森ばっかりじゃないか。
修行は今回で終わり。
*下手ですが、獣人族の国の地図があります。
すこしでも理解の役に立てば、嬉しいです。
ウラガと一緒に、スキルを獲得する為の訓練を始める。
「テルの【隠密】はもういいのか?」
「ああ。グラスを見つけたついでに、ちょっと修行に付き合ってもらったら、すぐだったよ。」
「相変わらず、早いよな。」
「ちょっとぉ。誤解を招くじゃんかぁ。俺、早漏じゃないよ?」
「何バカなこと言ってんだよwwさっさと始めようぜ。」
ちょっと無理がある下ネタだ。失敗だな。
「ウラガは【水魔法】の修行してるんだよな?」
「ついでに、盾の他のスキルもレベル上げたいんだ。」
「じゃあウラガは、盾に【水魔法】で属性付与しながら、他のスキルを使えばいいな。俺も水でナイフ作って、ユキに凍らしてもらおう。それを防げれば、ウラガの【ハイガード】の恩恵を受けれそうだ。」
「そうだな。それでいこう。」
ちなみに、俺もウラガもスキルを併用するのは、2つが良いところだ。3つになると、めちゃくちゃ集中力を使うのだ。短時間なら頑張れる。
「じゃあ、ユキ。いつもの頼むな。」
「キュー♪」
「ウラガは準備いいか?」
「おう!どんどん来い!」
俺は、一つやってみたい事があったのだ。こう、身体の周りにいくつも魔法を浮かべて、どんどん撃って行くやつだ。憧れだよね?
まず1つ、水のナイフを浮かべる。2つ目も浮かべられた。そして3つ目を浮かべようとすると、他のが地面に落ちた。【水魔法1】だからか、ほかの要因があるのか。今は2つが限界の様だ。今後、要検証だ。
それからは、2つ水のナイフを浮かべて、ユキに凍らせてもらう。それをウラガに向かって、どんどん撃っていく。ナイフのマシンガンのようだ。
ウラガは、盾に水をうっすら纏わせて水属性を付与している。その盾で、氷のナイフを【受け流し1】たり、【ステップ1】で迎えに行く。俺も、数発に一発は、ウラガから少し離れた場所に向けて、【ステップ1】を使いやすいように、操作する。俺のナイフの射撃もどんどん慣れて行くなぁと思った時、ゾクリときた。
なんと、俺は【狙撃1】を覚えていた。ちょっと休憩をはさんで、ウラガに報告した。
「実はさぁ。【狙撃】覚えちゃったwテヘ。」
「・・・チッ」
「ゴメン!舌うちだけとか、やめて!俺も悪いと思ってるんだ!」
「別に良いよ。テルが特別なのは知ってるから。それでも、えげつない速さだよな。嫉妬するぜ。」
「お詫びに、レベル上がるまで手伝うからさ。」
「わかった。じゃあもうちょっと頑張るか!」
その後、昼の鐘が鳴るまでウラガの訓練に付き合った。おかげで、ウラガは【水魔法2】と【受け流し2】【ステップ2】へとレベルアップした。俺も【水魔法2】にレベルアップだ。そりゃ、あれだけ水のナイフを使えばレベルも上がるよ。
そして、お昼にグラスと合流して、街の屋台で食事を買って、街の公園で報告会を行った。
ちなにみ屋台で買ったのは、ナンの様な大きなパンで、キノコやお肉を挟んだものだ。獣人族はグルメらしい。なぜ人族に伝わらないんだろう?
「ってな感じで、俺達はスキルレベルあがったけど、グラスは修行の成果、どうだった?」
「・・・チッ」
「うわー。ウラガと同じ反応が帰ってきたー。やめようよー。仲良く行こう。」
「嫉妬しただけです。こんな午前中だけで、3つもスキル上げるなんて、尋常じゃありません。」
「まぁ、戦闘系の固有能力持ちって事で理解してよ。で、グラスの結果は?」
「昼前ギリギリで、【ステップ1】を覚えましたよ。」
「おぉ!覚えたか!おめでとう!俺の見本が良かったのも効いてるよな、きっと。」
「はい。ウラガさん有難うございました。」
「おめでとう。昼からはどうしようか?獣人族の国の話を聞きたいんだけど。」
「じゃあ、【地形把握】のために、街を歩きながら、冒険用の買い物もしながら、話しましょう。」
「それで行こう。」
その後俺達は、一端宿に戻って荷車を借りてから、街をうろうろ、森をうろうろした。買い物は、ウラガが【交渉1】をレベルアップさせたいので、ウラガに話はまかせる。グラスの毛布や雨用の服等も買っておく。もちろん座布団もだ。その間に俺は、グラスから獣人国について聞いていく。なんとなくの地図も書いてもらった。
なんだか、行き先に迷う。下半分は、広大な砂漠で、上半分は神の手“ラマン”が連なっており、境界の森から大都市は別方向だ。
「グラスにとっては、王都より砂漠の方に進んだ方がいいんだよな?」
「そうですねぇ。でも一度王都に向かった方が、皆さんにはいいのでは?獣人族の国に慣れていないのに、砂漠は過酷ですよ。準備も万端じゃないと、下手すると死にます。」
「え。めっちゃ怖い。」
「それに、これからは冬になりますからね。夜の砂漠は凍死しますよ。」
「え?これから冬なの?人族の国はもうすぐ夏だよ?」
「赤道より下にありますから。かわりに、ドワーフ族の国は夏ですね。」
どうやら、人族の国の上に赤道があるらしい。Web小説では赤道の概念が、めったに出てこないので、すっかり忘れていた。今は7月くらいなので、これから獣人族の国は真冬だそうだ。
前世の地球より、赤道直下は過ごしやすいようだ。それにしても、この星も球体なんだな。なら、絶海の先は回りこめるんじゃないのか?疑問が増えて行く。それにしても、この世界でも赤道の概念があるんだな。意外と文明は進歩している。こんな言い方だと、ちょっと失礼かな?
