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ちょっと新しいスキルを獲得したいんだ。

地下3階と4階の話です。


身体だけで、40cm以上ある蟹の関節は、簡単に切れた。巨大なツメが地面を転がって行く。まずは最大の武器を潰す事に成功した。そのまま次々に脚を切断していく。俺は余裕な笑みを浮かべて、身体だけになった蟹と対峙した。すると突然、蟹は大量の水鉄砲を吹いてきた。俺はまともに腹に受けてしまう。かなりの衝撃を受けて、よろめいてしまった。俺はすぐさま蟹の後ろへと回って、膝をついた。脚の無い蟹は、身動きができないから安全だ。


「テル!大丈夫か!?最後まで油断するんじゃねえぞ!」

「悪い、ちょっとしくじった。さっさと仕留める。」


そう言うと俺は、蟹の甲羅と甲羅の隙間に剣を刺しこんだ。この蟹は、甲羅が一枚ではなく、3枚の甲羅で覆われているので、隙間があった。剣を差し込むと、蟹は絶命したようで、動かなくなった。それを確認すると、防御に徹しているウラガに駆け寄る。そして同様に蟹の脚を切断していった。胴体だけになった蟹を、剣の先で裏返し、腹を見せた。そして、その白い腹目掛けて剣を突き入れようとするが、意外と堅かく、なんとか刺せた状態だった。そうして魔獣を倒した後、俺は急いで【鷹の目2】で周りを確認するが、他に魔獣はいないようだった。


「ふぅ。なんとか剣はさせたな。」

「俺は冷や冷やしたぜ。心配させるなよな。」

「ゴメン。ちょっとあざにはなってるけど、そんなにダメージは負ってないよ。」


俺たちが蟹の脚を回収していると、シュウウという音と共に、蟹の身体が消えて行った。その後には、親指程の”青い石”が残っていた。おそらく魔石である。石のように堅く、ゴツゴツしていたが、青一色で、ビー玉を思わせる材質だった。


ウラガによると、魔石が触れている部分は、時間がたつと消えるらしい。残っている部位と、魔石の大きさは関係ないので、本当は魔石をくりぬいた方が、他の部位が残るので、お得らしい。俺は魔石を【鑑定2】で調べてみた。


■水の魔法結晶:サイズ小、品質普通。


しげしげと観察していると、ウラガが貸せと言ってきたので、魔石を渡す。ウラガは、手のひらに乗せて、何か念じるように、視線を集中させた。すると、魔石から水がチョロチョロと流れ出した。俺は驚愕した。だって魔石とは、杖や専用の装置に取り付けてはじめて、力を発揮すると思っていたんだもん。


「テルは本当に何も知らないな。魔石ってのは、ちょっと魔力を流すと、その属性を発現できるんだ。それを効率よく、強力にしようとするのに、道具が使われるんだぜ。ちょっと意識するだけだから、普通の人でも使えるんだ。」


ウラガはドヤ顔をしながら、蟹の巨大なツメを洗っていた。まだ甲羅は堅かったが、岩などにぶつけて、割ったようだ。中からは、白いプリプリとした身が出てきていた。ウラガから一本貰うと、口に入れてみた。生は怖いが、空腹だと力がでないもね。


「美味い!」

「おぉ!めっちゃ美味いじゃん!ちょっと水っぽいけど、弾力があって、味は濃いな。加熱すると、もっと美味くなるんだろうな。」

「お!?ウラガも料理好きなのか?俺、趣味が料理なんだけど、こっち来てから機会がほとんど無くてよぉ。」

「いや。俺は食べる専門。一応貴族の家だったから、裕福な他の貴族の家で、美味い物色々食べる機会があったんだ。」

「そういや、ウラガって貴族だったんだな。すっかり忘れてた。」

「親しみやすいって事だよ。威張ってても、飯は食えなかったからな。」


俺たちは談笑した後、ダンジョンをさらに進んでいく。直線距離で約1km先に地下への階段を確認したいたが、かなり回り道が必要だった。途中、先ほどの蟹や、魚人っぽい体長150cmほどのサハギンと遭遇したが、何事もなく倒す事ができた。ただ、サハギンが、いきなりモリを投げてきた時は、本当に怖かったが、武器の無くなったサハギンは、ものすごく弱かった。


俺たちは、蟹のツメと魔石だけを回収して、さっさと下層への階段に向かった。最初に蟹に食らったダメージが今になって、効いてきたからだ。毒とかではないので、一日もすれば大丈夫だろう。俺たちはいつもの安全地帯である、階層間の階段で、その日の探索を終える事にした。今日も進んだのは2階分だけだ。早くしないと、ボスが手に負えなくなる。


俺は、蟹の脚を食いながら、ウラガに提案した。

「なぁ。もうちょっと早く進みたいんだが。途中走ってもいいか?」

「ダメだ!ダンジョンで急ぐのは、絶対にダメだ!」


いつになくウラガが強い口調で否定してきた。昔に何かあったのかもしれないが、聞くべきではないと思い、話を進めた。


「やっぱりダメか。早くしないと階層が増えるし、ボスも強くなると思って、焦ってた。」

「気持ちはわかる。けどここはダンジョンなんだ。罠だってある。今はまだ死なないレベルだけど、今後どうなるか分からないだろ。ここで我慢しないと、簡単に死んじまうぞ。」

「分かった。ウラガの言う通りだ。そこで、一つお願いがあるんだが、いいか?」

「うん?俺にできる事なら、手伝うぞ。」

「ありがとう。ちょっと新しいスキルを獲得したいんだ。」


俺は、前世で良く読んでたweb小説を思い出していた。蟹や堅い魔獣に、良く効くスキル。そして、懐かしのあいつを呼び出す。今の俺なら、あのスキルを獲得できると、確信していた。


■ステータス

テル・キサラギ 人族 男 18歳 レベル23→24

体力:262→268  魔力:117→121 筋力:162→168

速度:113→117  耐性:56→58  魔耐:51→53

召喚獣:氷の精霊【ユキ】

スキル:【オール・フォー・ソード】【採取2】【伐採1】【鑑定2】【スラッシュ2】【二段突き2】【地形把握2】【周辺把握2】【ステップ3】【遠見2】【夜目2】【交渉2】【鷹の目2】


■ステータス

ウラガーノ・インヴェルノ 男 人族 19歳 レベル24→25

体力:317→331 魔力:58→60 筋力:192→201

速度:68→70 耐性:88→92 魔耐88→92

スキル:【ハイシールド】【交渉1】【鑑定2】【構造把握2】【解析1】


なかなか進まなーい。戦闘すると、どこまで書いていいのか分からなくて、困るなぁ。

慣れなのか?

ダンジョンに慣れて、焦っているのかい?テル君。

o(・ω・。)ドードー

次回は、地下5階、6階の話の予定。

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