魂の伴侶、それは魂の片割れツインレイ5
【コリアンダーのサロン】
「へー、満月の夜にねー、ロマンチックな話しよねー」
満月の前の3日間は、激しい胸の痛みと共に、魂の共鳴のようなものを感じた、とも書いて有った。
私もそうだった…あの胸の痛みは、そういう事だったのか。
「はい、ヒーリングするわよ。鎧を脱いで」
〈鎧を脱いでベッドに横になるアッサム〉
「楽にしてね」
ここでヒーリングを受けると、気持ち良くて、いつも眠ってしまう。
私は、また夢を見ていた。
それは、起きているような、眠っているような状態で見る夢だ。
【天上界】
〈手を繋いで、雲の上をフワフワ浮くように飛ぶ2人〉
「もう、離れて居るのは嫌」
「ずっと一緒に居ようね」
「ずっと一緒に居たいわ」
【コリアンダーのサロン】
「終わったわよ、アッサム起きて」
「また、あの夢を見ていた」
「中間世の夢?」
「ああ」
魂の伴侶…それは、1つの魂が2つに割れたもの…
魂の片割れ、ツインレイと言う魂。
コリアンダーは、そう言うけれど…
「一度も会った事が無くて、離れているのにお互いのエネルギーを感じているなんて、きっと、シスター・ローズマリーが貴方のツインレイよ」
「え?」
ローズマリーが、宇宙にたった1人の魂伴侶だと言うのか?
「もう一度、師匠の所で良く調べて来るわね」
手紙のやり取りをするようになってから、彼女に惹かれているのは事実だけれど…
〈テーブルで、神託のカードを切るコリアンダー〉
「今日は、2枚引いてみて。何も考えないで直感で引くのよ」
私は、裏向けになっている神託のカードから、コリアンダーの言う通り、直感で2枚引いた。
〈コリアンダーは、カードの表を向けた〉
「永遠のカード。こっちは」
〈もう一枚の表を向けると、アッサムに差し出す〉
また、真実の愛のカードだ…
「真実の愛と永遠のカード。この組み合わせを引くとはね…」
呆れたように、コリアンダーは言った。
「こういうの引くようになったのって、中間世の夢を見るようになってからね」
〈この国で騎士になるには、7才でペイジになり14才頃にエスクワイアになり、20才で正騎士になるのが普通であった。
しかし、近年では、準貴族の身分を持つナイトの家柄に生まれた者は、エスクワイヤになり、18才になると、騎士学校に入って勉強するようになった。
アッサムもまた、騎士学校にて学んだ1人である〉
修道女の修練期は2年。
私が見習い騎士だった期間と1年重なっている。
騎士学校が有る西の村ルールに、修練院が有ったな…
修練期は、外に出る事は許されず、外部との接触は断たれているけれど、近くに居たのだな…
私は、まだ見ぬ彼女に、どんどん惹かれて行った。
【防具屋】
「スケイルメイル出来てますよ」
この前山で倒した、赤いドラゴンの鱗で作った鎧だ。
「どうです?」
「ああ、良く出来ている」
〈入り口から、コリアンダーが顔を出す〉
「あ、ここに居た。早く早くう」
「そんなに慌てて、いったいどうしたと言うのだ」
私は、コリアンダーに急かされギルドに戻った。
【ギルド・レ・シルフィード】
「あ、マスター。早く早く」
???
皆んなで何かを囲んでいる。
「もうすぐですよ」
「頑張れ」
ワイバーンの卵だ。
ヒビが入っている。
少しずつ中から、殻を破って出て来ようとしているようだ。
「頭が見えた」
「手伝ってあげちゃ、いけないの?」
「ダメダメ。自分で頑張らないと」
「タイムったら、意外と厳しいのね」
「自分で殻を破って出て来れないようじゃ、生き残れないからね」
「うわーっ、出て来た」
「カワイーイ」
ワイバーンには緑と赤が居るが、生まれたのは赤いワイバーンだ。
「タイムさん。名前は決めて有るんですか?」
「マスターの馬みたいに、女神の名前にしようかな?」
「こいつ雌か?じゃあ、卵産むな。沢山産んだら食っても良いよな」
バジルはまた卵を食べる事を考えている。
「こんなに小さいのに、雄か雌かわかるの?」
「もう少ししたら、わかるよ」
「あ、立ち上がった」
「キャーかわいい」
〈ヨチヨチ歩きでタイムに近づくワイバーンの子をタイムが抱く〉
「わー、タイムの事親だと思ってるのかしらね」
数日後、私は、騎士団に顔を出した。
【騎士団】
あの北の国境に遠征に行っていた騎士達も帰って来ていた。
私は、ルバーブと一緒に、新聞記者のチコリから取材を受けている。
「ルバーブさんがドラゴンと戦ったんですか?」
