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面白い修行方法だな。俺にも協力させてくれ。

グラスはスキル獲得に励む回です。

テルとウラガは、スキルのレベルアップですね。

「早速だが、グラスには【地形把握】を覚えてもらいます。」

「はい。」

「話を聞く限り、獣人族は全体的に、耳や鼻が良いそうですね。」

「その通りです。なかでも竜人族は、獣人族の中でも比較的、能力が高いと言われていますね。」

「ですので、グラスには索敵要因になってもらおうと考えています。」

「索敵っていうと、罠を見つけて解除したり、敵を察知したりってやつですよね?」

「そうです。竜人族の特徴を活かせば、的役でしょう。それに、索敵能力が高いと、竜人族の発見に繋がります。」

「なるほど!それで最初に【地形把握】を覚えるんですね?」

「それを覚えると、ダンジョンや山を探索する際に、非常に役立ちますので。」

「具体的には、どうすればいいんですか?」

「まずは部屋の中、宿、街へと順々に感覚を広げていきます。ですので、この部屋や宿を歩き回って、全体像を確認したら、部屋に戻ってきてください。そして目を閉じて、周りを感じて下さい。それだけです。」


 そう説明すると、グラスは元気よく部屋を出て行った。先に宿全体を調べるのだろう。ウラガは【周辺把握2】にするために、部屋で訓練を始めた。俺はと言うと、複合スキルの【解析】が欲しいので、【構造把握2】にするために、椅子やベッド、宿の屋根裏等をくまなく観察していく。外は雨なので、出来る限り屋内でできる訓練になった。


 俺が屋根裏から帰ってくると、部屋からグラスが出てくるところだった。なんでも、もう一度宿を見て回るそうだ。グラスは見た目通り活発なようだ。そしてウラガはと言うと、既に【周辺把握2】にレベルアップしていた。これまでの旅でも、時々使っていたそうだ。


「ウラガは次、何にするんだ?」

「実は、【解析】のレベルも上がって、【周辺把握】がレベル2になった時に、【空間把握】を覚えたみたいなんだ。」

「凄いな。この短時間で2つもレベルアップか。【空間把握】に関しては、“ライゼの成り上がり”に書かれていた通りだな。」

「そうなんだよ。それで、【空間把握】に慣れる事にしようと思う。」

「確か【空間把握】は上位魔法を取るのに必要なんだよな。」

「あぁ。テルが魔法をろくに使えないから、専門じゃないけど、魔法を伸ばそうと思ってなw」

「う。痛いところを。宜しく頼むよw」

「はいよw」


 一方俺は、【構造把握】のレベルが上がらなかった。やっぱり剣が直接関わらないから、レベルアップに時間がかかる。なので、俺は武器屋に行くことをウラガに伝えに来たのだった。ついでに、ウラガの“帯電の剣”を借りて行く。


 宿から数件隣の武器屋まで、雨の中小走りで向かう。前世見たいに傘はあるのだが、少し値段が高いのである。水をはじく布を着るのが、一般的だが、短距離なのでちょっと位濡れてもへっちゃらだ。


 そして武器屋へと入ると、店主は人族の武骨なおじさんだった。ちなみにスキンヘッドである。


「すみません。剣を入れるさやを見たいんですけど。」

「はいよ。修理じゃなくて、新しいのにするのかい?」

「ちょっと迷ってまして。良いのがあれば考えるんですが。」

「まぁ、今日は客が少ないから、じっくり見て行きな。」

「有難うございます。」


 本当は、【構造把握】の為に観察したかっただけなんだけどね。おじさんは、俺が剣を携えているので、不信がらなかった。持って来て正解だった。


 俺は壁に掛けられたさやをじっくりと見て行く。店内には、武器を扱う商人や冒険者が3人ほどしかいない。普段はもうちょっといるのだろう。そんな事を考えながらも、商品を順番に観察していく。


 しばらくすると、ゾクリといつもの感覚が走った。ステータスを確認すると、【構造把握2】へとレベルアップしていた。さすが、剣に関わる商品を観察しただけの事はある。俺は、店主に御礼を言って、そそくさと宿へと帰ってっいった。


