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馬車の旅、お気を付けて。

王の旅立ち。

抹茶短いです。


「うう寒い。」


昨日ダンジョンを攻略して、久しぶりにフカフカの布団で寝たのだが、目覚めたのは、いつものように日の出と一緒だった。


一番早く目覚める俺は、一人で王宮の中を散歩しようと、ラフな服装で部屋を出たのだ。だが獣人国において今は冬まっただ中である。さすがに寒い。ユキは寒い事が嬉しいのか、いつもより活発にフヨフヨ動き回っている。


俺は一度部屋に戻って、防寒着としてマントと手袋をまとってから、王宮の玄関の方へと何気なしに移動した。


すると城の門の前には、馬車が5台すでにスタンバイしていた。そしてその周りには、多くの人でごった返している。多くみられるのは、メイドさんと武官らしき装備をした人だ。


「テル様。おはようございます。」


俺が遠巻きにそれを見ていると、いきなり後ろから声をかけられた。ビクッとして振り返った先には、ヤギの執事さんが立っていた。こんな早朝なのに、執事服をパリッと着こなしていている。そして何より、俺の後ろに気配も無く立ったのだ。スキルを使用していなくとも、スキルの恩恵で感覚が鋭敏になった俺に気付かれないなんて、かなりできる執事さんだ。まぁ、王の傍に控える人としてのたしなみ?なのだろう。知らないけど。


「おはようございます。気付かなくてびっくりしましたよw」

「ホッホッホ。よく眠れた様で何よりです。」


俺の後半の言葉は、綺麗にスルーされた。俺はその事については、もう何も聞くまいと思い、他の質問を投げかけてみる。


「あそこに居る人たちは、王の神殿への出発用ですか?」

「はい。もうすぐ王が乗りこまれて、出立なさいます。」

「え!?まだ朝食もとってないですよね?早すぎません?」

「よくあることです。「朝食などは馬車でも食える」とおおせられまして。」

「はぁ・・・さすがと言うか何というか。」

「ホッホッホ。あそこに居るのは、王の護衛用の兵士と、食料の積み込みのメイドが大多数ですね。官僚の皆様はギリギリまで執務を行ってらっしゃいます。」

「聞く限り、徹夜っぽいんですが。」

「これも、「寝るのなど、馬車の中で幾らでも出来る。」と王が仰せられまして。」

「王だけでなく、官僚の方々も凄いですね。」

「ありがとうございます。」


御礼を言うと言う事は、この執事さんも寝ていないのだろう。なのに顔も服も疲れを全く感じさせない。やはり出来る執事のようだ。


「む。準備が整ったようですね。王を迎えに行って参ります。宜しければ、最後に一目王にお会いになりますか?」

「では、一目だけ。でも時間も無いようですので、馬車の前で待たせて貰いますね。」

「かしこまりました。それでは失礼します。」


俺は執事さんを見送った後、馬車のへと近寄って行った。すでに兵隊さん達には俺達の事が伝えられているようで、止められるという事は無く、逆に積極的に俺へと馬車について説明をしてくれた。


「こちらが王の乗られる馬車になります。ドワーフとエルフの合作で、振動や全体的な耐久性が向上した一級品なのです。」

「ほー。この紋章は?」

「これは、王家の紋章です。今代の王が亀族ですので、甲羅をデザインしたものになります。」


馬車の側面に描かれていたのは、世界地図の中に、この獣人の大陸を金色で囲んだ物と、亀の甲羅とをモチーフにした、繊細なデザインのシンボルが描かれていた。これで獣人の国と、王のものだと分かるらしい。


そして王の馬車は、パッと見の外見は普通の馬車だった。だが良く観察すると、細部に色々な動物が描かれていたり、飾り細工が施されている。それなのに嫌味にならないという、職人の実力が分かる見ためだった。


そして、他の馬車には、獣人国を金色で囲った世界地図マークしかなく、至って普通の馬車だ。だがこの馬車にも振動対策や耐久性の向上が施されているらしい。官僚や武官が、咄嗟に動けなくなっては意味が無いからだ。


ちなみに、食料等は“魔法の袋”を数個、魔法使いたちが所有しているし、馬車の荷台にも積んでいる。


俺が一通り見聞きしていると、メイドさんや居残りの兵隊が整列し始めた。俺が後ろを振り向くと、亀族の王を筆頭に、官僚の皆様が後ろに控えていた。


「テル殿。お早い目覚めだな。我らはもう出発する。またいつかお会いしましょうぞ。」

「おはようございます。次にお会いできる時を、心待ちにしております。」

「テル様。グラス様とウラガ様の事は、副隊長に任せております。後ほど挨拶に伺いますので。」

「商業権や手紙は副メイド長に渡してあります。防具の改良も、服メイド長に一任してあります。ですので、今後は服メイド長に何なりと申しつけ下さい。」

「官僚の民様と執事さん、有難うございます。馬車の旅、お気を付けて。」


俺と短く挨拶を済ませると、皆は直ぐに馬車へと乗りこんでいった。そして特にラッパを吹く事も無く、馬車は発車していった。アニメみたいな事を期待したのになぁ。



俺は見送った後、そのまま散歩を再開して、朝食の時間まで城を見て回るのだった。



こんなに短くて申し訳ありません。

リアルでは、研修に来ているもので、体力がぁ。

テル君は、王様とまた会う約束しましたね。次はいつ会えるのやら。

次回は街中と、修行の話の予定。


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