「いやいや、私は援護しただけで、戦ったのはアッサムだよ」
「いや、ルバーブが居なければ倒せなかった」
国境での夜襲の事を新聞に載せると、国民の不安をあおるので、話さない方が良いだろう。
「もうすぐ収穫祭ですね」
「ああ、我々騎士団は警備にあたる」
それからギルドの話しなどをすると、チコリはギルドまでついて来た。
【ギルド・レ・シルフィード】
「早速ですが、ワイバーンの子を見せて頂けますかね」
「良いよ。少し大きくなってきたからね」
そう言うと、タイムはワイバーンの子を抱いて来た。
「ほほう、ワイバーンて、子供の時はこんなに可愛い姿をしてるんですね、ハハア」
ワイバーンの子を見ていると、皆んなつい笑顔になる。
「それで、名前は何と言うんですか?」
「女の子だから、ルナにしたんだぁ」
〈ミントが来る〉
「皆さん。今日の依頼は葡萄の収穫の手伝いですよー」
「ルナはまだ目が離せないから、僕は留守番」
「私とコリアンダーさんは収穫のお手伝いで、マスターとバジルは警護をお願いします」
葡萄畑のそばは魔物が出るという事で、警護が必要だそうだが…
【南門】
「ギルド・レ・シルフィードのメンバーです。通して下さい」
今日の指揮官は、ミントのようだ。
行き先も、まだ聞いていなかった。
「どうぞお通り下さい」
「開門!」
【丘の上の葡萄畑】
〈葡萄を収穫するシスターの姿〉
ここは…
「ここは、修道院の葡萄畑です。男子禁制ですからね、マスター達は畑の周りの魔物を退治してて下さい」
「アッサム。ここに居るんでしょう?彼女」
〈1人の修道女が近づいて来る〉
「お手伝いありがとうございます」
「いえいえ」
「騎士様は、私達をモンスターからお守り下さるのですね」
「俺も居るぜ」
「シスターは、男性とお喋りしちゃいけないんでしょ?」
「それは、この国では修練期までです。正式にシスターになれば、お話しぐらいしましすよ。私達だって」
「そうなんですかー」
〈少し離れた高台に、修道院が見える。修道院を見ているアッサム〉
「申し遅れました。私、フェンネルと申します。今日は宜しくお願いしますね」
〈葡萄畑では、シスター達と一緒に、コリアンダーとミントが葡萄を収穫している。畑の外では、アッサムとバジルが魔物と戦っている〉
ここに居るはずだ。
〈修道院を見るアッサム〉
【修道院】
〈修道院の中を掃除している1人のシスターが居る〉
(あの方のエネルギーを、強く感じる…今日、来ているはずだわ)
【葡萄畑】
「ねえねえ、シスター・フェンネル。ここの修道院に、ローズマリーさん、て言うシスター居る?」
「ええ、居ますよ」
「今日は、どうしてるの?」
「今日は、ローズマリーは、修道院の中で別の仕事をしてるんです」
「そうなんだ…」
〈修道院を見るコリアンダー〉
(残念だわ…)
「収穫終わりました。マスター達。運ぶの手伝って下さーい」
私達は、収穫した葡萄を修道院まで運んだ。
【修道院】
「これで全部だな。あ、葡萄が落ちてる」
〈ふさから離れた葡萄を口に入れるバジル〉
「もう、バジルったら」
荷を下ろして帰ろうとした時、向こうの方を、1人の修道女が通りかかった。
私の心臓は、激しく打った。
彼女がこちらを見た時、一瞬時が止まったようになった。
姿を見たのは初めてだが、私にはわかった。
彼女がローズマリーだ。
そこに居る。
確かにそこに居るのに…
言葉を交わす事も無く、彼女は行ってしまった。
なんとももどかしかった。
しかし、私の魂はこう言った。
「やっと会えたね」
魂は、3000年ぶりの再会を喜んでいるようだった。
やはり彼女が私の魂の伴侶、ツインレイなのだと、この時確信した。
【修道院の一室】
〈忙しく仕事をするローズマリー〉
(涙が…溢れて来る…アッサム。貴方なのね)
(やっと…会えた…必ず見つけると約束してくれたのは貴方よ。それなのに、見つけたのは私)
(星のカーニバルの日、新聞で貴方の肖像画を見た時、私の魂の声が言ったの「この人よ」って)
(私ね、時々フワフワと雲の上で浮かんでいた時の事を思い出すのよ)
(貴方と手を繋いで浮かんでいるの)
(アッサム…泣いているのね)
(貴方のエネルギーが泣いているわ)
【アッサムの屋敷】
涙が…勝手に溢れて来る…
泣きたくないのに、勝手に…
魂が泣いている。
何故今迄会えなかったのだろうと…
何故3000年もの長い間、私達は巡り会う事が出来なかったのだろうと、魂が泣く。