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え!?ドラ○もん??

グラスの復帰と報酬。そして旅は端折りました。

「そして謝礼の方ですが、テル様達は旅をしていると聞いたので、馬車でも使用できる、冬用の装備一式をご用意しました。あと、小額ですがお金もご用意しました。そしてこれは、私個人からなのですが、実家が王都で宿屋をしております。ランクは中級ですので、利用し易いかと。」

「そんなに頂いてしまって、良いんでしょうか?皆さんも冬を越すために備蓄が必要でしょう?」

「いえいえ。せめてもの御礼です。」

「分かりました。あんまり断るのも失礼ですしね。有り難く頂きます。」

「それでは、宿屋に預けておきますので。」


 話が一段落したので、村守さん達は席を立った。そしてもう一度俺達に頭を下げて、部屋を出ていった。


「ふぅ。なんだか一杯話したから、疲れちゃったよ。」

「そうだな。話が意外と長かったよなぁ。なんだかんだで、2時間くらいかかな。」

「そうですね。病み上がりとしては大変でしたね。途中で眠りそうでした。」

「そして、なぜか王都の宿屋と縁があるよなぁ。」

「本当になw普通あり得ないぞw」


 人族の国では、ギルド職員のクレーさんの実家だったしなぁ。あんまり泊まらなかったけど。


「この後どうする?俺的には、グラスが完全に治るまでここにいても良いんだが。」

「私は、早く王都に移動したいですね。滅多にありませんが、国の北部でも道が凍るんです。道は草が生えていますから、滑ってしまって、溶けるまでは移動できなくなるんです。」

「それなら、ちょっとグラスには無理をしてもらってでも、先に進もうか。」

「俺もそれでいいぞ。馬車の中でも、休めるからな。」

「じゃぁ、俺達は帰るよ。また明日の朝、迎えに来るな。」


 ギルドでギルド証を更新した俺達は、宿へと帰って、村守さんからのプレゼントを確認した。中身は、火の魔法結晶を入れて暖をとる小型の火鉢と、中サイズの魔法結晶が10個。御者用のコートと手袋。厚手の毛布と、窓の結露を防止する薬草の汁だ。


 宿の人に聞くと、中サイズの魔法結晶1つで、火鉢の回り4mを3日間も温められるらしい。火鉢に付与がかけられているので、風の影響を受けずに暖かさが届くそうだ。さすが魔法世界。なんでもありだ。


 お金の方もちゃんと振り込まれていた。ウラガに換金してもらった、これまで倒した魔獣の盗伐報酬と合わせて、金貨2枚と銀貨64枚になった。日本円だと264万だ。これを、4で割る。グラスにとっては、初給料だな。


 俺は、グラスに快気祝いに何か送ろうと思っていた。


「グラスに何かプレゼントしたんだ。」


 おっと。俺が考えていた事を、ウラガから提案してきた。もちろん俺は賛成だ。


「いいな。ウラガは何送るか考えたのか?」

「グラスの戦い方見てたら、やっぱり剣は駄目だな。才能が無いわけじゃないけど、身体に馴染んでいかない感じがする。だから、体術が使える装備にしようかと。」

「そうだな。グラスにはそれが良いだろうな。グラスの夢を叶えるためにも、これからもっと強くならなきゃだしな。」

「そうと決まれば、さっそく買いに行こうぜ。」


 いつになくウラガははしゃいでいる。これはもう確定だろうなぁ。Web小説だと転生者がモテモテハーレムになるんだけどなぁ。いつになる事やら。


「へいらっしゃい!兄さん達、今は活きのいい武器や装備が入ってるよ!」


 魚屋の呼び込みの様なうたい文句だ。活きのいい武器ってなんだよ。


「女性で、体術を専門に戦うための装備を見に来たんですが。」

「女性でかい?珍しいが、取り扱ってるよ。うーーん。この3つくらいかな。」


 そこの受け答えは普通だ。魚屋さん喋りはどうなった?


 机に出されたのは、2つは手の先に爪がついた装備一式で、グラスの爪の邪魔になるので却下した。そしてもう1つも、鉄製の貧弱そうな代物だ。


「なぁ。テル。」


 ウラガもあまり乗り気ではないようだ。やっぱり良いものを送りたいのだろう。


「すみませんが、あまりピンとくる物がありませんでした。今回はやめときます。」

「そうかい。そりゃ残念だ。他にいる物あるか?」

「いえ。有難うございました。」


 俺達は武器屋から出て、歩きながら話し合う。


「あんまり良くなかったな。」

「そうだな。グラスには悪いが、王都まで待ってもらった方が良いか。」

「王都に行けば、最悪オーダーメイドもできるだろう。幸い、金はあるからなw」


 と言うわけで、俺達は買い物を早々に終えて、宿へ戻った。夕食までの時間を修行に費やして、その日は早々に眠った。


「それじゃあ行きますか!」


 グラスをギルドまで迎えに行ってから、俺達は馬車で村から出ようとした。門のところでは、村守さんが手を振ってくれていたので、俺達も会釈や手を振って応えた。気持ちの良い旅立ちになった。


「グラス。ウラガの提案で、今回頑張ったグラスに快気祝いも込めて、俺達からプレゼントを用意しようと思うんだ。」

「え!最終的にはテルさんが倒して下さったのに。私だけ物を貰うのは・・・」

「でも村守さん達を守っただろう?今回のMVPは、やっぱりグラスだよ。」

「MVP??」

「あーー。一番活躍した人って意味だよ。それで、やっぱりグラスには体術が良いと思って、武器屋に行ったんだけど。」

「え!装備を頂けるんですか!?」

「待って待って。用意しようと思ったんだけど、いいのが無かったんだよ。下手な物だと、グラスが怪我するからね。だから王都まで待ってほしいんだ。」

「そうだったんですね。では楽しみに待っている事にします。テルさん、ウラガさん、有難うございます!」


 きちんとグラスに説明して、了承を貰った。そして、初給料が振り込まれている事も、伝える。グラスはその金額に驚いていた。一応、チームとしての費用も含めて、4で割る事を伝えたが、やっぱり嬉しそうに、満面の笑みだった。


