魂の伴侶、それは魂の片割れツインレイ14
【ギルドの魔獣の小屋】
〈自動餌やり機から燻された餌が出て来る。餌を食べる2頭の飛竜〉
「ガゥー」
「ガォー」
「どんどん食え。食って食って、でっかくなるんだぞ」
「アハハ、バジルったら」
「ルナもだいぶ大きくなってきたよね」
「そうですね、赤ちゃんぽさがなくなってきましたね」
それでも皆んな、可愛いルナの姿を見ると、つい顔が緩んでしまう。
中々の美人だからな、うちのプリンセスは。
「ガゥー」
「ねえ、ルナちゃんて、本当にワイバーンなの?育ってきたら、ワイバーンより立派な気がするけど…?」
「僕もそう思う」
「雌のワイバーンが卵を守ってたから、ワイバーンの卵だとばかり思ってたけど」
「もしかしたら、他の飛竜と交わって出来た子かも知れんな」
「皆さん、こちらでしたか」
「あら、チコリさん。お久しぶりです」
「チコリ、良い所に来た。ワイバーンの絵を持っておらんか?」
「持ってますよ。ああ、ルナちゃん。だいぶ大きくなりましたね」
〈可愛いルナを見てニコニコのチコリ〉
「えーっと、ワイバーン、ワイバーン…有った。これです」
「やっぱりルナちゃんと違うわね」
「そうですね。翼の形も違うし」
「どれどれ…」
〈ルナとワイバーンの絵を見比べる〉
「うーん、確かに…待って下さいよ…これも、これも…これも違うな…私の知っている限りでは、似たような飛竜は居ませんね」
「ルナはまだ4カ月だ。ワイバーンの子にしては大きい」
「そうよね…」
「ただの食い過ぎじゃねえのか?」
「もう!貴方じゃないんだから!」
「ガゥー」
「怒られた」
「ガゥガゥ」
〈バジルを慰めるルナ。肉を食べるミストラル〉
「ミストラル。食べてばっかりいると、バジルみたいになるよ」
「ガォー!」
「嫌だって、ハハハ」
「嫌よね」
「そりゃないだろ」
「ガォガォ」
【武具屋】
〈工房でトンカンと音がする。鋼を細工するオレガノ〉
「もう少しで、出来るぞ」
(待っててくれよ…戦いにはついて行けないけどな…これで少しでも衝撃が和らげられれば…)
(俺だって、ギルドの一員なんだから…自分に出来る事でサポートさせてもらうよ)
【ギルド・レ・シルフィード】
「出来たよ~肉焼き機改良版」
「おお!待ってたぜ、って、そのネーミング何とかならないのか?肉焼き機に乾燥装置、自動餌やり機…全部まんまじゃねえか」
「そういうの考えるの苦手で…適当に名前つけてよ」
「肉焼き機は…肉焼き機…でしょう」
「ねえ?」
「まあ、名前は別として、最近の発明品は割と使えてる方よね。前のは酷かったけど…」
「アハハ、これでも兄さん頑張ってるんだよ~」
「皆さーん。今日は国からの依頼で、東の塔のモンスター討伐ですよ」
「良し、行くか」
「途中で湖の魚が食えるから、俺も行くぜ」
「塔にはアンデッドが居るから、私も行くわ」
確か、ギルドに入ったので、どこへでもついて行くと言っていたな。
どうせ、アンデッドが居なくてもついて来るのだろう。
「僕も、ルナを連れて行こうと思うんだけど」
「良いだろう。危ない時は私が守ってやる」
「俺もだ」
「あ、そうだ~オレガノさんが、出かける前に寄って、って言ってたよ~」
「じゃあ、ルナを連れて行くから、先に行ってて」
【武器屋】
「やあ、来たね。待ってたよ。バジル、ちょっと運んでくれないかな」
「おう、任せとけ」
〈オレガノとバジルは、奥から大きな冠を運んで来る〉
「何?その大きな…ティアラ?」
「これは、ルナちゃんのだよ」
「レディ・ルナ、だな」
「大人の竜になったら、もっと大きいのを作らないとな」
「もう、来ているだろう」
「バジル。外まで運んでくれるかい?」
「おう」
【城下町の大通り】
〈ルナを連れて歩くタイム。ミストラルは大きいので空を飛んでいる〉
「ルナ、ミストラル、町の人を脅かしちゃダメだよ」
「ガゥガゥ」
「ガォガォ」
「あら、可愛い飛竜だね」
「ガゥ」
「アハハ、どうも。可愛いですか?これで怒ったら手がつけられないんですよ」
(ミストラルも、通りを歩こうと思えば歩けるんだけど…あの子はお利口だから、自分で考えて行動するんだよね)
【武器屋の前】
〈ドアを開けるタイム〉
「うちのギルドの皆んな、居ますか?」
「おお、来たね」
〈皆んなで店の外に出る〉
「ミストラルも、行くって聞かなくて」
「ガォー」
「良い良い。連れて行こう」
「ルナちゃん。これをつけるから、大人しくしてるんだよ」
「ガゥ」
〈オレガノは、ルナの頭にティアラをつける〉
「竜は、頭が弱点だからな」
「そう聞いたんでね…これで衝撃を和らげる事が出来ると思うよ」
「ガゥー」
「ガォー」
「今度は、ミストラル君の番だ。大人しくしてろよ」
〈頭を低くするミストラル。オレガノはミストラルの腕に乗り頭に冠をつける〉
