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根性入れて捜すぞ。

なぜこうなった?

突然のアレの登場で、私自身もびっくりです。

街めぐりは簡単に済ませました。

*若干の下ネタあり。ご注意ください。

 俺とウラガーノが色々話していると、部屋をノックする音が聞こえた。


「お二人とも、お湯の準備ができました。裏庭へどうぞ。」

「「はーい。」」


 お湯の準備は夕食後に行っているため、今日はギリギリ間に合ったようだ。裏庭に行くと、他の人が使い終わったのか、庭の土が濡れていた。俺たちはお湯とタライを貰うと、裏庭の端に持っていき、そこで身体を拭いた。


 俺が全裸で身体を拭いていると、ウラガーノが話しかけてきた。


「おいおいテル。良い身体してるじゃねーか。結構鍛えてるんだな。立派なモノもぶら下げてるしよぉw。」


 満面の笑みで、いきなり下ネタである。なに?狙われてるの?


「本格的に鍛え始めたのは、1カ月くらいかな?筋肉がつきやすい体質なんだ。ウラガーノさんも、なかなか鍛えてるじゃないですか。」


 たぶん俺のは固有スキル“オール・フォー。ソード”のおかげ。剣を振りやすい身体になるために、補正がかかってると思うんだよね。


「だろ?俺は固有スキルの“ハイシールド”のおかげで補正がかかってるけど、ちゃんと鍛えてるんだぜ。でも貧乏だったから飯が少なくて、身体は太くならなかったよ。背はめっちゃ伸びたんだけどなwあと他人行儀じゃなく、呼び捨てで良いぜ。ウラガとかウーノとか好きに呼べよ。」


 なんでも、貴族というのは大抵が固有スキル持ちらしい。昔はそれを使って、偉業や戦いで戦果を残して爵位を得たそうだ。それが受け継がれているらしい。“ハイシールド”とは防御に特化した力だそうだ。身体の補正から、盾を使った戦い方まで、一般人より成長速度や熟練度が高くなる。しかし戦う時しか使い道が無く、どんどん没落していったそうだ。


 固有スキル自体は珍しいそうだが、いないわけではないので、持ってるとラッキーとか、貴族様ですか?とか聞かれるくらいらしい。


「?お前の胸にあるのって、もしかして召喚陣か?すげーじゃん!初めて見たぜ!なぁ、召喚して見せてくれよ!」

「召喚陣?ああ、この胸のあざのことか。いいけど、もしかしたら俺は魔力不足で倒れるかもしれない。その時は部屋まで運んでくれよ。」

「もちろんだ。さぁ早く!」

「ふー。じゃあ行くぞ。出てこい“ユキ”」


 俺は念のために持っていたナイフに意識を向けながら、できるだけ少ない魔力消費で済むように念じ、“ユキ”を呼び出した。胸の中から白い光が溢れて俺の前で形になると、白いフワフワが現れた。ひさしぶりの“ユキ”は相変わらずフヨフヨしていた。


「もしかして、氷の精霊か!?スゲー!水の精霊の上位種じゃん!産まれて初めて見たよ。」

「キュ♪キュー?」


 ウラガは物珍しいのか、ユキをツンツンつついている。一方ユキの方は、知らない人がつついてくるので、不審がって俺の後ろに隠れてしまった。そんな微笑ましい光景を見ていると、急に立ちくらみを起こした。


 ステータスを確認すると、84あった数字が14に減っている。俺は立っていられず、タライの中でひざをついた。ユキは心配して俺の頭の上に乗っかっている。かわいい奴め。そしてウラガは慌てて俺に近寄ってきた。


「魔力が少ない。悪いが肩を貸してくれ。」

「分かった。取り合えず下だけでも服を着せるから、頑張って立ってくれ。」

「ユキ。悪いがまた遊んでやれないみたいだ。ごめんな。」

「キュー。キュッキュー。」


 俺を抱えたウラガは手早く服を着て、俺を部屋まで送り届けた。タライやお湯の入ったバケツは、ウラガが返してくれたようだ。ユキが出してくれた氷をタオルでくるんで、俺の頭に乗せてくれる。熱は無いのだが、気持ちよかった。ユキとウラガの優しさを感じた。


 翌日は朝早くから、ウラガと共に王都を散策した。


 最初は、東門から一時外出の手形をもらって出たすぐにある、船着き場だ。トレーネ湖で漁をする為の船が並んでいて、ちょうど出航するところだった。漁は午後までと決められており、昼過ぎには街の魚屋に商品が並ぶ。さらに観光用の船まであった。世界最大の湖なので、朝から列ができている。湖の中の小島をめぐるツアーがあるそうだ。手形を返して、王都に戻った。


 次に闘技場だ。武道大会や、重犯罪奴隷を使った殺し合い。お祭りやスポーツもできるらしい。写真で見たローマのコロッセオを大きくしたような建物だった。


 そして次は、ギルドお勧めの武器屋と総合魔法屋。向かい合わせで建っており便利だし、品ぞろえも豊富だった。初心者からベテランが使うものまで扱っていた。総合魔法屋とは魔法屋と魔法道具屋、薬屋を合わせた建物だった。ウラガは商売をしたいからか、熱心に見学していた。


 ギルドと教会はスルーして、最後は2区にある図書館へと向かった。書物は貴重なので、万が一盗難に遭っても、3区より狭い2区の方が捕まえやすく、治安も良いので、2区内に建っているらしい。


 2区に入る時に、銀貨1枚を要求された。貧乏二人にとってはつらい出費となった。ちなみに金貨1枚で一年間出入り自由のパスも売っていた。


 図書館はこれまた立派な建物だった。ゼーの図書館は学校の校舎1つ分だったのに、王都は校舎4つ分だ。ゼーの図書館同様に、エリア1は物語や伝記。エリア2はスキルと魔法。エリア3は歴史や他国の話と地図。エリア4は禁書庫であった。それぞれのエリアが別々の建物になっている。


「よし。ここなら“ライゼの成り上がりシリーズ”がありそうだ。根性入れて捜すぞ。」


 図書館入り口でウラガと別れて、俺はエリア2へと向かった。


■ステータス

テル・キサラギ 人族 男 18歳 レベル16

体力:160  魔力:84→89 筋力:105

速度:75  耐性:42  魔耐:37

召喚獣:氷の精霊【ユキ】

スキル:【オール・フォー・ソード】【採取2】【伐採1】【鑑定2】【スラッシュ2】【二段突き2】【地形把握2】【周辺把握2】【ステップ2】【遠見2】【夜目2】【交渉2】【鷹の目2】


■ステータス

ウラガーノ・インヴェルノ 男 人族 19歳 レベル20

体力:230 魔力:50 筋力:150

速度:60 耐性:72 魔耐:72

スキル:【ハイシールド】【交渉1】【鑑定2】【構造把握2】【解析1】



突然のユキちゃん登場!

本当はサクサク街をめぐって、本を見つけるはずだったのに。

ウラガーノ君が勝手に動くからー。ワタシノ、セイジャ、ナイヨ。

次回は、本を見つけて今後を決める話。の予定。

(^ω^;)

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