「テルさん!私、【周辺把握1】覚えたよ!!【地形把握】じゃないけど、こんなに早くにスキルを覚えるなんて、凄いわ!」


 部屋に戻ると、グラスがかなりテンション高めで喜んでいた。喜んでくれて何よりです。なんでも、嗅覚や聴覚、風の流れなどに意識を向けると、周囲を感じ取り易かったらしい。人族では感じられないものも、感じられるのだろう。やはり索敵に向いているようだ。web小説の知識の恩恵だが、俺の予想に狂いはなかった。ふふん。


「早いじゃないか!さすがグラスだね。おめでとう!じゃあ、雨が上がったら街を歩き回って、今度こそ【地形把握】を覚えような。」

「はい!!」


 きちんと褒めておく。俺は、褒めて伸ばすのを信条にしているのだ。そしてグラスの場合、もしかすると、五感を強く意識すると、スキル獲得が早まるのかもしれない。個人能力の【竜力】を理解する手掛かりになるかも。


 俺はというと、【鑑定2】と【構造解析2】を覚えた事で、やっと【解析1】を覚えられた。長かったぁ。使ってみて感じたのが、【解析】は材料や品質がより詳しく分かるようだ。レベルを上げると、どこまで分かるのか楽しみである。食べ物を見ると、産地や生産者まで分かったりしてw。


 まだ夕飯までには時間があるので、俺達はそれぞれスキル磨きに精を出した。その後は、特にレベルアップも無く、俺達はさっさと眠った。ちなみにグラスは他の人と相部屋である。


 翌日は晴れたので、朝からグラスを春の森へと誘った。花見をしたい気分だが、もちろん修行だ。今日の目的は【ステップ】の習得だ。ヒットアンドアウェイの戦闘をするグラスには、必須のスキルだろう。


「今日は【ステップ】を覚えてもらう。森があるだろ?そこを、急に走ったり、急停止したり、後ろに飛んだり、左右に急旋回したりしてもらう。ずっと力を出し続けるんじゃなくて、瞬間的に力を入れるのを繰り返すのがポイントだ。」

「俺が実演してやるよ。よく見てろよ!」


 そう言って、ウラガは森の中を【ステップ1】で駆け巡った。ジグザグに走って、俺達の元へと戻ってくる。ウラガはドヤ顔をして誇らしげだ。やっぱり何かおかしい。調子のいい奴だが、いつもより浮かれているのが、はっきり分かる。


「ほへー。ウラガさんもできるんですねー。見直しましたぁ。」


 感心しているのか、ちょっと間延びした感想を述べている。そしてその感想を聞いたウラガは、かなり嬉しそうだ。怪しい。


「あんな感じで動いてくれ。五感を上手に使うと、グラスの場合、スキルを覚えやすいかもしれないから、それを意識して練習すると良いだろう。」

「分かった!じゃぁ行ってくるね!」


 すっかり修行が楽しみなのか、そう軽い感じで言って、森の中に消えて行った。喋り方、注意したかったのになぁ。まあ、いっか。


「テルは何するんだ?俺は、【隠密】を取ろうかと思ってる。グラスが派手に動いている間に、敵に近付く戦闘方法を考えててね。」

「ふーん。具体的にはどうすんだ?」

「観光客がいっぱいいるだろ?それにこっそり近付くんだよ。極力、自分の存在を消して。」

「それでも獣人族には、気付かれそうだな。人族が良いかもしれないぞ。」

「確かに。で、ウラガはどうするんだ?」

「俺は、【水魔法】を頑張ってみるよ。ちょっと試したい練習法があるんだ。」

「じゃあ、昼前にここに集合って事で。グラスには、俺が探して伝えるよ。」

「わかった。頼んだぞ。」


 そうして俺達は、別々に修行を開始した。俺は、まず自分の存在が自然に溶け込むように、意識する。そしてナイフを持って、静かに人族の観光客の周りを歩き回る。


(このナイフで、静かに敵を殺す。確実にナイフを刺せるように、自分の存在を消して近付く。)いつものように、剣とスキルを関連付けながら、スキル獲得に挑む。


 そして、しばらく森を歩きまわっていると、グラスを発見した。木々の間を駆けている。


「グラス。昼ぐらいになったら、最初の場所に集合な!」

「はーい!」

「そんで、ちょっと俺の修行に付き合ってくれ。」

「いいけど、何をすればいいの?」

「グラスは、そのまま修行してていいよ。俺は今、【隠密】を取ろうとしてるんだ。だから、動き回るグラスにゆっくり近づいて、ナイフで攻撃するけど、避けてくれ。それだけでいい。」