「これで良し」
「ガォー」
〈ミストラルは、そっとオレガノを下ろす〉
「気に入ったかい?」
「ガォー」
「ガゥー」
「コリアンダー!」
「あ、お母さん」
「薬、多めに持って行きなさいよ、ほら」
「ありがとう」
「俺が持ってやるよ」
「あら、ありがとうバジル」
【東門】
「通してくれ」
「ナイト・アッサムとレ・シルフィードの皆さん」
「どうぞお通り下さい。開門!」
「ありがとう」
「お気をつけて」
「ガゥガゥ」
【東門の外】
東門を出て丘を東に下れば湖に出る。
湖の北の山を越えれば、塔が見えてくる。
雪の季節は、魔物の種類も違っている。
火が弱点の魔物が多いので、ルナの炎のブレスで簡単に倒して湖まで出た。
【湖】
「腹へってきたから、一休みしようぜ」
そろそろ、バジルがそう言い出す頃だと思っていた。
襲いかかる巨大魚を次々と倒すと、バジルは肉焼き機にセットした。
「少しは早く焼けるようになったけど、腹減って待てないぞ」
「ガゥー!」
ルナが炎を吹いた。
「わっ」
「あら、上手く焼けてるわね」
本当に見事に焼けている。
「おお!ルナちゃん!早くやってよー」
「ガゥガゥー」
「ルナちゃんが一緒の時は、肉焼き機いらないわね」
セージが一生懸命改良したで有ろう肉焼き機改良版だが…
「新しい肉焼き機、重いだけだったね」
ルナの炎のブレスの前には出る幕が無かったな。
「まあ、お兄ちゃんの発明品なんて、こんなもんよ」
【セージの工房】
「ハーハー、ハクション。くー寒い」
(外は雪だもんな…)
【山】
この山は、北の山ほど高くはないので、越えるのはそれほど大変ではないが…
「足元気をつけろ、滑るぞ」
「大丈夫よ…キャッ」
〈滑ってバジルの胸にドン!とぶつかる〉
「おっと」
〈コリアンダーの肩を掴まえるバジル〉
「熊かと思ったわ」
「誰がじゃ!」
「ガゥー!」
ルナの炎のブレスで、雪が解け道が出来た。
「やるな、ルナ」
「ちょっとぬかるんでるけど…」
「ヒヒーン」
ルナのおかげで、思ったより楽に山を越えられた。
ここから北に向かう。
「塔が見えてきたね」
「ガゥガゥ」
「ガォガォ」
吹雪が一層激しくなってきた。
この辺りで休むより、塔の中に入ってしまった方が良いだろう。
【塔の1階】
「寒かった…この中の方がましね」
「食えば暖まるぜ」
〈食料を出すバジル〉
「ありゃ」
〈魚で魚を叩くと、コツコツと音がする〉
「冷凍になってる」
「ガゥー」
「うわっ、ルナ、ルナ。いきなり炎を吹くな、危ないだろ」
「ガゥガゥー」
「ゴメン、ゴメンって言ってるよ」
「だが、しかし!見事に解凍出来てるぞ。おお、美味い」
「ガゥガゥ」
ここで少し休んで、奥の階段を上るとしよう。
「あ、本当美味しいわ」
「ルナ、偉いぞ。良い子良い子」
「ガゥガゥ」
塔の奥に進むと、魔物が現れた。
やはり、アンデッドが多い。
「食えそうなのは、居ねえな」
「今食べたばかりだが」
「そうだけどさ」
アンデッドには、コリアンダーのお札が効く。
バジルも気を練ってぶつける。
階段を、上へと進む。
上の階へ行くにつれて、ミストラルが落ち着かない。
何か感じているようだ。
やはり、居るのだろうか…
雪の季節になると、この塔に白竜がやって来ると言う噂を聞くが…
【最上階】
最上階に出ると、他の階より寒く感じた。
「ガォー」
「どうしたの?ミストラル」
「ガォーガォー」
やはり何か感じているようだ。
もうこの階には、アンデッド以外魔物は居ない。
生きたモンスターは、全て食べられてしまったかのように…
ミストラルが我々の前を歩き始めた。
それはまるで…
「ミストラル…僕達を守ってくれてるの?」
そう、自分が守ると言わんばかりに…
奥の扉の向こうに何か居る。
【修道院】
〈祭壇の前1人祈るローズマリー〉
(あの人のエネルギーが変わった…神様、どうかアッサムをお守り下さい)
「ローズマリー、いつまでお祈りしてるの?」
「もう少し」
「また寝ないで祈るつもり?」
「祈らずにいられないの」
【塔の最上階 奥の扉】
その扉の中に入ると、急に吹雪で視界が悪くなった。
「天井が有るのに、どうして吹雪?」
前に出ようとするコリアンダーの服をミューズが噛んで引っ張る。
「油断するな、何か居るぞ」
「まさか、噂の白い竜?」
「ああ、そのようだ」
羽ばたく音が聞こえてくる。
こちらに気づいたようだ。
ミストラルが風を纏った。
迎え撃つつもりか。
奴の羽ばたく音が近づいて来る。
猛吹雪で凍えそうだ。
これでは外の方がましか。
「うー、寒い。凍死しそうだわ」
「ガゥガゥ」
ルナが自分の体温を上げて、私達を温めてくれる。
「わー暖かい。ありがとうルナちゃん」
「ガゥ」
微かに姿が見えてきた。
やはり白竜か。
ミストラルが舞い上がった。




