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-ナオside-
「ナオ!一生のお願い!」
弟は僕の部屋に入ってくるなり
土下座をしながらそう言った
「ど、どうしたのユノ」
「俺になりすまして学校行ってくれよ!!
成績がピンチでこのままだと進級できなくてさ
この中間テストが山場なんだよ〜頼むよ〜」
ユノは助けてほしそうな目で
僕の顔を見ながら言った
「む、無理だよ!
まず、僕がユノになれるはずないじゃん!」
自分で言うのはなんだけど
弟はイケメンで明るくて校内の人気者だ
それに比べ、僕は教室の端の席で静かに暮らす
陰キャの中の陰キャである
「大丈夫!ユノくんに任せなさい!」
そう言うとユノはバタバタと部屋を出ていき
ワックスやアイロンを持って戻ってきた
「ナオは素材は俺と同じで良いんだから!
まぁまずこの無駄に長い
ダサダサな髪の毛をなんとかしようぜ」
「え?!ちょっと待って!」
いきなりの事に戸惑う僕を気にもせず
ユノは僕の髪の毛を切り
慣れた手つきでセットし始めた
そして眼鏡を外しコンタクトに付け替えた
「おし!大分マシになったな!」
そう言ってユノは鏡を僕の前に差し出した