これから宜しくお願いしますね
王都の説明回と出会い。
*地図があります。
下手ですが、すこしでも理解の助けになればと。
歩きながら、次の予定を考える。
(自称神様は世界を救えと言っていたな。エバさんによると、種族間の争いはない。という事は、魔王だとか魔族による世界征服は除外していいな。Web小説を参考にするなら、邪神の仕業が考えられるか。魔獣の活性化から考えて一番現実的な気がする。後はこの星そのものが死にかけている可能性だけど、それは分かんないな。まぁ、とりあえず王都で何しよう?“ライゼの成り上がり~スキル編”によると、【鍛冶】と【付与】が便利らしいし、王都で鍛冶屋に弟子入りしようかな?冒険者としてお金を稼ぐのもいいなぁ。)
馬車で3日の日程なので、徒歩だと6日もかかってしまった。ネーロからくすねていた干し肉と水があったおかげで、ギリギリ王都に辿りつく事ができた。
王都“ケーニッヒ”は、それは立派であった。人族の国“メンシュ”を統べる王がいる街。世界最大の“トレーネ湖”の西にそれは聳え立っていた。
まず目に飛び込んできたのは、街を守る城壁である。街を囲むように高さ12mの壁が延々と続いていた。ビルで言うと4階くらいか。厚さも3mはあり、城壁の上は通路になっているようで、数人の衛兵が警備にあたっていた。街に入る長い列に並んで、俺の番が近付くとその門の大きさにも驚いた。高さ5mほどもある扉が開いていた。もうすぐ日没なので門を閉める必要があるのか、大勢の兵士と馬が準備されていた。馬で引いて、人で押して閉めた後は、横の小さな通用門を使って出入りするようだ。
入場税で銀貨1枚を支払った。ギルドの場所を門番さんに聞くと、ギルドは中央の道を行くと見えてくるらしい。ゼーの街も西洋風で立派に感じてが、王都の街並はさらに綺麗だった。道の横にはテラスを有した食事処や。この世界では高価な、ガラスをふんだんに使ったウインドウショッピングのできる服屋等があった。さすが王都といった感じだ。
たぶん王都以外から来た人に、王の偉大さを見せるため、見える範囲は綺麗なのだろう。きっとどこかに、スラムもあるはずだ。
しばらく歩くと、大きな建物群が見えてきた。道の右手には学校の校舎3つ分ほどもある“ギルド人族本部”。道を隔ててこれまた立派な“教会本部”。この二つを中心に高級ホテルが乱立していた。道の先には、また城壁と門がそびえていた。
ギルドの構造は、全国で統一しているようで、左手の冒険者受付へと進む。そこにいたおじさん職員に質問をする。
「はじめまして。ゼーの街から来たのですが、この街の事と、安くて良い宿を教えて頂けませんか?」
「おぉ。良くいらっしゃいました。ギルドの人族本部へようこそ。王都の説明と宿ですね。もちろんするが、悪いけど座ったままで許しておくれ。」
どうやら足を怪我しているようだ。
まとめると、王都“ケーニッヒ”の街は3つの区画でできているそうだ。湖畔の王の城や、国政を司る役場がある1地区。貴族や富裕層、大商人等が住む2区。それ以外の人と、街の役場やギルド等がある3区に分かれているらしい。それぞれ半径1km、5km、15kmの円が重なっているそうだ。
面積的には、淡路島と同じくらいだな。相変わらずスケールがおかしい。中央道や南道付近は治安が良いが、3区の北端に行くほど危ないらしい。ゼーの図書館で買った紙が残っていたので、とりあえず主要な施設と、お勧めの宿を描いた地図を書いてもらった。
ギルドから出ると、日没からかなり経っていたようだ。俺は地図を頼りにお勧めの宿屋に向かう。“南の道”沿いにあるらしく、中央道を少し戻る必要があった。俺は街馬車とよばれる、街を巡回するバスに乗って、宿屋を目指した。銅貨50枚で、1カ月乗り放題だそうだ。ギルドでパスを買っておいてよかった。
街が大きすぎるので、街馬車がないと、街の端から端に行くまで時間がかかりすぎるらしく、公共の乗り物が発達したらしい。宿屋は3階建てで、なかなか立派そうだった。安宿を頼んだはずだけど。おっちゃんボケてるのか?
宿屋に入ってみると、優しそうな老婆が受付カウンターであろうテーブルに座っていた。
「冒険者ギルドに紹介されて来たんですが、男一人で1泊だとお幾らですか?」
「はい。いらっしゃい。一人部屋だと銀貨1枚。二人で相部屋OKなら銅貨70枚。二段ベットの4人部屋だと銅貨50枚になります。生憎、4人部屋は満室ですがね。ところで、ギルドの誰の紹介で?」
「あーっと。名前は忘れたのですが、足を怪我した中年の男性ですね。」
「そりゃ息子ですわい。あいつが認めた人なら、2人の相部屋で銅貨50枚に値引いてあげるよ。ついでにお湯も付けてあげようじゃないか。」
「御子息でしたか。地図まで書いて頂いてお世話になったのに、御実家の宿でも良くして頂けるとは!感謝します。それでは二人の相部屋で、10日分お願いします。」
「はいよ。飯は朝と夜の鐘がなってから、1時間以内なら出してあげる。どっちも銅貨10枚だよ。代金はその時おくれ。ちなみに今日はもうは終わっちまったよ。」
「分かりました。では明日の朝食をお願いします。」
「部屋は二階の一番奥の左手だよ。たしかお前さんと同い年くらいの青年がいた気がするね。仲よくおしよ。」
おっちゃんはボケてなかった。疑ってごめんね。
部屋に着くと、背の高い男がベットで寝転がっていた。伸長190cmはありそうで、緑の頭が特徴的な細マッチョだった。上半身裸である。
「失礼します。同室になりました、テル・キサラギです。」
「おぉ!一人は寂しいと思ってたんだ!俺はウラガーノ・インヴェルノ。これでも貴族なんだぜ!没落だし、二男だから家から追い出されてよ。商売がしたくて王都に来てるんだ!仲よくしようぜ。」
「・・・俺は一応冒険者やってます。これから宜しくお願いしますね。」
もの凄いフランクというか、快活というか、元気いっぱいの青年だった。ノリも良さそうで、良い人そうなんだが、いかんせんネーロのせいで商人は信用できないと思ってしまう。俺はこの後、このウラガーノ・インヴェルノと長い人生を共にすることになるのだった。
■ステータス
テル・キサラギ 人族 男 18歳 レベル16
体力:160 魔力:84 筋力:105
速度:75 耐性:42 魔耐:37
召喚獣:氷の精霊【ユキ】
スキル:【オール・フォー・ソード】【採取2】【伐採1】【鑑定2】【スラッシュ2】【二段突き2】【地形把握2】【周辺把握2】【ステップ2】【遠見2】【夜目2】【交渉2】【鷹の目2】
■ステータス
ウラガーノ・インヴェルノ 人族 男 19歳 レベル20
体力:230 魔力:50 筋力:150
速度:60 耐性:72 魔耐:72
スキル:【ハイシールド】【交渉1】【鑑定2】【構造把握2】【解析1】
ウラガーノ君が出てきました!やっと仲間を出せるよ!
同年代と会話ができて、テル君よかったね。
次回は、冒険者らしくギルドでお金稼ぎ。の予定。
~( ~ ’ヮ’)~