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ホラー作品

目撃者


沢山の人たちが街と街の外を隔てる境目で目の前に広がる焼け野原を呆然と眺めていた。


焼け野原のあちらこちらにはまだ燃えている建造物が残っていて黒煙を吹き上げている。


遠くの方では黒い雲が湧きあがり真っ黒な雨を地上に降らし黒い灰が雪のように舞っていた。


焼け野原になっている場所にはさっきまで、背後にある街と同じような街並みが広がっていたのに。


「香奈枝ー!」


何が起こったか分からず呆然と焼け野原を眺めている人たちの中の1人が、大声で人の名を叫び焼け野原の一方を目指し走り出す。


「敏夫! 美香子!」


「珠江ー!」


焼け野原の向こうに走り出した男の悲痛な叫びで我に返った街の人たちが、同じように愛する人の名を叫び次々と焼け野原の先に向けて走り出した。


スマホに政府から避難指示のメールが着信すると同時に、聞きなれない空襲警報のサイレンが街の中に鳴り響いた直後。


核ミサイルが次々と周りの街に着弾して焼け野原に変えていく様を街の人たちは目の辺りにした。


避難指示や空襲警報が出される前に着弾した最初の核ミサイルによって一瞬で蒸発した彼らは、自分が死んだ事に気がつかず人類が滅亡する過程の目撃者となっていたのである。





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― 新着の感想 ―
[一言] 確かに……。 原爆が投下された先では、亡くなったことに気がついていない方がいると語る、霊能者さんもいますし……。 実際ミサイルのスピードを考えれば、警報が出ても逃げられないだろうなと思います…
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