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これでネーロを説得する足掛かりができた

 今日は朝からネーロの護衛だ。早朝の薪拾いの後、街中を連れまわされている。狭い路地等の奥にある怪しい家や、一般商店の地下から通路を通った部屋等、普通の人は来ない所を回っている。何か隠語が飛び交っていて、俺は話を理解できなかった。盗聴等を気にしてのことだろう。本当にネーロは真っ黒である。


 俺は、昨日獲得した【周辺把握1】と【地形把握1】をできるだけ発動し続けた。最初は10秒も維持できなかったが、剣に意識を向けながら練習すると、今は10分くらい維持できている。“ライゼの成り上がり~スキル編”によると、【周辺把握1】は1時間、【地形把握1】は半径10kmでレベルアップできるらしい。つまりこの街と同程度を把握できればいいわけだ。


「何してるんですか?護衛に集中してください。次行きますよ。まだまだあるんですから。まったくもう。」


 ネーロはイライラしているようだ。交渉がなかなか上手くいっていないのだろう。


「ご主人様。そろそろ昼になります。一度屋敷に戻って、食事をして休まれてはいかがですか?」


 エバさんがネーロを気遣って、休憩するよう打診している。俺もそろそろ集中力が切れてきた。スキルアップを頑張っていたからだ。俺も休みたい。


「・・・エバがそういうなら、休むべきなのでしょう。テルは先に帰って昼食の準備をしなさい。何か冷たい物が食べたいです。新しい料理を出すように。」

「わかりました。」


俺は走って帰ると、ジャガイモの冷製スープと、豚ではなくイノシシで作った、豚まん?イノシシまんを作った。ネーロは特に事件にも巻き込まれず、帰ってきた。チッ。


 昼もまた怪しいお客と会っていたが、普通のお客とも会っていた。ネーロは塩がメインだが香辛料も扱っているので、王都へ売る時の商品チェックに来ているのだ。しばらくしたら、王都へ買い出しに行くそうだ。川の氾濫を見込んで、香辛料や生活必需品の買い出しに行くらしい。


まずい。非常に拙い。まだスキルを覚え切れていないのに!もし王都への往復で盗賊に出くわしたら、今の俺じゃあ勝てない。北の大河が溢れたら、最悪1カ月はゼーの街から動けなくなる。一刻も早くネーロから解放されたいのに。もうこうなったら、睡眠時間を削って、ゴブリン退治でレベルを上げるしかないか?ゴブリンに会うよりも、まず【ステップ】と【交渉】を獲得しないと。)


 ネーロの仕事が終わり屋敷に戻ると、俺は自主トレする事をエバさんに宣言して、さっさと裏庭に来た。薪をバラバラに置いた俺は、さっそく【ステップ】獲得にチャレンジした。頼むぞ、俺の固有スキルちゃん!


 (障害物をよけて、素早く切りつける。剣をふりやすい位置に移動する。剣を振るのに必要だ。)


 念じながら、俺は短距離走ばりに走って、薪を避ける練習をした。もちろん剣を構えである。ダッシュ。避ける。避ける。ダッシュ。後ろに飛ぶ。またダッシュ。避ける。・・・5分ほど繰り返しいると、ゾクリと来た!【ステップ1】を覚えたのだ!俺はすぐさま【ステップ1】を繰り返し使用した。【ステップ】は使用回数でレベルアップするらしいので、夕飯まで繰り返した。


 日没後、少し仮眠すると、ランプと袋を10枚抱えて屋敷を抜け出した。筋力が上がったので、薬草10袋くらい、いけるだろう。まずは薬草を採取する。ランプと【採取2】のおかげで、サクサク摘むことができた。10袋を平原に置いて、【ステップ1】を連続行使する。10分程で、足がガクガクになった。かなりつらい。レベルアップは、まだ先の様だ。


 俺は座り込むと、次に【地形把握1】を使用する。周りに何も感じない。若干じゃっかん西側が坂になっている気がするだけだ。何m先まで把握しているか分からなかった。ちょっとむなしい。


 俺は別のスキル獲得する事にした。【遠見】である。遠くに見えるゼーの街の門に視線を向ける。夜勤の門番さんがいるはずだが、小さな光しか見えない。それでも俺は見つめる。


(遠くの敵を投げナイフで殺す。狙いを定める為に遠くを見たい。ナイフを命中させるのに良く見たい。)


 だんだん人影のようなものが、見えるようになってきた。そこで俺は、自分のナイフを門番さん目掛けて投げた。もちろん届くはずが無い。ゾクリときたと思ったら、門番さんの顔が夜なのにはっきりと見えた。ステータスを確認すると【遠見1】【夜目1】を手に入れていた!


「よっしゃー!二つもゲット!」


 その後、【遠見1】と【夜目1】を併用して、もっと遠い魔獣の出る森を観察し続けた。目が疲れると、【ステップ1】の練習。それを交互に繰り返して夜の特訓をした。


 ギルドによって薬草を換金してもらう。クレーさんはいなかったので、おっちゃん職員に買い取ってもらった。銀貨12枚銅貨50枚になった。ぼろもうけである。もう3時間もすれば、夜が明けるそうなので、俺は屋敷に戻って眠りに着いた。


 翌日は買い出しである。俺にとっては好都合。いつものように荷車を押して、メイドさんに付いていく。俺は荷車を無理やり露店に横付けして、八百屋のおっちゃんに話しかけた。


(良い剣を買いたい。剣についての情報を知るために、話がうまくなりたい。剣の整備用品を買うにも役立つだろう。)


 おっちゃんにとっては商売の邪魔なのか、顔が曇ってきた。するとまたゾクリときた。俺は話を終えると、ステータスを確認した。【交渉1】を獲得した。


「よし。これでネーロを説得する足掛かりができた。」


俺は笑いを必死にこらえて、メイドさんを待った。その後、訪れる店ごとに店員さんに喋りまくった。


■ステータス

テル・キサラギ 人族 男 18歳 レベル5

体力:60→71  魔力:30  筋力:35→40

速度:30→40  耐性:20  魔耐:15

召喚獣:氷の精霊【ユキ】

スキル:【オール・フォー・ソード】【採取2】【伐採1】【鑑定1】【スラッシュ1】【二段突き1】【地形把握1】【周辺把握1】【ステップ1】【遠見1】【夜目1】【交渉1】


これで、目標にしていたスキルを取れたはず。

レベルアップの話は、まとめてしまおうと思ってます。

だって話が進まないんだもん。

次回はこっそりゴブリン討伐。の予定。

_(:3 」∠)_


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