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まるで青い雪が降っているみたいだな。

47,48、ちょこっと49階層の話。


47階層で出てきたモグラは、その後はクルスが毎回力を込めた【風魔法】で一刀両断されていく。


むごい。

いや、すごい。


かなりのスピードでもって地面と地表を出入りするモグラに対して、魔法の発動スピードや反応速度で追いついている。


「わたしもー修行してるー。」


詳しく聞いてみると、【周辺把握】を取得しようと頑張っているらしい。最近では、なんとなく周りのことが理解できるようになってきたらしい。魔法に関する適正が高いので、【周辺把握】も、魔法の一部として対応しているのかもしれない。


その修業の成果によって、敵の移動先が大体絞れるので、あとは地面に沿うように【風魔法】で作った風の刃をぶつけるそうだ。


一方ウラガの方はというと、シズクの頑張りによって、なんとか耐えていた。【大盾】にへばり付いた熱の液体を、シズクの【水魔法】による付与で軽減する。


時間稼ぎをしている間に、グラスが【火魔法】の吸熱で液体の熱を完全に奪い取る。ちゃんと役割分担がされていた。


俺とアンはというと、特にすることがない。【地形把握】もゴールの方角を時々修正するだけだし、【周辺把握】による敵の探知も、慣れているので苦にならない。仕事とも言えないくらいだ。


ともあれ、最初のモグラには苦労したが47階層をクリアした。


そして48階層。今度は白いシャボン玉が浮いている。


案の定、中には青白い液体が入っており、液体に触れると凍りつく。しかも粘度が低いようで、【大盾】にぶつかると広い範囲へと、垂れてくる。


赤いシャボン玉のように、溶かされることはないが、【大盾】が局所的に凍りつくので、その部分は脆くなる。しかも空気中の少ない水分も凍らせるので、透明に近い【大盾】が白く変化している。見えにくい。


そしてモグラも攻撃方法が変わった。今までは高温で赤いツバを吐きかけてくるだけだったのが、冷気の玉に変わったのだ。


これが意外と硬い。ドライアイスのような、気体を冷やして個体にしたようなものだ。これをマシンガンのように連射してくる。


48階の攻略中、運悪く冷気の弾丸が、凍りついた【大盾】へと直撃した。


「パリーーン!」


まるで、ワイングラスが割れるかのような甲高い音を立てて、【大盾】に穴が空いた。しかも意外と割れた範囲が広くなり、そこへ空中を漂っている青いシャボン玉が入ってきたのだ。


俺がとっさに、【土魔法】で剣をモチーフにした、なんちゃって箱を用意して、それにシャボン玉を入れた。


パキパキ。


剣で作った箱の中で、シャボン玉が割れて、箱は一瞬で白く変色していく。【土魔法】で作られたので、原料は土なのだが、まるで霜が降りたかのような状態だ。触れれば皮膚が張り付くだろう。


「悪い。今すぐ修復する。」

「私がサポートを!」

「敵はーわたしー。」

「俺は【大盾】の外のシャボン玉でも割っとくよ。」


グラスはウラガが修復する【大盾】をサポートするために、他の凍った箇所に【火魔法】で熱を加えて、解凍していく。ちなみに、シズクの【水魔法】の付与は48階層では使っていない。もし使っていたら、一気に【大盾】全体が凍りつくだろう。


そして俺は【土魔法】で小さなナイフを6本創りだす。それを【遠隔操作】で操り、【大盾】の外のシャボン玉を狙う。


だがシャボン玉の軌道は変則的で、なかなか当てにくい。そもそも数が多いので全部を破壊するのは無理そうだ。それでもやらないよりは良いだろうと、俺はひたすら壊し続けた。


そして3時間後。ようやく48階層をクリアした。


モグラによる冷気の弾丸は、マシンガンのように連射されていたので、俺達も何発か受けている。青あざになっているが、致命的ではない。


魔力の消耗が激しいウラガが、無理をして【光魔法】をかけてくれた。お返しにと俺も【光魔法】で魔力をウラガへと分け与えた。ロスが激しいが、今日はもう寝るだけなので、構わないだろう。


意外と神経を使ったのだろうか、その日はすぐに眠りについた。


そして翌日。49階層へとやってきた。


「まるで青い雪が降っているみたいだな。」


そこには、青いシャボン玉が空中に大量に浮いていた。それはまるで、まばらな雪が降っている様な、幻想的な雰囲気であった。


だが現実問題、攻略するのは更に難しくなるだろう。


魔獣の数も増えるので、【大盾】を壊される回数も増えるだろう。そうすると、【大盾】の中へと入ってくるシャボン玉も増える。つまり危険が増えるのだ。


ということで、俺達は今日一日を休みに変更する。ウラガの【大盾】を多層式へとバージョンアップするための修行に充てるのだ。


ということで、朝からレッツお菓子作りだ。


みんな、見えないところで修行しており、強くなっています。そしてアンが出番が無さ過ぎて、可哀想なことに。どうにかできないかなぁ。

テルくんは、決心した様です。ウラガの成長のために一肌脱ぐようです。もうちょっと早くても良かったんじゃない?と思わなくもない。

次回は、ウラガの修行と49階層の話の予定。

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