なら無理せずここで休もう。
ダンジョンを急遽出す事になって、困ってます。
独自性を出すために、どうするか。
あ。まだ入口についただけですが、どうぞ。
異世界に転生させられた俺が、問題に巻き込まれない訳がなかった。俺たちは、トレーネ湖にできた大渦に呑みこまれて、ダンジョンの入り口にたどり着いていた。もっと慎重に行動すれば良かったと、後悔する光景が広がっていた。
俺たちが船着き場に着くと、ギルドのお姉さんであるクレーさんが、漁師のおっちゃんと一緒に待っていた。俺たちが最初らしい。そして、このおっちゃんを護衛しながら、調査隊へと物資を運ぶのだ。俺たちは軽い挨拶を交わした後、早々に船に乗り込んだ。
おっちゃんの話によると、トレーネ湖にはいくつもの小島があり、コテージ等の簡易宿泊施設がある、リゾートの一面もあるそうだ。普段は波も小さく、水中の魔獣も深いところにいるらしい。そういった情報を聞きながら、巨大渦潮へと船は進んでいく。漁船には、水の樽や、食料、衣類などが積まれていた。
船が走り出して、半日近くたったころ、調査船と思しき大きな船と、その先にある巨大渦潮が目に飛び込んできた。渦潮は本当に巨大で、半径500mはありそうだった。俺たちは渦に呑まれないように、調査船へと接近する。すると、おかしな状況に陥っていた。普段は出てこない水中の魔獣に襲われていたのだ。おそらく渦のせいで、巻き上げられてきたのだろう。ダンジョンの魔獣はダンジョンから出てこないらしいし。
もちろん近づく俺たちも魔獣に見つかり、攻撃の対象になった。
「ウラガ!おっちゃん!戦闘準備!最悪、船は諦めて、調査船へ乗り込むぞ!」
「そんな!兄ちゃん達、がんばって戦ってくれよ!」
「わかってるから!おっちゃんは船の真ん中に移動しろ!」
湖からは、ピラニアに足が生えたような魚が、かなりの数、飛び出してくる。身体が小さいのと、船なので力が入りにくい。それでも俺たちは魔獣を倒していく。漁船を調査船の側面に着ける事ができた。おかげで、横1辺からの敵の侵入が防げる。調査船から降ろされた梯子で、先におっちゃんを避難させた。ウラガに荷物を運ばせながら、俺は【ステップ2】を駆使して、船に飛んでくる敵を倒していった。
「テル!あと半分だ!頑張ってくれ!」
「わかった!けど早くしてくれ、さすがに疲れてきた。」
そんな会話を交わしていると、船が大きく揺らいだ。船の後方を見ると、正に魚人と言えるような魔獣が乗り込んでくるところだった。ゲームでよく見る、サハギンにそっくりな魔獣だった。それが次々に、船の後方にしがみついていく。船の前方が海面から浮き出していく。見た目以上に重いようだ。
「ウラガ!転覆する!自分の荷物と、何か浮かぶものに掴まれ!」
叫ぶとすぐに、船は横転して、俺たちは船から投げ出された。大きな波に呑まれた俺たちは、運悪く渦の方へと流されていく。水面で、もみくちゃにされながらも、ウラガと掴みあうことができた。そしてそのまま巨大な渦潮へと呑まれていって、冒頭に戻るのであった。
目の前には、正にダンジョンの入り口です!といった風な洞窟が口を開けていた。普通の洞窟と違うのは、それが水でできている点だ。俺たちのいる、入り口の前すら、水でできており、どうやっているのか、地面のように堅かった。そして、周りは大渦で囲われていて、巨大な谷底のような場所だった。非常に神秘的である。
「綺麗だなぁ。」
そんな平凡な感想を述べていると、周りを偵察に行ったウラガが戻ってきた。俺たちがつかまっていた、巨大な水樽を転がしながらやってきた。
「周りには魔獣はいなかった。ダンジョンでよくみられる現象で、普通の魔獣は近寄らないんだ。つまりこの洞窟は、ダンジョンの確立が高くなった。ところで、もう動けるか?」
「悪い。しばらくは足が動きそうにない。【ステップ2】を酷使したようだ。」
「うーーん。一応この辺は安全地帯だし、もうすぐ日没だからなぁ。ここで泊まるか。」
「安全地帯なんだよな?なら無理せずここで休もう。」
俺たちは少し早目の夕食(といっても干し肉と水浸しのパン)をとると、身体を寄せ合って眠ろうとした。空を見上げると、確かに夜が来ているらしく、空は真っ黒だった。しかし、ここは暗くならない。なんとダンジョンの入り口を形作っている水が、光っているのだ。めっちゃ眩しい。絶対寝れない。俺たちは、持ってきていた毛布を洞窟にかけて、光を抑える事で、ようやく我慢できる光になった。幻想的だが、迷惑極まりなかった。
■ステータス
テル・キサラギ 人族 男 18歳 レベル18→20
体力:202→225 魔力:97→105 筋力:119→130
速度:85→101 耐性:46→50 魔耐:41→45
召喚獣:氷の精霊【ユキ】
スキル:【オール・フォー・ソード】【採取2】【伐採1】【鑑定2】【スラッシュ2】【二段突き2】【地形把握2】【周辺把握2】【ステップ2→3】【遠見2】【夜目2】【交渉2】【鷹の目2】
■ステータス
ウラガーノ・インヴェルノ 男 人族 19歳 レベル22
体力:281 魔力:54 筋力:170
速度:64 耐性:80 魔耐80
スキル:【ハイシールド】【交渉1】【鑑定2】【構造把握2】【解析1】
がんばってダンジョン考えたのに!全然話が進まなくて、入っていない!
ナンテコッタ。コンナコッタ。
テル君が頑張ったので、ちょっとレベルアップ御褒美。
ヾ(´∀`*)ヨシヨシ
次回は、ダンジョンに入る予定。