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1:火災断定

火災断定ボタンは押しちゃダメ

――火災発生 火災発生


けたたましいサイレンと共に防災受信盤が火災断定を告げる


「初期消火班は現場確認及び、初期消火に当れ!」


センター長の指示が飛ぶ。


私谷山、完全にフリーズ。頭真っ白です。火災断定? 訓練ですか!?


「おい、谷山、お前初期消火班だろ! 警備と一緒に現場言って来い!」


「は、はい!」



大学生の新卒チャンスを就職活動をうだうだと楽観的にやっていた俺は、見事に失敗。


面接での「貴方の趣味を教えて下さい」


俺の趣味? ボタンを押して7を揃える競技と、卓を囲んで牌をジャラジャラする事です。なんて、言えるはずがない。


「マジ!? 何の機種打ってるの? あのぺカッと光るの最高だよね」


なんて逆に面接官が乗ってくるのもいや過ぎる。


就活用に趣味を作るってのもどうかと思うが、付け焼刃で三国志の漫画を読んで三国志が好きで! と答えたら、面接官がまさかの三国志マニアで、三国志演義と三国志の違いを突っ込まれ、にわかがばれて撃沈。


特にやりたい職種も固まらない為、志望動機もあやふや。


企業研究もボロボロ。


「今までの就職活動を教えてください」


「業種がバラバラですね」


くそ! そんなルールあんのか!! グループ面接でドヤ顔で同じ業界の会社の2次試験受かりました。だの、内定いただいてますだの、仕舞には皆、御社のここが優れているので是非入りたいだの媚びやがる。


しかも面接官の印象いいじゃねーか……


もう1から業界絞る時間なんてないよう……


説明会なんてもうやってなし。詰んだー



こうして、谷山氏は厳しい就活戦争の渦に飲み込まれながらも卒業ギリギリの所でビル管理会社に入社が決まったのだった。


ビル管業界は、資格を有する仕事や管理があるため、一度取得してしまえば、条件のいい会社の乗り換えるという具合に離職率が高い。人不足の所に滑り込んだのだった。


「谷山君、危険物乙4と、ボイラーの資格必要だから勉強しといて。今ボイラー付いてるビル少ないけど、一応取っといて」


「は、はい!」


「あと、日曜日に講習あるから受けてね。最終的にはビル管理士の資格も目指して頑張ろう。あ、うちマンションの物件もあるから、マンション管理の資格も余裕があったら見ておいて」


「あ、え、はいぃ」


社会人になってからの方が勉強が大変なんだなと実感する瞬間だった。



頭悪い俺には大変過ぎるよ……





なんやかんやで3ヶ月


新卒で入社した谷山君に初めて聴く発報音が響いた。




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