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一章 職業(ジョブ)決めの儀式

 「アグネ、その子達が北からの希望者かい?」

 「あぁ、今回の第2回、北の希望者は8人と人数が少ないが例年とさほど変わらないだろう」

どうやらイケメンさんの本名はアグネというらしい。

イケメンさんこと、アグネさんは、門番らしき人との会話を終えこちらへ向かってくる。

 「許可が出たので、早く馬車を降り、すぐに儀式へ向かいます」

アグネさんの指示でバックを持ち馬車を降りる。

周りを見渡し感動する。

馬車の前には、15メートルを越える壁と足元には門へ続く半径3メートルの鋪装された道。

【ヘルミン】との違いを目の当たりにする。

だが、感動しているものは自分だけではないようだ。

馬車で隣に座っていたスノーも王都を守る高い壁を目の当たりにし、感嘆の声をあげていた。

 「皆着いてきて」

アグネさんに、促され皆より少し遅れて、俺とスノーは歩き出す。

そして、王都の門をくぐったところで、王都の賑やかさを耳にする。

【ヘルミン】にはない屋台や、武器屋、薬屋など見てて飽きないものばかりだ。

商人らしき人たちは、自分の店の商品を売り込んでいる。

 「やっぱり私の村と違って商売が活発で賑やかだわ」

右からの聞き覚えがある声、スノーからの感想に相槌あいづちを打つ。

そしてしばらく歩くうちに大きな建物につく。

 「ここが職業ジョブ決めの儀式を行う場所です!」

思っていたよりも大きな建物に驚きつつ中に入る。

そして、中には大きな部屋に30人ほどの同世代らしき男女とアグネさんと同じ茶色い服で統一された大人4人がいた。

 「では、これから儀式ジョブ決めの儀式を始める」

一際綺麗な服を着た大人が初めの挨拶をする。

周りからは「待ってました!」「やっとこの時が!」などの待ちきれない気持ちを声に出すものが増える。

 「順番は?」

大声ではないが部屋に響く声で疑問の声を上げる一人の女性がいた。

 「いい質問だ、これから東西南北の順番で、儀式を始める。まずは、東で一番先に馬車に乗ったキール君来てください」

そして呼ばれた男が奥の部屋に呼ばれる。

その順番で行くと俺が最後になるが合ってるのかな。

そんな疑問を抱えながら、部屋からでてくる者たちを眺めていると絶望した顔や、顔をキラキラさせたもの、ハイテンンションになって出てくる者など反応の仕方が様々だった。

そして、南が終わりに近づくところで、スノーから不安げな声で話しかけられる。

 「努力した自信はあるけど、いざ儀式直前になると緊張してくるわね」

その言葉を聞き彼女の方をみるが緊張しているのか、剣を強く握り絞めていた。

 「魔法剣士になるために努力したんだろ?今更緊張しても意味はないだろ」

他に心配を取り払う言葉がないので上から目線になってしまった。

 「ありがとう。緊張が取れた気がする」

そしてスノーの順番がくる。

 「行ってくるね」

スノーの次は俺か…………。

なんだか俺も緊張してきた。

そして、すぐにスノーが奥の部屋から出てくる。

その顔には涙を浮かべていた。

その涙は嬉し涙なのか、悲し涙なのか、聞き出せずに儀式の部屋へ向かう。




 「君が最後の子だね?」

 「そうです。ちなみに儀式はどうやってやるのですか?」

 「今からこの水晶に手をかざし、ステータスと声に出せば自分の選択可能職業が出てくる仕組みだよ、その中から自分が選んだ職業を念じてね。自分は外に出るので、終わったら外に出きてくれればいいよ。ちなみに僕の名前はスクリルだよ」

いきなりの質問に丁寧に答えてくれたあと、自己紹介をしてくれた。

そしてスクリルさんは部屋を出ていく。

 「確か、この水晶に手をかざして…………」

 


     「ステータス」


 選択可能職業『農民』『狩人』…………………………

………………『英雄の卵』

見たこともない職業に戸惑い、絞り出した言葉は。

 「戦闘職業………………なのか?」

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