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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説
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時間稼ぎ



 イベントが終盤に近づくにつれ、徐々に各ギルドの保有ポイントにも差が出てくる。


 大規模ギルドで優勝候補の【ラグナロク】と【雷撃の閃光】と【灰燼の焔】は断トツでイベント上位を独占していた。一位から三位に多少の変動はあってもこの三つのギルドで決まりだと誰もが思うほどに。


 だがこの時、誰もが違和感を感じていた。

 大規模ギルドそれも優勝候補と呼ばれるギルド三つの背後をピタリと追うようにして順位を凄い勢いで上げている小規模ギルドがあることだ。


 当然、【灰燼の焔】ギルドはスイレンが倒されたと言う事から特に警戒していた。


 それに噂では【神眼の天災】があちらこちらで暴れているとの情報もある。奇襲を仕掛けたくても美紀を護衛に付けておりそう簡単には無理だとも報告を受けていた。


「アイツこのままじゃこっちに来るな」


「申し訳ございません」


 リュークは比較的【深紅の美】ギルドと近い場所に本拠点を構えている。その為、かなり警戒をしているわけだが、向こうの手の内がわからない以上下手に人員を動かしたくはなかったのだ。各拠点に配置した人員、つまり防衛にかなりの人数を裂いているため攻撃に回す戦力がもう殆ど残っていない。敵は不特定多数、これはどのギルドにも言える事だが、拠点の数が増え、更にはそこをしっかりと防衛すると考えれば攻撃に中々転じれなくなるのだ。


 本拠点にはリュークとスイレンが二本柱で常に在中しているため、比較的かなり安全ではあるが、他の拠点はそうもいかない。


 そんな事を考えていると、報告隊の一人が慌てて二人の前にやってくる。


「た、大変です。第七支部方面に山火事。更には第八支部、第九支部火災により拠点を奪われました」


 山火事を意図的に起こせる人物。


 それは本来拠点から動く事のないはずの人物にして、誰にも予想が付かない事を平然とする人物である事は間違いない。


 リュークが舌打ちをする。


「チッ。アイツの前では拠点の障壁など意味をなさない。その前になんでアイツが動く。全く持って意味がわからん」


「どうしますか?」


「スレインお前に任せる。とりあえず脅しでも何でもいい。あの災いを止めてこい。実力はお前の方が上だ。できるな?」


「かしこまりました」


「それと気を付けろ。なんか嫌な予感がする」


 スイレンは一礼をしてすぐに第七支部へと向かった。



 スイレンが第七支部に着くと、既に三支部の生き残りが陣を構えて待機していた。


 魔法使いの探索魔法で敵の居場所を確認し、遠距離攻撃で先制攻撃をしようとしたとき嫌な予感に駆られた。


 そしてそれはすぐに現実となる。


「全員遠距離攻撃中止。今すぐ拠点に水魔法を。急いで!」


 慌てて指示をすると、大木が音を鳴らし次々と倒れ燃えていく。

 更には大木から拠点へと突然起きた山火事に巻き込まれる。


 空気が熱を持ち、周囲が熱くなり息苦しくなる。

 これではスイレンの高速移動は呼吸がしにくいことから難しくなる。 


 敵のギルド長が戦場に出てきた。普段なら好都合なわけだが、今回ばかりは後ろにある拠点の耐久値が合ってないような物だと考えると実に最悪な展開だった。


「護衛にあの二人って……もう最悪。仕方ないこちらも切り札を使うしかないわね」


 スイレンはリュークへと報告隊を一人送った。


 スイレンに勝つ気はない。


 先程圧倒的に有利かと思われた状況で負けた相手に拠点を護りながらと考えれば人手は合っても勝つには物足りなかった。なぜなら数の優位性を全く感じさせない、【疾風】装備のプレイヤーが目の前にいたからだ。


 とりあえず今するべきことは切り札が到着するまでの時間稼ぎ。



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