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魂の伴侶、それは魂の片割れツインレイ22

【ソネットの村】


ここは、神官の一族だけが暮らすソネットの村だ。


「バジルが食べてばっかりいるから、遅くなっちゃったじゃない」


「もう、晩飯の時間だな」


「呆れた」


バジルの胃袋は、本当に牛並みだ。


【大神官の屋敷】


「良くいらっしゃいました」


「遅くなってすまぬ」


「大神官様をお呼びして参りますので、こちらの部屋でお待ち下さい」


【応接間】


応接間に通されて暫くすると、白く長い髭を蓄えた老人が現れた。


この方が大神官だ。


「お待たせした。早速本題に入りたいのじゃが、宜しいか?」


「どうぞ」


「実は、神殿の扉を開けるオーブが盗まれてしまったのじゃ」


神殿の扉を開くには、5つのオーブをはめ込むようになっていると言う。


何百年も前から、この村に住む神官達が、神殿を守り続けているのだ。


「若い神官が様子を見に行ったのじゃが、扉が開かれ、結界が破られておった」


「それじゃあ、魔物の巣になってるかも?」


「そうなのじゃ。ワシらだけでは近づけん」


いったい誰が、何の目的で神殿の結界を破ったのだか…


「封印の間の扉を開けられては、大変な事になる」


神殿の入り口は、この村の奥の山に有る。


今夜はこの屋敷に泊めてもらい、明日の早朝神殿に向かう事になった。


【屋敷の玄関】


翌朝、大神官の屋敷の玄関を出ると、同行する2人の神官が待っていた。


私とタイムは、呼び笛でルミストラルとルナを呼んだ。


「ガォー」


「ガゥー」


〈空を旋回して2頭の飛竜が舞い降りて来た。風圧で神官の髪や衣が音を立ててなびく〉


「わ、わわわ」


「りゅ、竜?」


「大丈夫ですよ。僕達の仲間ですから」


「腰が抜けちまったか?」


バジルが助け起こしている。


「待ってくれ、ワシも行く」


「爺さんも行くのか?」


「もしも、あれが持ち出されでもしたら…」


「あれって何だよ?」


「あれが持ち出されたら、大変な事になる」


馬では山道に入れないと言うので、仕方なくミューズを預けて行く事にした。


「ヒヒーン」


「ガゥガゥ」


「ガォガォ」



【神殿の山】


「ほらよ、爺さん。俺がおぶってやる」


「すまんな」


「へー、バジルったら、良いとこ有るじゃない」


「バジルは、お年寄りに優しいんだよね」


「アッサムは、女性なら誰にでも優しいのよね?」


「騎士道なのだから仕方がない」


そんな話しをしているうちに、神殿に辿り着いた。


【神殿の扉】


「ここにオーブをはめ込むのね」


「扉を開けたら、オーブははめ込んだままだと思ってた」


「一つ一つが、中の扉を開く鍵になっておるのじゃ」


【神殿の中】


中に入ると、やはり魔物の気配がした。


「神殿に忍び込んで、どうする気なんだろう?」


大昔儀式に使った道具でも保管されているのだろうが、そんな物を盗んでも、売れば足がつくだろう。


「うちの店に来る人から聞いたんだけど、サラバンドの盗賊団が入り込んでいると言う噂が有るのよ」


「サラバンドの?」


それなら話しは別だ。


国外に持ち出して売り捌くなら…


いや、サラバンドの事だ、何やら嫌な予感がする。


それにしても、大神官の「あれ」と言う言葉が気にかかるが…


先へ進むと、1つ目の扉が開かれていた。


「オーブが抜き取られてます」


「先を急ぐのじゃ」


奥へ行くにつれて、魔物の数が多くなってきた。


私とバジルは、神官達を守りながら戦った。


それでも、多数の魔物を相手にすると、守りが甘くなる。


「うわあ!」


「助けてくれ」


魔物が神官達に襲いかかる。


「ガゥー!」


ルナが怒った。


「ガゥー!」


怒ったルナが、炎のブレスで魔物達を焼き払う。


「ルナ、そのぐらいにしておけ」


「良い子だねルナ。もう大丈夫だよ、落ち着いて」


「ガゥガゥ」


タイムがルナを宥めている。


あの塔での老竜との戦いの時のように暴れられては敵わんからな。


この通路では、我々まで黒焦げになってしまう。



「爺さん大丈夫か?」


「ああ、この赤い竜が助けてくれた」


「ガゥガゥ、ガゥー」


「何と言っておるのじゃ?」


「赤い竜じゃなくて、ルナ、って言ってます」


たぶん…な…


「おお、そうか。これは失礼したのう」


「か、可愛いね」


ミストラルを怖がっていた神官も、ルナは可愛いようだ。


「ガゥガゥ」


「ガォー」


ミストラルが前を進み始めた。


私とバジルは、神官達を守りながら進む。


ルナは、後ろを警戒している。


2つ目の扉も開かれ、オーブが抜き取られている。


【サラバンド軍 司令官室】


「失礼致します」


「入れ」


「ディル様、報告に上がりました」


「それで、どうだ?」


「はい、順調に解読が進んでいるようです」


「そうか、こちらも予定通り連合軍と行動を共にする」


【神殿】


そして、3つ目の扉も開かれオーブが抜き取られていた。


この辺りから魔物の骨が散らばっている。


盗賊が、バジルのように焼いて食べたのだろうか?


