡す。

 そして、ブツブツと何かを言って考え始める。


「よし。いっちょやってみるか!」


 蓮見はそのまま近くにある大木まで走って移動する。

 途中敵の攻撃が当たりHPゲージが減ったが、今はあまりきにしていない。どうせこの後かなり減る事になるのだから気にしても仕方がないのだ。


 そして頭の中でイメージする。

 蓮見の理想とする人物である小百合(NPC)を。


 一度大きくして、二手にわかれた攻撃が蓮見の隠れている大木の幹を容赦なく破壊していく。


 そして大木の幹を攻撃が貫通し破壊したタイミングで蓮見が動く。

 周囲にはまだ燃えていない大木が幾つかある。

 それを上手く利用して敵に近づきながらの毒の矢を使い攻撃していく。


 相手からしたら意識が分断されてやりずらいだろう。

 なぜなら一人は確実に倒したい相手、もう二人は無視したくても無視できない七瀬と瑠香なのだから。


「ミズナさん! ルナ!」


 蓮見が叫ぶ。


「任せて!」


「任せて下さい!」


 遠距離攻撃の雨は蓮見のHPゲージを徐々に奪っていく。

 だけどそれも永遠ではない。

 敵が次の攻撃に繋げようとしたタイミングで瑠香が敵陣正面から突撃する。


 それは歩兵部隊の中にドラゴンが襲い掛かるように圧倒的な力で瑠香が突撃する。


「スキル『加速』『ペインムーブ』!」


 敵の完璧とも言える布陣に強引に穴を開ける瑠香。

 瑠香もまたスイレンと同じく死を覚悟している為、後退と言う考えはない。


「スキル『サンダーブレイク』!」


 七瀬のアシストを受けて、瑠香が敵を倒していく。


 そしてその左側面を叩くように蓮見の攻撃。

 だが可笑しかった。

 かなりダメージを受けているはずの蓮見の全身には水色のオーラがあった。

 そしてこちらの遠距離攻撃を全て躱し始めていた。


 このままでは前衛部隊が動かない的になる。

 だけど下手に動かせば陣形が崩れる。


 障壁は蓮見の前では意味をなさず効果がない。

 自分が動けば指示役がいなくなる。

 もしかしたらこれが三人の罠かもしれないと考えると厄介だった。



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