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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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パーティー壊滅



「待ちなさい紅。せっかくだし四人で行くわよ!」


「ちょっと待って!」


 そう言って止めたのはエリカだった。


「何面白そうな事をしようとしてるのよ。私も入れない! 五人で行くわよ!」


「さっきまで疲労困憊だった人間がよく言うわね。本当に行けるの? 拠点目の前だし私途中で助けないわよ?」


「要らないわよ。後ろには紅君とミズナがいるから」


「そう。なら五人で行きましょう。紅それでいいかしら?」


「うん? 俺? まぁ皆が体力的に大丈夫ならいいけど」


 ちょっと落ち込みながらも蓮見が納得する。

 後半一番暴れて欲しい所で暴れてもらわないと美紀としては困るのだ。

 故に護る振りをしながら、体力を温存させる。


 集団で雄たけびを上げて石段を駆けあがってくる。

 遠距離魔法攻撃と障壁を盾に物量作戦に出てきた相手。

 獲物を見つけた肉食動物の様に一直線に突撃してくる彼らを見て、美紀、エリカ、瑠香の三人が落ち着いた様子で立つ。


「二人共援護お願い、それと紅壊せる?」


 美紀が壊せると聞いた時には、蓮見が放った矢が敵の障壁既に破壊されていた。

 Killヒットを意図して起こせる人間の前では障壁よりPSプレイヤースキルが単純に必要になってくる。魔法やスキル任せのプレイヤーでは立ち向かう事がそもそも間違っている。


 敵の魔法に対して七瀬が障壁を展開して三人を護る。

 障壁は導きの盾と言った上位盾スキルの劣化版に位置しており、耐久値こそは低いがMPゲージの消費量が少ない。


 そして美紀を先頭にして三人が正面衝突しきり合う。


「スキル『恵みの光』!」


 数で押してくる敵の猛攻にエリカのHPゲージが減るが、七瀬の回復魔法がすぐに失ったHPゲージを回復させる。


「スキル『バーニングファイヤー』!」

 炎を纏った剣が屈強な男の鎧を熱で溶かし、切り裂く。


「今だ!」


 エリカに切られた男が叫ぶ。


「おう!」


 ここでの七瀬は前衛三人の回復と遠距離攻撃の阻止、そして蓮見が援護射撃と後方の二人はしっかりと連携しており隙がない。

 そう思った敵は数人が囮になる事で、先に後方にいる二人を潰そうと考えたのだ。


「あら? 利口なのね」


「あらま、でもまぁ詰めが甘いですね」


 美紀と瑠香は敵を確実に倒しながら余裕の表情でそう言った。

 仲間を囮に蓮見と七瀬の首を取りに行く者達は全速力で突撃していく。


「スキル『連続射撃3』『レクイエム』!」


 全部で三割のMPゲージを消費した蓮見は突撃してくる者達ではなくその足元を狙って矢を放った。

 すると全員がジャンプして空中に逃げる。


「スキル『焔:炎帝の怒り』!」


 空中で逃げ道を失ったプレイヤーは七瀬の魔法を受けて大ダメージを受ける。

 運よく生き残った者はすぐに前に進もうとするが身体に受けたダメージのせいか動きがさっきより鈍くなっていた。そんな者達を蓮見が見逃すはずなく、次から次へと倒していく。


 前線では七瀬に影響を受けたのか瑠香が暴れ始める。


 こうなった以上まずは目の前の敵からと相手が思った瞬間だった。

 敵の後方支援をしていた部隊が突然起きた爆発に巻き込まれて、前線の支援を止めてしまう。そして何がどうなっているかが全くわからない敵集団は混乱を始め急激に士気が下がり逃げ出す者達が出てくる。


 エリカが罠としてばら撒いて置いた手榴弾を遠隔操作で爆発させたのだ。


 手榴弾は破壊力以上の効果を発揮してくれた。

 そしてさり気なくエリカは後退する。

 瑠香が暴れ始めたせいで、これでは巻き沿いを喰らうと判断したからだ。


 彼らは逃げる時に知ってしまった。


 五十人を超える数で攻めても【神眼の天災】が率いる【深紅の美】ギルドは余裕で対処するのだと。


 結局蓮見を倒す所か一撃もダメージを与える事が出来なかった彼らの敗北はある意味仕方がないと言えよう。ただの中規模ギルドが復讐にと意気込んだ所で最大火力の【深紅の美】ギルドには到底敵わうわけがないのだから。


 だがそんな彼らの勇気を笑う者は誰一人いないだろう。


 笑って自分達が目を付けられたらと思うととてつもなく恐ろしいからだ。


 それはイベント終わりで皆が知る事になる【ラグナロク】や【雷撃の閃光】や【灰燼の焔】ここら辺のギルドクラスでも警戒する相手なのだと。



 美紀の予想通りそれからは敵が攻めてくる事はなかった。

 時間的にもどのギルドも実際の状況と情報の共有、そして作戦の修正に入っていたのだ。

 当然【深紅の美】ギルドも美紀を中心に色々と話し合った。








 イベント開始から二時間が経過した頃、【深紅の美】ギルドは手に入れた全てのギルド拠点を利用し敵が攻めてくる方向の確認と同時に撃破し護りに徹していた。


 七瀬と瑠香のペアそして美紀がそれぞれ別れて拠点を護っていた。


 その間エリカは本拠点とフィールドを繋ぐ石段手前から持ってきたアイテムをあちらこちらに設置していた。蓮見は敵が来てもいいように最終防衛戦として石段の上で一人待機。


【深紅の美】ギルドはこのイベントで勝つためにある作戦を立てていた。

 他のギルドが弱る後半に拠点を沢山持つギルド長つまり上位にいるギルド長を一人倒し逆転勝利を狙う事である。


 そしてその為にはまずこの後破棄する予定の拠点全てが敵の手に渡っても対抗できる力が必要だったのだ。


 機動力だけで言えば小規模ギルドの中では最強クラス、そして少数による瞬間火力も最強クラスだからこそ出来る作戦を実行するにはエリカの自動音響装置が鍵を握ると美紀は考えたのだ。



 そして今も五人のパーティーをたった一人で倒した。



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