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まずは関節!

ダンジョン2日目。張り切って進もう。

ダンジョン2日目。神様の手紙通りなら、今日で階層が10階から11階に増えているはず。同時にボスもどんどん強くなっている。悠長に構えていられないと、決意を新たに、3階層へと足を踏み入れた。しかしそこには、絶叫がまっていた。


水で作られた、流れるジェットコースターが、延々と続いていたのだ。大回転あり。ひねりあり。急降下あり。前世のジェットコースターが可愛く見えるレベルである。だって、下手したら、死ぬもんね。それが約5セット、足場を挟んで連なっていた。この階の先は【鷹の目2】では見えないくらい遠かった。


「なぁウラガ。何階層までこの水路は続くと思う?そろそろ樽が限界なんだけど?」

「うーん。だいたいのダンジョンは、各5層ずつで、様相が変わるって聞いたぞ。ここは若いからな。これで終わりか、次の層までじゃないか?」

「食料も確保したいのに。食える魔獣とかでないかなぁ。」


そんな軽口を叩きながら、意を決してジェットコースターに、樽を浮かべた。流れて行くが、予想通りかなり怖かった。どういう理屈なのか、水が坂を登っていくと、一気に急降下した。一瞬、樽が中に浮いた気がする程の、速度と落差である。その後も、ピラニアやヒトデが襲い来るなか、超スピード流れて行く。同じコースターを何度か周回して、足場を渡る。このスピードの中では、止まる事すら難しかった。そんなこんなで、苦労しながらも、最後のジェットコースター前までたどり着いた。


【鷹の目2】によると、このジェットコースターの途中に、地面があり、そこには地下へと進む穴が開いていた。おそらく、湖底だろう。やっと流れる水路から解放される。俺たちは安堵しながら、樽を最後のジェットコースターに浮かべた。しばらく水路を進んでいると、いきなり樽が壊れてしまった。これまでのダメージがたたったようだ。逆に、今まで良くもった方である。


「ウラガ!とにかく木に掴まれ!浮いてれば、溺死はしない!」

「テル!穴のあるところで、落ち合おうぜ!」

俺たちは同時に水路に沈んだはずだが、ウラガの方が先へと流れて行ってしまった。穴の場所は伝えてあるので、まずは自分の心配をする事にする。盾役がいなくなったので、ピラニアやヒトデの体当たりを、もろにくらってしまうだろう。そこで俺は、樽だった木材を、サーフボード代わりに、上に寝そべった。もし立ってしまうと、ジェットコースターのねじれや、大回転で、転覆していただろう。そして、剣を前方に構えながら、どんどん流されていった。途中、ピラニアやヒトデとぶつかるが、なんとか堪えた。


「本当に死ぬかと思った。一生分のジェットコースターは乗った気がする。」

「そうだな。俺もギリギリだった。もうここへは来たくないよ。」

ウラガと無事合流できた俺達は、地底への階段を少し行ったところで、座り込んでいた。猛烈に腹が減ったので、干し肉を齧って、昼休憩にしていた。ギルドのクレーさんが、3日分の食料を準備させてくれたおかげだ。帰ったら御礼しよう。


休憩もそこそこに、湖底の地下、第4階層へと足を踏み入れた。そこはダンジョン!といるテンプレートな景色が広がっていた。剣を振るえる程の天井高と、幅1.5mほどの道が、迷路のように続いていた。【鷹の目2】で迷路を観察すると、敵がいた。顔だけで40cmはあるカニと、魚人っぽいサハギンだ。ご丁寧に、石でできたモリを持っている。階の様相が変わると、魔獣も変わるようだった。


「なぁウラガ。このダンジョンって水がテーマだよな?どんな罠がると思う?」

「やっぱり水鉄砲とかだろうな。壁の穴から勢いよく水が噴き出すんだ!打ちどころが悪くても、あざ程度で済む。他は・・・知らない。」

「なるほど。俺は罠を感知する技術は無いんだ。ウラガは持ってるか?」

「俺も持ってねえ。気をつけて進むしかないだろうな。」

「そっか。あと、敵は蟹とサハギンだけだ。何か知ってるか?」

「蟹は食えるぞ!生はお勧めしないが、頑張れば食える。けど、甲羅が堅い。あんまり倒していると、剣の方が先に折れちまうぞ。サハギンは、モリを投げる事があるから、それに注意な!」


俺たちは【鷹の目2】を頼りに、迷路を進んでいった。途中にウラガが言っていた、水鉄砲の罠に当たったが、運よくウラガの盾に当たって、無事だった。そして、食料である蟹と遭遇した。全身が茶色い堅い甲羅で覆われ、冗談のようなハサミを振りかざしていた。それが2匹出てきた。


「ウラガは防御に集中!一匹は任せた!ちょっと試したい事がある!」

「わかった!無理すんなよ!」


蟹という動物には、何点か弱点がある。身体と脚、脚と脚をつなぐ、関節の様な所。甲羅と甲羅の隙間。あとは、ひっくり返した時の腹。この3か所に攻撃が通じるかを検証する必要がある。


「まずは関節!」


俺は叫びながら、巨大な蟹目掛けて、剣を振り下ろした。


■ステータス

テル・キサラギ 人族 男 18歳 レベル22→23

体力:251→262  魔力:113→117 筋力:155→162

速度:109→113  耐性:54→56  魔耐:49→51

召喚獣:氷の精霊【ユキ】

スキル:【オール・フォー・ソード】【採取2】【伐採1】【鑑定2】【スラッシュ2】【二段突き2】【地形把握2】【周辺把握2】【ステップ3】【遠見2】【夜目2】【交渉2】【鷹の目2】


■ステータス

ウラガーノ・インヴェルノ 男 人族 19歳 レベル23→24

体力:305→317 魔力:56→58 筋力:180→192

速度:66→68 耐性:84→88 魔耐84→88

スキル:【ハイシールド】【交渉1】【鑑定2】【構造把握2】【解析1】


私は、ジェットコースターが苦手です。

テル君達、本当に頑張ってるますね。かわいそうに。

(´ω`)

次回は、蟹と蟹身、迷路と罠の予定です。

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