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怪我をしたら元も子もないなんだよなぁ。

お久しぶりです!

やっとパソコンの設定やデータ移行等が完了して、復活です!

リハビリも兼ねて、ちょっと短めです。

36階層の話。


爆発して猛烈な熱波を吹き出すという、非常に対処に困るアメンボの魔獣に俺たちは対処方法を考えている。


「あいつって結構硬いんだよな?」

「あぁ。圧縮してない土の剣じゃぁ歯がたたないな。ゴーレム並だ。」

「ゴーレムかぁ。それは硬いですね。私だと力不足ですね。」

「魔法でもーめんどー」

「私なら力で叩き割れそうだけど、でも防御に自身がないなぁ。」


スピードと体術主体のグラスでは傷が付かず、魔法主体のクルスでは効率的な攻撃方法がなく、怪力をもつアンでは爆風を防げない。もちろん防御が主体のウラガでも、剣を刺した途端に爆発するアメンボでは、防御する時間もままならない。必然的に俺が動くしかない。


「とりあえず圧縮した土の剣か、高速振動させた砂の剣を使うけど、魔力がもつかどうか。」


魔法結晶に微量だが常に魔力を流している上に、圧縮した土を操作する。精神的にも辛い。


そして話は俺の油断の話へと移っていく。


「みんなも見ててわかったと思うが、俺には油断があった。とっさに魔法結晶に頼って熱を吸収できたから大事にはならなかったが、一歩遅ければ大やけどだったろう。」


皆は真剣な目を俺へと向けてくる。茶化したり、口を挟む者はいない。


「俺やウラガは3回、神様のダンジョンをクリアしている。グラスは2回、クルスは1回。二人はまだ緊張しているかも知れないが、確実に折れは慣れから油断していた。ウラガはどうだ?」

「確かに俺も、何かあったら防いでやるって思ってたな。しかも俺から離れたテルが止めを刺すのに、特に危険を感じずに見守っていた。完全に油断していたのは間違いない。」

「私も【危険予知】を信用しきって、発動しないかぎりなんとかなると思ってました。」


グラスもスキルに頼った慢心があったと告げてくる。俺はウラガとグラスに特に言葉はかけず、頷くだけで答えた。二人も俺に頷き返す。それだけである程度の意思疎通はできた。


そしてその話を聞いていたクルスとアンに向かって話をする。


「聞いていた通り、俺達は慣れとスキルに依存していたようだ。二人はまだ緊張を持ってダンジョンに挑んでるはずだ。特にアンは以前、普通のダンジョンに挑んだことがあるんだよな?俺達が不用意な行動を取ろうとしたら、躊躇ためらわず注意してほしい。いや、先輩として俺達に教えてほしい。よろしく頼む。」


本来であれば、年長者であり経験豊富なアンへの言葉遣いとしては不適切な、上から目線とも取られる言い方で俺はアンへとお願いする。


「あぁ。私もさすがにカンを取り戻してきたからな。若人に教えてやれることは、教えてやろう。」


アンは、俺がリーダーとして成長しようとしている事すらも見破ったように、まるで成長する子供を見守る親のような優しげな顔でそう告げてきた。


そして反省会を終えた俺達は、ゆっくりとダンジョン攻略を進めていく。


しばらく歩いたあと、再びアメンボの魔獣が襲いかかってくる。足の一本一本が2m以上あり、子供程度もある。そんな魔獣が縦横無尽に移動して襲い掛かってくる。


ウラガが【大盾】で皆を守り、クルスが【風魔法】のカマイタチで足を切ろうとする。俺も土の剣を6本作り出し、【遠距離操作】で接近される前に相手の動きを止める。


足を切られたアメンボは地面を転げまわっている。俺はウラガの【大盾】の内側から圧縮した土の大剣を一本作り出し、それを勢い良くアメンボへと突き刺す。


剣が刺さると同時にアメンボは爆発し、高温の爆風を撒き散らす。だが俺達はウラガの【大盾】の内側にいるので、熱を感じることもなく、安全にやり過ごせた。


俺は後ろで戦いを見ていたアンへ顔を向ける。アンは特に言うことはないというな顔で俺へと頷いてくる。どうやらアンの合格点は貰えたようだ。


その後も、安全を意識した布陣と戦闘で、36階層を攻略した。


「怪我をしたら元も子もないなんだよなぁ。」


俺は37階層へと続く階段に入ったところで、そんな言葉を呟いていた。無意識に出た言葉だが、みんなも口々に同意してくれた。


いつもより時間はかかったものの、怪我をするよりは良い。急ぐ旅だが、無茶をすること、無謀な事と急ぐこととは違うというのがよく分かった階層だった。




久しぶりすぎて、書き方と内容と設定、いろいろと忘れてる。

テルくんは、慣れの怖さを知り、仲間もそれを共有したようです。

心新たに攻略に挑むようです。

次回は37階層以降の話の予定。

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