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とりあえずカッコいいのとモテそうなので弓使いでスタートしたいと思います  作者: 光影
一章 神災者爆誕と俺様全力シリーズ伝説

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魔の森での噂


 ――――。

 ――翌日。


 ギルド前にある憩いの場に設置された情報提示板の前で蓮見は悩んでいた。

 このままではとてもイベント開始までにレベルが上がらないと。

 現在蓮見のレベルは15。

 対してトッププレイヤー達のレベルは30を超えたらしい。

 リアルで忙しかったのと、美紀からお誘いを受けるまで放置していた為に参戦が遅れた。その為トッププレイヤー達とは格差が広がる一方だった。

 


「このままでは追いつけない……」

 昨日美紀が言っていた提示板にある情報提示板でイベントの内容を確認するとイベントの内容はバトルロワイアル形式、参加資格はなく誰でも参加できる。そして上位30名には限定アイテムが授与されるらしい。


 後3日後にはイベントが始まる。


 イベントの順位算出方法はシンプルだった。

 参加者全員が戦い、他のプレイヤーを倒した数・死亡回数で争う。

 連続で他のプレイヤーを倒すとボーナスポイントが付与される。


「やっぱりやるからには結果を残さないとだよな……」

 蓮見は負けず嫌いなのでイベントや勝負と聞くと何処か負けたくないという対抗心に燃えやすい人間だった。

 だからこそ、この状況を打破する方法を考えていたのだ。


「んっ?……なになに……自分より強い相手にはスキルを使って対抗すると効果的」

 蓮見が情報提示板とにらめっこをしながら考える。




 そして閃く。




「良し! これで行こう!」

 そう言って情報提示板とのにらめっこを止めて、今度は東にある魔の森へと歩き出した。



 この時、蓮見は知らなかった。



 自分の強さがどれだけ異常なのか。

 クリティカルヒットを狙って毎回起こせるプレイヤーは蓮見だけだった。



「とりあえず美紀には負けない、凄いスキルを手に入れてやる!」

 蓮見はまず美紀に対抗する為に新しいスキルの獲得をする事にした。


 美紀のレベルは正直わからないが恐らくプレイヤーとしての実力では勝てる自信がなかった。そこでスキルを使う事で何とかなるのではないかと考えたのだ。

 今日狙うモンスターの一つは骸骨の騎士で近接戦闘を中心とした戦い方をしてくる骸骨である。

 そしてもう一つはアイスゴーレムである。


「さて、お出ましだな、アイスゴーレム!」

 アイスゴーレムの基本的な攻撃パターンは西の魔の森のゴーレムと変わらない。

 ただアイスゴーレムは、周囲の水蒸気を一瞬で凝結させて氷を作る事が出来る。

 その性質を利用して水や氷の魔法を中心とした攻撃や防御をしてくる。



 簡単に言えば手数のバリエーションが増えているのだ。



 アイスゴーレムは氷の結晶型の壁を3つ空中浮遊させて、それとは別に氷を氷柱のように変形させて何個も同時に飛ばしてくる。

 徐々に減っていくHP。

 だが蓮見は致命傷以外は気にせず躱し続ける。

 HPが残り一割になった時、蓮見は完璧に氷柱を回避し始めることができた。


「悪いな。これを狙っていたんだ」

 スキル『火事場の俊足』により蓮見の移動速度は大幅に向上していた。


「行くぜ! スキル『イーグル』『イーグルアイ』!」

 これにより黄色い点が出現し全長十五メートルのアイスゴーレムの弱点即ちクリティカルヒットポイントの場所がよりハッキリと見えるようになる。それだけでなく地上からは見にくい氷柱の出現ポイントと軌道も見やくなった。


 この状態で今度は氷柱だけを標的にして矢を放つ。

『火事場の速射』の効果でいつもより次射までのタイムラグが少なくなる。

 

『スキル『連続射撃1』を獲得しました』

 これは情報提示板にあった基本的なスキルの一つ。

 敵に囲まれた場合や敵の手数が多いときに、MPを1割消費して10秒間矢の本数を5倍に出来る。どんなに強い相手でも手数で勝負すれば勝てるだろうという判断だ。


 更に2時間。


 MPが溜まると同時にスキル『連続射撃1』を使いながらアイスゴーレムの氷柱攻撃を撃ち落としていると『連続射撃1』が『連続射撃3』まで成長し、MP1割で20秒間矢の本数が5倍になった。

 更に運がいいことに『弓兵の観察眼』のスキルも手に入れた。

 効果は回避性能と射撃性能が1%アップだ。


「良し、スキルも手に入れたしこの辺でいいかな」

 そして最後は全MPを使い豪快に『レクイエム』でクリティカルヒットによる一撃で倒す。


『スキル『見えないふり』を獲得しました』

 蓮見が予期していなかったスキルが手に入った。

 敢えて自分を追い込み、ステータス強化によるクリティカルヒットで敵を倒し続ける為に他のプレイヤ―が中々発見しないようなスキルばかり手に入ってしまうのだ。



 スキル『見えないふり』

 効果:クリティカル発生率と射撃性能『+5』

 効果時間:スキル発動から24時間

 タイムラグ:スキル発動終わりから1時間

 獲得条件:デスペナルティを受けずに一定時間相手の攻撃を見極める。

      かつクリティカルヒットによる一撃で敵を倒す。



「俺ってば、やっぱり天才かもしれん!」

 小さくガッツポーズをしてから、蓮見は魔の森のさらに奥へと足を進める。

 本人にその自覚はない。



 だが、



 ギルドの提示板ではこう噂されていた。


 魔の森には【神眼の弓兵】が出没する。

 その正体はモンスターを全てクリティカルヒット、通称KILLクリティカルヒットもしくはKILLヒットだけで倒すプレイヤー。


 まぁ今日初めて提示板を見だした蓮見には関係ないことではあったが。

 そもそも必要最低限しか見ていないのだ。



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