表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クリームソーダ  作者: S&N
2/2

クリームソーダは、恋の味?

あなたを想うと胸がドキドキする…。

あなたが他の子と喋っていると胸がモヤモヤする…。あなたと一緒にいたい…。これって恋なのかな…?


* * *


「…愛香。あんた、それ絶対恋してるよ。」

「へぇっ!!」

日曜日、午後の昼下がり。久しぶりに部活が休みで、無二の親友、栞と喫茶店でお喋り中。話の内容は、私の心から離れない―三条彼方―のこと。

栞が言うには、私は彼方に恋をしてるみたい。でも、どうゆうことが恋なのかなぁ…。

「愛香もついに恋かぁ〜。しかも、あの三条兄弟の弟くんだとわぁ〜。私は、お兄さんの方が好みだけど〜。」

「えっ!栞って部長が好みなの!?」

彼方は、2人兄弟で2つ上のお兄さんがいる。そのお兄さんは、バスケ部の部長。名前は、三条 空。第一印象は、金髪でチャラチャラしてそうだなぁ〜と思ったけど優しくてチームを誰よりも大切に思っている人なんだとここ数日、見ていて思った。

「カッコいいじゃん。あの、つかみどころがなさそうなところとかー。男女問わず、人気あるよ。」

「へぇーそうなんだ…。」確かに、人気ありそうだなぁ。

「…あぁ、クリームソーダ飲みたい。」

目の前にあるアイスコーヒーを眺め、一気に飲みほす。

「この店にクリームソーダはないよー。愛香ってクリームソーダ好きだっけ?炭酸ダメじゃなかった?」 「クリームソーダは、好きになったんだ。」

クリームソーダは、彼を思い出すから。今、彼に会いたいっていう気持ちも恋なのかな?



* * *



栞と駅で別れ、1人家に向かって歩いている。

暗くなってきたなぁ。早く帰ろう…。

「あっ!!愛香じゃん!」えっ!!この声って…。血が,一気に顔まで上がって来るのが分かる。振り返ると、今一番会いたかった彼、《彼方》がいた。何で、急に!?心臓激しくなってきたし…。

「愛香、買い物帰り?」

彼方ーー!近づいて来る なぁー!!今、絶対顔真っ赤だよ!

「あっ、うん。彼方はどうしたの?」

普通に喋れてるかな?

何で急に意識してるんだ…私。栞が帰りぎわに、『好きなら大胆にアタックだよ!』とか言うから…。

「俺も買い物してきた帰り。そうだっ!愛香、一緒に帰ろう。遅いから送って行くよ。」

「えっ!!」

えぇーー、凄く嬉しいけど…。

「遠慮はなし!俺も、家こっちだから。」

違う。彼方の家は、私と反対側だ…。遠回りになるのに。嘘は彼方の優しさだろうか…?

「あ、ありがとう。」

2人で歩き出してから、無言が続いている。何か話題…。

「か、彼方は誰と出掛けてたの?虹一くんとか?」

虹一とは、彼方の友達で同じバスケ部。一年生なのに凄く長身である。

「いや、茉莉とだよ。」

「え…」

…茉莉ちゃんと?

『何で?』とは、聞けなかった。

「愛香、茉莉にしごかれてない?アイツ…一見冷たい感じだけど本当は良い奴だから。」

「うん…。」

茉莉ちゃんの話をした彼の顔は悲しそうで、そして凄く優しそうだった。



それから会話が続かず、家に着いた。

「わざわざありがとう。」茉莉ちゃんの話をした時の彼の顔を思い出す。

あんな顔初めて見た。私がいつも知っている彼の顔は…。

「どういたしまして。また明日、学校でな。」

彼は、私に笑顔を向けて走り去って行く。彼の笑顔で、ある想いが心に過る。ようやく自分の気持ちにはっきり気がついた。

そうなんだ…私は彼方が、眩しいくらいに笑う彼が好きなんだ…。




クリームソーダは、恋の味?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