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獣人の街は、木造の高床式が多いんだな!

今日はちょっと少なめです。

ユキとの友情物語と、獣人の街の説明のお話。

 今、俺達は獣人国で最初の休憩所にいます。生物の気配がそこかしこにあって、正直気が休まりません。そして何が嫌って、虫が多い!!イーヤーダー!!!


「俺、この国無理かもしれない。帰りたい。」

「さすがにちょっと動物が多くて、気が休まらないな。」

「チガウ。ムシ。コワイ。」

「あははは、テルさんは、虫が嫌いなんだ。もうすぐ冬だから、徐々に減って行きますよ。」


 この世界に来てから、街の外で寝る事が多くなったので、多少の虫は慣れてきたはずだった。だが、獣人国の虫は、デカイ。しかも周りが森なので、そこらじゅうに居る。虫の宝庫だ。


「もう無理。夕飯は作ってやるけど、俺はすぐに馬車に引きこもる!」

「へー。今まで干物とかだったのに、ちゃんと料理作れるんですね。」

「テルの料理は、美味いんだぞぉ!」

「今回は、パスタっぽいもの作ったから、それとキノコのソテーを合わせたやつと、キノコと玉ねぎのスープだ。」


 俺は夕食をささっと作って、俺は馬車に引っ込んだ。俺の分は皿に盛って、一緒に持って入る。外では、ウラガとグラスが楽しそうにお喋りしながら、食事を楽しんでいる。いいもん。俺には、ユキがいるもん。


 それでも馬車の隙間から、時々虫が入ってくる。そのたびに俺は、てんやわんやだ。だから、ユキにお願いする事にした。


「ユキー。ちょっとお願いがあるんだけど。」

「キュー?」

「この馬車全体を、冷気で覆えないかな?氷で覆うと、俺、窒息するし。」

「キュー!キュッキュ!」

「おお!やってみてくれるのか!頼むぞ!」


 ユキが力を放つと、馬車の周りが白いドームの様に、薄い霧で覆われた。窓から見ていると、上から落ちてきた葉っぱが、その霧を通りぬけるときに、凍りついてパキパキになっていた。冷気の壁ができたのだ。これで、この馬車は虫から守られた!


「ユキ!凄いぞ!!さすがだな!」

「キュー。キュー。」

「え。魔力がかなりいる?長時間出来ないだって!?」


 ユキがそう言ってくるので、俺の魔力を分け与えて行くが、どんどん減っていく。俺も久しぶりに、魔力不足になりそうだ。それでも虫が嫌なのだ。でも、それ以上にユキが辛そうなので、俺はユキに止めるように伝えた。


「ありがとうなユキ。でも、ユキに無理はさせたくないんだ。」

「キュー。」

「いや。ユキはよくやってくれたよ。」

「キュキューー!!」


 最後と言わんばかりに、ユキは力を出して、氷のドームを作ってくれた。雪国でよく見る、かまくら状の氷のドームだ。小さな入口だけが開いている。


「ユキ!」

「キュ!」


俺達は抱きしめあった。ちょっと寒いけど、虫の侵入はだいぶ防げるはずだ。ユキの努力に涙が溢れてくる。初めからそうすればよかった。


「おー。ユキがんばったなぁ。」

「すごいねーユキちゃん。」

「あ、テル。夕飯すっごく美味かったぞ!“ぱすた”ってやつ、いくらでも食べれそうだった。」

「凄かったよぉ!。喉越しも良かったし、キノコの味が凄く感じられた。本当に料理が得意なのね!」

「ありがとう。これから獣人族の国で、新し食材に出会えるかもだから、期待してくれよ。」


 そして、俺達は寝むった。椅子のところには、俺とウラガが。椅子の間の足を置く場所には、綺麗な布をひいて、グラスが眠る。グラスはまだ狭いところで寝るのが苦手なので、椅子だと落ちてしまうのだ。


 翌日も、森の中を馬車で進んでいく。グラス曰く、やはり例年よりも魔獣が多いようだ。そのせいで、森の獣たちも好戦的になっているのだそうだ。すれ違う獣人の馬車も、必ず傭兵が護衛をしている。観光も命がけになってきているのだ。