 街を抜けてからは、予想通りサトウキビ畑が広がっていた。御存じだろうか?サトウキビの収穫時期は、実は冬なのだ。冬の間に糖分を蓄える。だから今は、立派な葉っぱの上に、ススキのような花が咲いている。これが出始めると、当分を貯めはじめた合図になるのだ。


 サトウキビは背が高いので、馬車の背を完全に越えている。しかも前世より大きいのか、穂先を含めると、3m近くあるかもしれない。おかげで、街道は緑の壁に覆われた状態だ。


「見通しが悪いな。一応、【鷹の目2】と【周辺把握2】で警戒するけど、気を付けてくれ。」


 俺は御者台で、ウラガと共に警戒にあたる。グラスは馬車の中で、横になっている。


 ちなみに、馬車の周りは本当に暖かく、火鉢と火の魔法結晶の効果が効いている。まるで春の様な気温だ。試しに馬車の前方に走って行ったが、馬子から数歩先にいくと、急激に温度が下がった。およそ5度ちょいくらいだろう。めちゃくちゃ寒い。俺は急いで、御者台に駆け戻った。


 魔獣にも何度か襲われた。冬になった事で、虫の活動が一気に減ったのか、出てきたのはオオカミの魔獣と、久しぶりのゴブリンだ。ゴブリン達は、オオカミ対策なのか、皆長いやりを持っているの。接近戦は愚策なので、氷のナイフで仕留めていく。相変わらず、ゴブリンは簡単に盗伐できた。


 そんなこんなで特にイベントもなく、王都までずっとサトウキビ畑が続いただけだった。途中に、村があって、サトウキビ農家の集まりという話を聞いた位だ。まだ収穫時期ではないので、暇なのだそうだ。


 そして俺達は、王都に辿りつた。王都は人族の王都同様、かなり大きかった。しかし3つ大きな違いがある。一つは、獣人の王都は、川を挟んで東と西に分かれた不思議な構図だ。2つ目は円形ではなく長方形に、立派な先のとがった丸太が外周を取り囲んでいる。そして3つ目が海に面している事だ!“神海”と呼ばれる、神の島へと続く海。


 というのが、門番さんの説明だ。間にある川には、水棲の獣人が住んでいるらし。川はそれほど広くないので、中州を経由する形で、橋がかけられている。中州には、水棲獣人の家があるそうだ。


 俺達は、何事もなく王都へ入る事ができた。蜂の被害に遭った村で貰った紹介状を頼りに、俺達は川沿いの宿へとやってきた。途中、王都を見て回ったが、基本的には高床式と地面に穴のあいた家々が連なっている。見た感じは、殺風景だ。


 人族の様に、地上2階以上の建物は殆どない。そのため、海沿いにある3階建ての王城は遠くからでも確認できる、立派な建物に感じた。


「すいません。招待状を頼りに、こちらに泊まりに来たものですが。」

「はーい。今行きまーす。」


そう受付の奥から声が聞こえてしばらくすると、店の従業員が顔を出してきた。


「え!?ドラ○もん??」


そこには、某ネコ型未来ロボットが佇んでいた。


■ステータス

テル・キサラギ 人族 男 18歳 レベル36

体力: 469 魔力: 465 筋力: 344

速度: 231→235 耐性: 111 魔耐: 108

召喚獣:氷の精霊【ユキ】:【水神の加護】

神の秘宝:水の一振り

スキル:【オール・フォー・ソード】【採取2】【伐採1】【鑑定2】【スラッシュ2】【二段突き2】【地形把握2】【周辺把握2】【ステップ3】【遠見2】【夜目2】【交渉2】【鷹の目2】【甲羅割り1】【兜割り1】【魔力回復1】【魔力上昇1】【投擲2】【剣戟2】【水魔法2】【受け流し1】【カウンター1】【構造把握2】【はやぶさ切り1→2】【回転切り1】【生活魔法1】【解析1】【隠密1】【射撃2】


■ステータス

ウラガーノ・インヴェルノ 人族 男 19歳 レベル35

体力: 621 魔力: 369 筋力: 411

速度: 132 耐性: 188 魔耐191

召喚獣:水の聖獣【シズク】:【水神の加護】

スキル:【ハイシールド】【交渉1】【鑑定2】【構造把握2】【解析2】【ステップ2】【水魔法2】【大盾2】【バッシュ2】【受け流し2】【カウンター1】【周辺把握2】【生活魔法1】【魔力回復1】【魔力上昇1】【空間把握1】


■ステータス

グラス・フルール 獣人族 女 14歳 レベル16→17

体力:267→281 魔力:60→62 筋力:175→180

速度:401→411 耐性:50→52 魔耐:50→52

スキル:【竜力】【採取1】【伐採1】【周辺把握2】【地形把握2】【遠目2】【夜目2】【鷹の目2】【周辺把握1】【ステップ1→2】【地形把握1】


さて、話を進めるために途中の旅路はカット!

やっと獣人族の王都に着きましたね。そして出会ったのはあの有名ロボット。

テル君は、きっと突っ込み待ちなのでしょう。

ナンデヤネーン( ・∇・)ノ

次回は、王都観光とギルドの仕事の予定。

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