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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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観客ヒートアップ


 ――――

 ――――戦場。


 歌を歌っていると百人を超える集団が蓮見のいる高層マンションを取り囲んでいた。

 つい夢中になり過ぎて下には警戒心を向けていなかった蓮見が気が付いたのは熱唱した後だった。


「やべぇな。囲まれた……ってかそもそも何で皆俺を狙うんだ……?」

 自分が普通だと思い込んでいる蓮見。


 歌を歌えばMPが回復する事を知る者は『歌の魔力変換』スキルを持っている者だけなのだが今は蓮見しか持っていないので周りから見たらただふざけている頭のイカレた少年にしか見えない。そんな少年に宝くじ一等当てた嫉妬心やアイツを倒せば俺も有名になれる等、人それぞれ思う事は違っていても【倒す】という一点においては皆の心が一致していた。


「MP満タンだし『詠唱』『絶対貫通』『レクイエム』『連続射撃3』の合わせ技でサクッと丸焼きにするか」

 ニヤニヤと笑いながら悪知恵だけは瞬時に思いつく蓮見は早速行動に移る。



 これでは距離が遠いので一旦高層マンションから飛び降りて地上まで行く蓮見。

「しまった!!! 地面が迫って――――――うおぉぉぉぉ!!!」

 重力の影響を受けた蓮見の身体は徐々に速度をあげて降下……ではなくもはや落下していく。

 僅か数十秒で到着。


 ――ドガーン!!!!!


「ぅ……うぅ……うーん……」

 足裏が痺れてしっかりと伝わるアスファルトの感触。

 HPゲージが3割まで減る。


 突然の事に皆が唖然とする。

 がすぐに戦闘態勢に入り、蓮見を取り囲む。


「スキル『連続射撃3』連続発動!」

 魔法攻撃で蓮見を倒そうと沢山の魔法が飛んでくる。

 恐らく蓮見を倒す為に後先考えずに魔法をつかっているのだろう。

 魔法に統一性はなく属性や系統全てがバラバラだった。


「スキル『イーグルアイ』!」

 地上からではなく上空10メートルの高さから魔法の隙間を見て躱し集団の中に自ら飛び込む。これで相手の魔法は防げる。味方が密集した地帯では遠距離魔法攻撃は味方を巻き込むことになる。

 剣や斧、時にはパンチや蹴りが飛んできたが躱しながら詠唱を始める。

『火事場の俊足』『弓兵の観察眼』『見えないふり』『領域加速ゾーンアクセル』の自動発動により回避性能がステータス以上に強化され弓使いが苦手とする近接戦闘の弱点を補ってくれる。


「我が命ずる。秩序を乱す者達に裁きを与えよ。弓は心、弦は心を矢に伝えるバイパス。矢は裁き。裁きの象徴として悪を貫く今こそその真価を発揮しろ『レクイエム』!!!」

 連続射撃で強化された矢が赤いエフェクトを放ち、五本に分裂する。

 詠唱中に溜まったMPを含み蓮見の魔力全てを使い放たれた矢は五か所で同時に大爆発を起こす。矢に貫通された者、大爆発に巻き込まれた者が数十人単位で一瞬にして消える。


 そして爆風で煙が巻き上がり視界が悪くても黄色い点が相手のクリティカルヒットの場所をハッキリと教えてくれるので蓮見は通常攻撃で次々と敵を倒していく。煙が静まるときには7人しかその場に残っていなかった。



 観客「あれ反則じゃねぇか」


 観客「強すぎだろ!?」


 観客「アイツ相当防具が凄いか相当レアなスキル持ち?」


 観客「多分違う。自動スキルの併用だと思う。エフェクトが殆ど発生してなかった」


 観客「あの爆炎で視界が悪いなかクリティカルヒット十四連続って一体なんなの……?」


 観客「正に神の目だな」


 観客「あぁ神眼の弓兵」



 大会は順調に進んでいく。

 それに合わせて観客の熱狂も熱くなる。


 気づけば観客の多くの者がある一人の少年の目に向けられていた。

 カメラで見られているとは知らずMP回復の為に楽しみながら再び歌う蓮見。

 そんな蓮見に多くの者が魅せられていた。



 すると大会アナウンスが戦場と観客席に大音量で流れる。

「残り一時間。現状上位30名のポイント数は軍を抜いております。順位1位ルフラン、二位里美、三位綾香、……17位紅、……となっています。今から上位30名を倒したプレイヤーには通常の10倍のポイントを差し上げますので最後まで諦めずに頑張ってください! あっ最後に上位30名の座標はイベントステージ場にある沢山の空中スクリーンに映し出されていますので上位30名はお気を付けくださいね~」



 約1500人が上位30人を狙って一斉に動き出す。

 クライマックスに向けて試合は更に盛り上がる。


「おい! 皆こっちだ【神眼の弓兵】がいたぞ。一人だ!」

 廃墟となっていたビル街を歩いていると前後左右からだけでなく廃墟のビルからも沢山のプレイヤーが出てくる。



 大きく息を吸い込む蓮見。

「いいぜ! まとめてかかってきな! ただし俺について来れるならの話だけどな」



 息を呑みこむプレイヤー達。

 ビビる所か決め顔で自信満々で言う蓮見に全員が警戒する。


「見せてやる俺の必殺スキル!」


 ――ゴクリッ


 武器を構えるプレイヤー達の手には汗が溢れ出る。



「全力で全速ダッシュだぁーーーーーーーーー!!!!」

 全員の警戒が最大に達したタイミングで全力で逃げ始める蓮見。


 てっきり大規模魔法が来ると思っていた為に反応が遅れる。

「しっしまった!」

「逃がすな! 追え!」

 一人、また一人と華麗に抜き去りながら逃げる蓮見を全員が捕まえようとするがHP1割の蓮見は最高潮に速かった。


 しばらくすると蓮見の進行方向に順位2位の里美が姿を見せる。

 今も数百人に追いかけられている蓮見は考えた。

 俺では勝てない、だが真の上位陣ならば勝てると。


 そしてプライドを捨て叫ぶ。

「そこのお姉さん助けてくださいぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!」


 一人の女性が振り返るとそこには美紀がいた。

 つまり里美は美紀で現在2位。

 そして「紅! 伏せて!」という言葉と同時に美紀の槍が空中で巨大化し一瞬で蓮見を追いかけていたプレイヤー全員を瞬殺した。


「……あはは、やべぇ、あれは間違いなく化け物だ」

「あら、紅さん初めまして。これで邪魔者はいなくなったわ。思う存分戦えるわね」

「えっ? ……里美さん」

「助けてもらっておいて人を化け物呼ばわりとはいい度胸ね」



 そして、予期せぬ形で。


  蓮見VS美紀


 の勝負が始まった。



 観客席では初めての上位陣同士による戦いに最高潮の盛り上がりを見せる。

 LAST30分勝つのは、Killヒット連発の蓮見かそれともVRMMOゲームにおいて数々の賞を取って来た美紀か!!!




 観客「やべぇ!」


 観客「来たぁ!!!」


 観客「さて勝つのは【神眼の弓兵】か超実力者の里美か。これは目離せねぇな」


 観客「この試合ついに奇跡が起きたぞ!」


 エリカ「やっぱり見てて飽きないわね。紅君最後の最後で面白い事してくれるなんてね。ふふっ頑張れ~」


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