 俺達も、何度もゴブリンに襲われる。森のゴブリンなので、木を削ったヤリや木の実、ありとあらゆるものを投げてくる。こっちが攻撃しようにも、木の陰に隠れてなかなか当たらない。はっきり言って、超面倒だ。


「悪いけど、魔獣の盗伐、俺に任せてくれないか?」

「そうだな。俺達だと、近づかないと攻撃出来ないからな。任せる。」

「ウラガは馬子に乗って、馬子を守ってやってくれ。グラスは、一応綱を持っててくれ。操縦はウラガに任せろ。」


 俺は御者台に座って、ユキと協力して氷のナイフを【投擲1】でどんどん撃って行く。ゴブリンが姿を見せた瞬間に、頭を吹き飛ばす。木に隠れる時間すら与えない。何度かゴブリンの攻撃が飛んでくるが、ウラガの【大盾2】が防いでくれる。とりあえず安全だ。


「グラス。どれくらいで、森を抜ける?」

「そうですね。だいたい5日毎に街があって、最初の村は今日の夕方には着けそうですよ。その街から向こうは、ちょっとの間、草原です。」

「あ。そうなんだ。5日毎の村は、人族と一緒なんだな。」

「何か聞きたい事でも?」

「あぁ。獣人の村での礼儀とか、ルールがあるのかな?と思ってな。」

「うーん。獣人は種族で生活スタイルが、大きく異なりますから、ルールは少ないですね。そのせいで、数件ですが夜もお店がやっています。夜行性の獣人がいますので。」

「夜もやってるんだ!懐かしなぁ。お。噂をすれば、村が見えてきたな。」


 俺達は初の獣人の村へとやってきた。村に入るのに、身分の確認を受けたが、すんなりと入れた。


「おぉ!!木造の高床式が多いな!」


 村はほとんどが、高床式も木造家屋だ。その他にも、地面に穴が開いているところがある。そこはモグラ系等の、地面の下が好きな獣人の住居らしい。穴の近くに、お店の看板が出ているが、店舗が地面の下にあったりするので、ちょっと楽しみだ。


 俺達はとりあえず宿へと向かう。高床式の家屋が数件連なった建物だ。馬子は宿の裏にある馬小屋に預けておく。俺はウキウキして宿の扉を開けるのだった。


■ステータス

テル・キサラギ 人族 男 18歳 レベル33→34

体力:451→456 魔力:423→451 筋力:329→334

速度:218→221 耐性:105→107 魔耐:102→104

召喚獣:氷の精霊【ユキ】:【水神の加護】

神の秘宝:水の一振り

スキル:【オール・フォー・ソード】【採取2】【伐採1】【鑑定2】【スラッシュ2】【二段突き2】【地形把握2】【周辺把握2】【ステップ3】【遠見2】【夜目2】【交渉2】【鷹の目2】【甲羅割り1】【兜割り1】【魔力回復1】【魔力上昇1】【投擲2】【剣戟2】【水魔法2】【受け流し1】【カウンター1】【構造把握2】【はやぶさ切り1】【回転切り1】【生活魔法1】【解析1】【隠密1】【射撃1→2】


■ステータス

ウラガーノ・インヴェルノ 人族 男 19歳 レベル33

体力:592 魔力:351→353 筋力:388

速度:127 耐性:178 魔耐181

召喚獣:水の聖獣【シズク】:【水神の加護】

スキル:【ハイシールド】【交渉1】【鑑定2】【構造把握2】【解析2】【ステップ2】【水魔法2】【大盾2】【バッシュ2】【受け流し2】【カウンター1】【周辺把握2】【生活魔法1】【魔力回復1】【魔力上昇1】【空間把握1】


■ステータス

グラス・フルール 獣人族 女 14歳 レベル12

体力:216 魔力:51 筋力:154

速度:356 耐性:42 魔耐:42

スキル:【竜力】【採取1】【伐採1】【周辺把握2】【地形把握2】【遠目2】【夜目2】【鷹の目2】【周辺把握1】【ステップ1】【地形把握1】


虫!著者が大嫌いなので、テル君も影響を受けちゃいました。

ユキちゃんは健気ですね。愛おしい。

テル君、がんばって虫に慣れてね。

((;゜Д゜)ガクガクブルブル

次回は、新しい魔獣が出てくる予定

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