「それなら、獣人の首都を目指そうか。今から南に行くのは厳しいしな。」
「そうですね。王都に行けば、ダンジョンの話も聞けますよ。」
「新しいダンジョンだからな。情報収集しやすいところが良いだろう。よし!王都に行くぞ!」
「「おー!」」
午後の買い物も終わって、宿に帰ってきた。グラスはさっそく部屋にこもって、【地形把握】の習得に励んだ。俺は少し思うところがあったので、グラスにベルを持たせる。グラスに鳴らしてもらって、反響を利用するのだ。だが、部屋の中で鳴らすと、宿が限界だったので、宿の屋上へと移動した。同じくベルを鳴らすと、街全体にベルの音が広がった。その反響を利用して、グラスが地形を読んで行く。
1時間ほどリーン♪リーン♪と鳴っていたが、その音が消え、ダダダっと廊下を走る音が聞こえる。
「やったよ!!【土地把握1】を覚えたよ!テルさんのアイデアのおかげ!!本当に有難う!」
「「おめでとう。」」
「えへへ。今日だけで、2つもスキル覚えるられるんて、ちゃんと教わると、こうも違うんだね!」
「うーーん。まぁ、コツみたいのもあるけどね。それより、その人にあった覚え方があるんじゃないかな。」
そして、ひとしきり喜んだ後は夕食を取り、明日に備えてさっさと寝た。翌日は快晴。旅立ちにはもってこいの朝だ。馬子も久々に運動できるので、嬉しそうだ。
ウラガに操縦をまかせて、グラスにそれを学ばせる。俺ももうちょっと習いたいんだが、御者台は二人が限界だ。グラスにはついでに、【地形把握1】も使わせる。もちろんベルを併用しているので、ずっとリーン♪リーン♪鳴っている。非常に気になるが、そのうち慣れるだろう。
数日かけて“境界の森”を抜け、俺達は王都へと馬車を走らせていく。その景色は、人族とは全然違った。
「森ばっかりじゃないか。」
そうなのだ。道はあるのだが、その横は直ぐに森なのだ。正確には、延々と続く森の中に、道を作った感じだ。そのため、猿やらイノシシやら、ゴブリンやらをしょっちゅう見かける。動物達は、俺達を遠巻きに観察するだけだが、ゴブリン等の魔獣は攻撃を仕掛けてくるので、面倒くさい。
魔獣達を返り討にしながら、馬車を進ませると、森の中に開けた場所が見えてきた。人族の国でも見かけた、停留所だ。ちゃんと馬車がおけるスペースと、魔物避けの街頭が立っていた。俺達はそこで、獣人族の国で最初の夜を迎えるのだ。
■ステータス
テル・キサラギ 人族 男 18歳 レベル33
体力:451 魔力:400→423 筋力:329
速度:218 耐性:105 魔耐:102
召喚獣:氷の精霊【ユキ】:【水神の加護】
神の秘宝:水の一振り
スキル:【オール・フォー・ソード】【採取2】【伐採1】【鑑定2】【スラッシュ2】【二段突き2】【地形把握2】【周辺把握2】【ステップ3】【遠見2】【夜目2】【交渉2】【鷹の目2】【甲羅割り1】【兜割り1】【魔力回復1】【魔力上昇1】【投擲2】【剣戟2】【水魔法1→2】【受け流し1】【カウンター1】【構造把握1→2】【はやぶさ切り1】【回転切り1】【生活魔法1】【解析1】【隠密1】
■ステータス
ウラガーノ・インヴェルノ 人族 男 19歳 レベル33
体力:592 魔力:329→351 筋力:388
速度:127 耐性:178 魔耐181
召喚獣:水の聖獣【シズク】:【水神の加護】
スキル:【ハイシールド】【交渉1】【鑑定2】【構造把握2】【解析2】【ステップ1→2】【水魔法1→2】【大盾2】【バッシュ2】【受け流し1→2】【カウンター1】【周辺把握2】【生活魔法1】【魔力回復1】【魔力上昇1】【空間把握1】
■ステータス
グラス・フルール 獣人族 女 14歳 レベル12
体力:216 魔力:51 筋力:154
速度:356 耐性:42 魔耐:42
スキル:【竜力】【採取1】【伐採1】【周辺把握2】【地形把握2】【遠目2】【夜目2】【鷹の目2】【周辺把握1】【ステップ1】【地形把握1】
地図を書くのは、めちゃくちゃ時間かかりますね。
絵心が壊滅的なので、苦労します。
テル君は赤道の存在に気付きました。web小説では珍しいよね。
*゜∀゜)*。_。)ウンウン
次回は、移動と獣人の街の話の予定。