「分かったよ!」

「それと、言葉使いな。」

「!はー・・・ご指摘有難うございます。」


 もう軽くてもいい気がする。けどグラスは少し治したいみたいだしなぁ。先は長そうだ。


 そして俺は、動き回るグラスに静かに近づいていく。グラスは持ち前の早さで、場所を転々とするが、なんとか後ろを取れた。そして俺はゆっくりとグラスに切りかかる。グラスは早くに俺の存在に気付いていたので、余裕でかわしていく。


 するとゾクリときた。俺は【隠密1】を覚えたのだった。やっぱり、切りかかった方が、覚えやすいみたいだ。


「ありがとう。俺はもう【隠密】覚えたから、先に戻るよ。」

「えぇ!!一回しか近づいてないじゃないですか!凄すぎます。どんな秘密があるんですか?」

「そうそう教えられないよ。秘密なんだから。」

「それもそうですね。でも、いつか教えて下さいよ。」


 俺は一足先に、集合場所へと戻る事にした。途中、ウラガを見つけたので、普通に近づくと、面白い修行方法を行っていた。


 ウラガは開けた場所で、空に向かって【水魔法1】で水球を打っているのだ。もちろん引力によって、水球は落ちてくるが、それを【大盾2】で防いでいる。他にも【受け流し】だろうか、盾を斜めに構えて、水球を反らしていた。


 俺は、ウラガに声をかける事にした。俺も参加したくなったのだ。


「面白い修行方法だな。俺も協力させてくれ。」


 そう言って、俺はウラガと一緒にスキル上げに励むのだった。


■ステータス

テル・キサラギ 人族 男 18歳 レベル33

体力:451 魔力:400 筋力:329

速度:218 耐性:105 魔耐:102

召喚獣:氷の精霊【ユキ】:【水神の加護】

神の秘宝:水の一振り

スキル:【オール・フォー・ソード】【採取2】【伐採1】【鑑定2】【スラッシュ2】【二段突き2】【地形把握2】【周辺把握2】【ステップ3】【遠見2】【夜目2】【交渉2】【鷹の目2】【甲羅割り1】【兜割り1】【魔力回復1】【魔力上昇1】【投擲2】【剣戟2】【水魔法1】【受け流し1】【カウンター1】【構造把握1→2】【はやぶさ切り1】【回転切り1】【生活魔法1】【解析1】【隠密1】


■ステータス

ウラガーノ・インヴェルノ 人族 男 19歳 レベル33

体力:592 魔力:329 筋力:388

速度:127 耐性:178 魔耐181

召喚獣:水の聖獣【シズク】:【水神の加護】

スキル:【ハイシールド】【交渉1】【鑑定2】【構造把握2】【解析1→2】【ステップ1】【水魔法1】【大盾2】【バッシュ2】【受け流し1】【カウンター1】【周辺把握1→2】【生活魔法1】【魔力回復1】【魔力上昇1】【空間把握1】


■ステータス

グラス・フルール 獣人族 女 14歳 レベル12

体力:216 魔力:51 筋力:154

速度:356 耐性:42 魔耐:42

スキル:【竜力】【採取1】【伐採1】【遠目2】【夜目2】【周辺把握1】


色々とスキルを獲得して、レベルを上げていきます。

色々とご都合主義で、さっさとレベルアップ!

テル君は、ウラガ君の様子を怪しんでいるようですね。どうなることやら。

_(-ω-`_)⌒)_

次回は、出発と獣人族の国の話の予定。

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