表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/214

やっぱり、自由の身で吸う空気は最高だ。

盗賊さんとのバトル?一方的な退治?です。

「こっちのガキも威勢が良いじゃねえか。せいぜい抵抗してみせろ。こっちは5人。おまえらは2人か?俺たちの勝ちは確実だけどな。」


 俺は、長々と御託ごたくを並べる盗賊を睨みながら、【鑑定2】を発動した。


■ステーレン:盗賊 男 年齢25 レベル26 


 他の盗賊も似たようなものだ。まだ何か言ってる。きっとお喋りなのだろう。サクッと戦えばいいのに。


 盗賊達は俺に2人、エバさんに3人にと別れた。俺はじりじりと、敵の姿が馬車の中からも、良く見える位置に移動した。馬車の中の人には、自分の盾や木の板で入口を守るようエバさんが言っていたので、大丈夫だろう。


 ネーロからも良く見える位置取りをした俺は、まだ喋り続けている男に向かって、【ステップ2】て急速に近づき、【二段突き2】で喉と胸を潰した後、【スラッシュ2】で止めをさした。もう一人の盗賊は呆気にとられている。俺はそれを見逃さず、同様にして始末した。


「なんだよ。口ばっかりじゃないか。ちょっとは強いところを見せてほしかったのに。」


 馬車の前方では、まだエバさんが戦っている。俺は静かに馬車に乗り込むと、ネーロに向かって、封筒を差し出した。下の方だけ四角く切り取ってあり、なかの紙が見えている。


「おいネーロ。ここにサインしろ。サインすれば助けてやる。」

「な!?何を馬鹿な事言ってる、さっさとエバに加勢して来い!命令だ!」


 ネーロが何か騒いでいる。俺は戦う前に、水に濡らした小さな布を耳に詰め込んでいた。なんちゃって耳栓である。


 奴隷契約にある、“主人の命令は遵守する”という文言への対抗策だった。聞こえなければ意味は無い。


「耳栓してるから、おまえらの声は聞こえないんだよ、アホが。早くしないと、エバが死んでお前らも盗賊に殺されるぞ?わかったらさっさとサインしろ。」

「くそ!何の書類か知らんがサインしてやる!だから俺を助けろ!」


 もちろん俺は聞こえていないが、ネーロは紙にサインした。すると一瞬輝いた後、一気に紙が燃え上がった。俺の首に巻かれた、黒いチョーカーは音もなく外れて、砂のように空気に溶けて行った。俺は馬車の中で、高らかに笑った。


「まさか!魔法契約書だったのか!?お前みたいな奴隷が、こんな短期間で買える代物じゃないぞ!?どうやって手に入れた!?」

「おまえはやっぱりアホだね。今は手に入れた方法より、契約の内容の方が大事だろうに。」

「!!そんな事は分かってる!何を書いた!命令だ説明しろ!」

「はぁ。奴隷の首輪が消えた時点で理解できるだろうに。俺はもうお前の奴隷じゃない事だけ教えてやる。ついでにエバさんを助けてやるよ。一応教育係としての恩があるからな。」


 俺はそれだけ告げると、エバさんを助けに向かった。盗賊を後ろから【スラッシュ2】で切りつけ、【二段突き2】で腕と手首を攻撃して、武器を落とす。不意をつかれた盗賊は、あっという間に俺とエバさんに殺された。


 殺した事を確認すると、俺はひとり先に王都へと歩き出した。エバさんが何か叫んでいるが、追っては来なかった。きっとネーロから離れるわけにはいかなかったんだろう。ちなみに、馬はさっさと村の方へ走り去っていた。飼い主の方へ戻ったようだ。


 俺は晴れやかな気分だった。人を殺したというのに、後悔や恐れよりもまず、奴隷から解放された事が嬉しかった。


 契約書の内容は以下の通りである。


・ “テル・キサラギ”(以下 契約主)を奴隷から解放する。

・サイン時より過去、契約主が負った全ての負債や責任を放棄し、現在の所有物を契約主に無償で提供する。

・以上はサインと同時に即時有効とする。


「やっぱり、自由の身で吸う空気は最高だ。」


俺は意気揚々と王都へと歩みを進めるのだった。


■ステータス

テル・キサラギ 人族 男 18歳 レベル15→16

体力:153→160  魔力:80→84  筋力:102→105

速度:73→75  耐性:40→72  魔耐:35→37

召喚獣:氷の精霊【ユキ】

スキル:【オール・フォー・ソード】【採取2】【伐採1】【鑑定2】【スラッシュ2】【二段突き2】【地形把握2】【周辺把握2】【ステップ2】【遠見2】【夜目2】【交渉2】【鷹の目2】


やっと奴隷から解放されました!おめでとうテル君。

やっと次へと話が進むね。

次章は王都編です。上手く書ければ良いのですが。

次回は王都観光。の予定

(^ω^;)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