来いや、ボケー!!
話が全然進まない・・・
力不足やねー。
⊂⌒っ´ω`)っ
「違う世界に転移したのかぁ。じゃあこの景色も納得だなぁ。それにしても、“オール・フォー・ソード”って何なんだ?直訳すると、全ては剣の為にだけど・・・。」
剣なんて触った事もないのに、なんで剣を勧めるんだろう?高校の体育は柔道だったから、剣道すらしたことない。しかも固有能力ってのは、ライトノベルとかで出てくるものと同じ理解でいいのか?そして、結局ここはどこなんだ?
うん。考えても分からないし、調べようのない事は後回しにしよう。その方が精神的にも良いしね。
という事で、目の前にある道のどっちに行くか、まず最初の決断といこうか。地形的に見て、左の道(西側)の方が若干下り坂のようなので、そちらに進むことに決めた。もし地球と同じで水があるのなら、低地の方が水を得やすそうな気がするからでる。太陽は真上を向いてるし、日没までには休めるところを決めないと不味い事になりかねない。
「どこまで行っても、景色が全然変わんない。ちょっと休もう。」
疲れたので、日陰になる森の入口で休憩する事にした。体感だけど、もう3時間以上歩いてる気がする。行けども行けども、草原と森。遠くに見えた山の大きさも全然変化してない気がする。しかも転生前より疲れやすくなってる気がするのは何でなんだ?色々と疑問を感じながら、袋から出した水筒で、喉をうるおしていると、背後からガサリと音がした。
「ブオオオオオオー」
急いで振り返ると、森の少し奥の方で巨大なイノシシがこちらに突進してきていた。何か白いフワフワしたものを追いかけているようだ。イノシシもこちらに気付いたのか、獲物を俺に変えたようで、俺を見つめながら走ってくる。
俺は一目散に逃げ出した。そうだよ!何で忘れていたんだ!異世界と言えば、巨大生物や魔獣。獣といば森!完全にフラグを立ててしまっていた。ラノベとかだと、主人公のチートスキルで辛くも退治するするんだけど、俺はどうすればいいんだ!?
一目散に逃げている割に、色々突っ込んでいる余裕はあるなぁ。と自分の悪癖である、考えるクセが出てしまっていた。そして、自分にも剣がある事を、思い出したのだった。イノシシの方はというと、森の木々をなぎ倒しながらだから、少しスピードを落としている。しかし俺を諦めてはいないようだった。
距離にして数百メールへと迫るイノシシに注意しながら、鞄から短剣を取り出す。刃渡り40cmと持ち手がある至って普通の短剣だ。それを構えながら、必死に考える。
(あいつは直線で走り抜けようとしてる。木々をよける素振りもない。スピードに乗ってるからか?体重のせいで、小回りが利かないのか?なら、イノシシの正面に立って、あいつのスピードを利用して、眉間に剣を差し込むか?いや、剣が刺さるか分からないのに、正面は不味い。最悪、轢き殺される。それなら、ぶつかる寸前で横によけて、あいつの力を利用して、身体の横を切りつけるしかない。やらなきゃ殺される。男は度胸!)
俺はイノシシが十分にスピードに乗れるよう、イノシシが森を抜けるギリギリの時間まで、距離をあける事にした。およそ300m。俺は剣を正面に構えて、イノシシを見据えた。イノシシの方はやっと森から抜け出したからか、立ち止まって後ろ足で地面をゲシゲシしている。俺を殺す準備をしているのか?と思っていると、イノシシが走り出した。
「来いや、ボケー!!」
俺は自分を奮い立たせるために、大声をあげた。