それとも…


【アルマンドの町】


「西の空から黒い雲が来るぞ」


「急な雨になりそうね」


〈黒い雲はだんだんと近づき、アルマンドを覆い尽くした〉


【修道院】


「嫌な空だわ」


「光った、雷」


「ただの雷雨ではないみたい」


「ローズマリーったら、またおかしな事を言うのね」


「嫌な予感がするの」


(今迄に見た事も無い、怖いような空だわ)


「ミャー」


「アルテミスが怯えている」


〈アルテミスは耳を後ろに寝かせて、ベッドの下に隠れる〉


「雨が激しくなってきたわね」


〈物凄まじい雷に、身を寄せて怖がるローズマリーとフェンネル〉


(一面に黒い雲…まるで空が低くなったよう…)


(こんな時にはそばに居てほしい…でも、もう会ってはいけないの)



【神殿】


4つ目の扉が見えてきた。


「ここも開けられています」


オーブが抜き取られている。


途中の部屋に保管されていた物を確認する。


「やはり、盗まれてます」


「儀式に使う燭台などが有りません」


「やっぱり、サラバンドの盗賊団かしら?」


「奥へ急ぐのじゃ」


「次が最後の扉ね」


【アルマンドの町】


〈空は薄気味悪い黒い雲。激しい雷雨〉


「昼間だと言うのに、夜みたいに暗いな」


「雷が落ちたわよ!」


〈城や付近の民家から煙が上がっている〉


「火事?」


「火事だ!」


〈武具屋からオレガノが出て来て、道具屋に入る〉


【道具屋】


「カモミールおばさん!セージ!大丈夫か?」


「うちは大丈夫だよ」


「町のあちこちに雷が落ちて、火が出てるんだ」


「おや、それは大変だね」


「俺は、火を消すのを手伝って来る」


「待って~、このポンプを持って行ってよ。これでお堀の水を汲み上げられるよ~」


「セージの発明品か?」


「そうだよ~、自動汲み上げポンプ」


「こいつは良いな」


【神殿】


奥に進むと、これが5つ目の扉だ。


これで5つ全ての扉が開かれ、オーブが抜き取られている。


「この奥が、儀式の間じゃ」


「ガォー」


ミストラルが何かを感じ取っているようだ。


奥に何か居る。


「どうしたの?ミストラル」


「ガォー」


「急ぎましょう」


「貴方方は、後ろに。ルナ、後ろを守れ」


「ガゥガゥ」


【アルマンドの町】


〈民家が燃えている。町の人達はバケツリレーで火を消している。オレガノは自動汲み上げポンプを設置して走る〉


「どいてくれ!これで放水する!」


【修道院】


「お城の方から、煙が上がってるわよ」


「火が見える…火事かしら?」


(あの人は大丈夫なの?ギルドの人達は?)


(あ…あの人のエネルギーが、ピリピリしてる…また戦っているのだわ。町には居ないのね、きっと)


【アルマンドの町】


「ここは、もう少しで鎮火するぞ!」


「皆んな頑張れ!」



【儀式の間】


入り口から中を見ると、生き物の肉片が散らばっている。


「儀式の間が荒らされています」


「下がって、奥に何か居る」


「あわわわ」


「今日の魔獣は何だ?」


「もう何が出ても驚かないわよ」


バジルには、どんなモンスターもご馳走になるのだろうが…


「貴方達は、いったい、いつもどんな魔物と戦っているのですか?」


「あんなんだよ」


「ほーら、お出ましだ」


「り、りゅ、竜?」


「ミストラル達を見た時も、驚いてたけど」


「あれは、ば、化け物だ」


「あー、ルナちゃん達みたいに可愛くはないわね」


「待ってろよ、食ってやるからな」


やはりか…


黒い竜が近づいて来る。


「く、首、首が」


双頭の竜だ。


「キーン!」


「うわー!頭が痛くなる」


黒竜の咆哮に、神官達は耳を塞ぐ。


「ガォー!」


ミストラルが風を纏う。


「うわっ、わっ」


「このぐらいで驚いてたんじゃ、先が思いやられるぜ」


黒竜が地響きを起こす。


「あ、たたた」


「神殿を壊さんでくれよ」


それは無理な相談だ。


「後で修復すれば良いだろ」


ミストラルが舞い上がった。


「ガォー!」


「ガゥー!」


ルナが、前に出て神官達を守っている。


ミストラルは、右に左に飛行して様子を伺っている。


ミストラルの動きに合わせて、黒竜の2つの首が動く。


「下が甘いぞ」


「おう、行くぜ」


バジルは、黒竜の後ろに回った。


「爺さん!奥の扉の鍵が開いてるぞ」


「何じゃと?!そこは、封印の間じゃ」


「絡繰りが破られたのでしょうか?」


「もしや、あれが持ち出されたのでは有るまいな」


「後で調べれば良いだろ」


「あれ、って、何?」


「私達にもわかりません」


「代々の大神官様しかご存知ないのです」


「何だか知らねえけど」


「後でゆっくり聞くとしよう。まずはこいつを倒す!行くぞバジル!」


「おう!」



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